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COLUMN

EC実務担当者400名に聞いた『EC事業実務担当者に関する調査』全データ公開

EC運営の実務担当者400名への調査です。システム対応に時間を取られて販促施策を延期・断念した経験がある人は78.3%。不具合・アップデート対応には月「10~20時間未満」を使う人が35.8%で最多でした。

公開: 2026-10-13監修: 渡邉 章公

はじめに

株式会社メルカートが実施した「EC事業実務担当者に関する調査」の結果をまとめています。

【この記事の要点】

  • 「本来やりたい業務ができず時間を取られた」と最も感じる場面は、セキュリティ対応24.8%、ベンダー・制作会社とのやり取り20.8%、不具合・トラブル対応19.3%が上位です(Q4)。
  • 不具合対応やシステムのアップデート対応に使う時間は、月「10~20時間未満」が35.8%で最多です(Q5)。
  • システムのアップデート後に何らかの作業が発生する人は92.0%で、最多は「業務手順やマニュアルの修正」の52.3%です(Q6)。
  • バナー差し替えなどの軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」人は32.5%にとどまり、外部に頼る場面がある人は65.0%です(Q7)。
  • システムの対応に時間を取られたことが原因で販促施策を延期・断念した経験がある人は78.3%です(Q9)。

EC運営における「システム対応工数」とは

システム対応工数とは、EC運営で発生する作業のうち、販促や分析といった売上づくりではなく、システムを維持するために使われる時間を指します(本記事での定義)。不具合の確認・再現、ベンダーへの連絡、アップデート後の動作確認、セキュリティ対応、社内への共有などが該当します。業務一覧には載りにくく、担当者の時間を少しずつ削っていくため、管理する側から見えにくい負担です。

本調査では、EC運営に勤務時間の3割以上を充てている実務担当者を対象に、週のEC業務時間、本来使いたい時間、時間を取られた場面、不具合・アップデート対応の時間、軽微な修正の内製度、そして販促施策への影響までを尋ねました。結果として、78.3%がシステム対応を理由に販促施策を延期・断念した経験を持つことが明らかになりました。以下、Q2~Q9の結果を設問番号順に公開します。

※関連記事:
ECサイト運営の業務内容や効率化のコツは?EC業務を効率化した成功事例も紹介!

調査概要

本調査は、EC運営を「業務の一部」として兼務する人ではなく、勤務時間の3割以上をEC運営に充てている実務担当者に絞って実施した点が特徴です。

項目内容
調査名EC事業実務担当者に関する調査
調査方法インターネットアンケート
調査対象勤務先が自社でECサイトを運営し、自身がその運営業務に日常的に携わっている20~69歳のうち、EC運営業務に勤務時間の3割以上を充てている方
有効回答数400名
調査時期2026年9月14日~16日
調査主体株式会社メルカート(https://mercart.jp/)

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

■調査結果ご利用時の注意事項
調査結果を引用・掲載される際は、調査名「メルカートEC事業実務担当者に関する調査」の明記をお願いいたします。

【基本集計】調査結果(Q2~Q9)

各設問の数値は、必要な項目だけを引用してご利用いただけます。

Q2:1週間のうち、EC運営業務に何時間充てている?

1週間のうちEC運営業務に充てている時間は、「20~30時間未満」33.3%が最多で、「30~40時間未満」23.0%、「10~20時間未満」22.8%が続きました。

回答選択肢割合
10時間未満8.0%
10~20時間未満22.8%
20~30時間未満33.3%
30~40時間未満23.0%
40~50時間未満8.0%
50時間以上4.5%
わからない0.5%

※n=400。単一回答。

Q3:売上を伸ばすための業務に、本来はどのくらいの時間を使いたい?

販促の企画・実行、データ分析、改善施策など「売上を伸ばすための業務」に本来使いたい時間は、「4割以上6割未満」40.5%が最多で、「6割以上8割未満」32.5%、「8割以上」9.5%が続きました。「2割未満」は2.0%にとどまり、売上を伸ばす業務に一定以上の時間を使いたいと考える担当者が大半を占めます。

回答選択肢割合
8割以上9.5%
6割以上8割未満32.5%
4割以上6割未満40.5%
2割以上4割未満13.0%
2割未満2.0%
わからない2.5%

※n=400。単一回答。

Q4:「本来やりたい業務ができず、時間を取られた」と最も感じるのはどんなとき?

本来やりたい業務ができず対応に時間を取られたと最も感じる場面は、「セキュリティ対応(脆弱性・パッチ適用・診断等)が発生したとき」24.8%が最多で、「ベンダー・制作会社への依頼や確認のやり取りが続いたとき」20.8%、「不具合・トラブルが起きて、原因の確認や対応に追われたとき」19.3%が続きました。上位3項目はいずれもシステムやベンダーへの対応です。「そのように感じることはない」は4.0%です。

回答選択肢割合
セキュリティ対応(脆弱性・パッチ適用・診断等)が発生したとき24.8%
ベンダー・制作会社への依頼や確認のやり取りが続いたとき20.8%
不具合・トラブルが起きて、原因の確認や対応に追われたとき19.3%
システムでできないことを、手作業で埋めていたとき14.5%
管理画面での作業が煩雑で、想定より時間がかかったとき7.8%
繁忙期に想定外の対応が重なったとき5.8%
システムの仕様や制約を調べるのに時間がかかったとき2.8%
そのように感じることはない4.0%
その他0.5%

※n=400。単一回答。

Q5:不具合対応やアップデート対応に、月に何時間使っている?

不具合対応やシステムのアップデート対応のために自身が使っている時間は、「10~20時間未満」35.8%が最多でした。「20~30時間未満」14.5%、「30~40時間未満」4.5%、「40時間以上」3.0%と、月20時間以上を充てている層も一定数います。不具合の確認・再現、ベンダーへの連絡、更新後の動作チェック、社内への共有などを含めると、システム対応は毎月まとまった時間を占めています。

回答選択肢割合
5時間未満13.3%
5~10時間未満25.8%
10~20時間未満35.8%
20~30時間未満14.5%
30~40時間未満4.5%
40時間以上3.0%
わからない3.3%

※n=400。単一回答。不具合の確認・再現、ベンダーへの連絡、更新後の動作チェック、社内への共有などを含む。

※関連記事:
ECサイトの維持・運営にかかるランニングコストはどれくらい? 節約する方法とは

Q6:システムのアップデート後、担当者にはどんな作業が発生する?

システムのアップデートや改修が行われた後に発生する作業は、「業務手順やマニュアルの修正が必要になる」52.3%が最多で、「社内への周知・説明が必要になる」46.5%、「追加で費用の見積もり・承認手続きが発生する」34.5%、「表示崩れや動作の確認作業が発生する」32.8%が続きました。「特に作業は発生しない」は5.5%で、92.0%に何らかの作業が発生しています。

回答選択肢割合
業務手順やマニュアルの修正が必要になる52.3%
社内への周知・説明が必要になる46.5%
追加で費用の見積もり・承認手続きが発生する34.5%
表示崩れや動作の確認作業が発生する32.8%
特に作業は発生しない5.5%
アップデートが行われているか把握していない2.5%

※n=400。複数回答。

Q7:バナー差し替えなどの軽微な修正を、社内だけで完結できる?

バナー差し替えや文言修正などサイトの軽微な修正・変更を「ほぼすべて社内で完結できる」人は32.5%にとどまりました。「半分程度は社内で完結できる」53.0%が最多で、「ほとんど外部に依頼している」は12.0%です。「半分程度は社内で完結できる」と「ほとんど外部に依頼している」を合わせた、外部に頼る場面がある人は65.0%です。

回答選択肢割合
ほぼすべて社内で完結できる32.5%
半分程度は社内で完結できる53.0%
ほとんど外部に依頼している12.0%
わからない2.5%

※n=400。単一回答。

Q8:軽微な修正を外部に依頼すると、反映までどのくらいかかる?

外部に依頼した場合の依頼から反映までの期間は、「1週間以内」41.8%が最多で、「2週間以内」32.8%、「3日以内」14.4%が続きました。1週間を超える人(「2週間以内」と「1カ月以上」の合計)は37.9%です。

回答選択肢割合
3日以内14.4%
1週間以内41.8%
2週間以内32.8%
1カ月以上5.1%
わからない1.5%
外部に依頼することはない4.4%

※n=390(Q7で「わからない」以外と回答した人)。単一回答。選択肢は「2週間以内」の次が「1カ月以上」のため、2週間超~1カ月未満の回答は区別できません。

Q9:システム対応が原因で、販促施策を延期・断念したことはある?

システムの対応に時間を取られたことが原因で販促施策を延期・断念した経験は、「よくある」22.0%、「時々ある」56.3%で、合わせて78.3%にのぼりました。「まったくない」は5.3%です。システム対応工数は担当者の負担にとどまらず、販促施策の実行そのものに影響しています。

回答選択肢割合
よくある22.0%
時々ある56.3%
ほとんどない16.5%
まったくない5.3%

※n=400。単一回答。

※関連記事:
EC売上の停滞はシステムが原因か?基盤起因の切り分け方

調査から見えた5つのポイント

調査結果から、EC運営の実務担当者の時間の使われ方について5つのポイントを整理しました。

ポイント1:システム対応が、販促施策の実行を止めている

システムの対応に時間を取られたことが原因で販促施策を延期・断念した経験がある人は78.3%で、「よくある」も22.0%にのぼります(Q9)。システム対応工数は、担当者個人の負担ではなく、売上をつくる施策の機会損失として表れています。

ポイント2:担当者は売上を伸ばす業務に時間を使いたいと考えている

売上を伸ばすための業務に本来使いたい時間は「4割以上6割未満」40.5%が最多で、「6割以上8割未満」32.5%、「8割以上」9.5%が続きました。「2割未満」は2.0%にとどまります(Q3)。一方で、78.3%はシステム対応を理由に販促施策を延期・断念した経験があります(Q9)。

ポイント3:時間を奪っているのはシステムとベンダーへの対応

時間を取られたと最も感じる場面は、セキュリティ対応24.8%、ベンダー・制作会社とのやり取り20.8%、不具合・トラブル対応19.3%が上位でした(Q4)。不具合・アップデート対応に使う時間は月「10~20時間未満」35.8%が最多です(Q5)。

ポイント4:アップデートは「入れて終わり」ではない

システムのアップデート後に何らかの作業が発生する人は92.0%で、マニュアルの修正52.3%、社内への周知46.5%が上位でした(Q6)。機能が新しくなるたびに、担当者には確認や社内調整の作業が発生しています。

ポイント5:軽微な修正にも外部依存が残っている

バナー差し替えなどの軽微な修正をほぼすべて社内で完結できる人は32.5%で、外部に頼る場面がある人は65.0%です(Q7)。外部に依頼すると反映まで1週間を超える人は37.9%で(Q8)、修正のたびに生じる待ち時間も施策のスピードを落とす要因になります。

調査を踏まえたメルカートの考え方

本調査が示したのは、セキュリティ対応、ベンダーとのやり取り、不具合対応、アップデート後の作業といったシステム対応が担当者の時間を削り、その結果として78.3%が販促施策の延期・断念を経験しているという実態です。これらは業務一覧に載りにくい「見えにくい工数」です。

システムを選ぶ・見直す際には、機能の比較だけでなく、セキュリティ対応やアップデート後の確認を提供側と自社のどちらがどこまで担うのか、軽微な修正を社内で完結できる操作性があるかといった、運用の分担まで確認しておくべきです。

メルカートは、SaaS型のクラウドECプラットフォームとして、セキュリティを含む運用基盤の整備に取り組むとともに、分析から実行までをAIが伴走する「AIエージェント一体型DWH基盤」を構築し、機能を拡充しています。担当者の時間を、システム対応から売上を伸ばす業務へ戻すことを目指しています。

まとめ

本調査から、EC運営の実務担当者の78.3%が、システム対応を原因に販促施策を延期・断念した経験を持つことが明らかになりました。時間を取られたと最も感じる場面はセキュリティ対応、ベンダーとのやり取り、不具合対応が上位を占め、アップデート後には92.0%に何らかの作業が発生しています。軽微な修正をほぼすべて社内で完結できる人は32.5%にとどまります。

売上を伸ばす時間を確保するには、販促の工夫より先に、システム対応にどれだけの時間が消えているかを把握することから始まります。本調査の結果は、プレスリリースや社内資料への引用にご活用ください。

よくある質問

システム対応が、販促施策に影響することはありますか?

本調査では、システムの対応に時間を取られたことが原因で販促施策を延期・断念した経験がある人は78.3%でした。内訳は「よくある」22.0%、「時々ある」56.3%です。「まったくない」は5.3%にとどまります。

ECシステムの不具合・アップデート対応に、どのくらいの時間がかかっていますか?

本調査では、不具合対応やシステムのアップデート対応に使う時間は、月「10~20時間未満」が35.8%で最多、「5~10時間未満」が25.8%で続きました。アップデート後には92.0%に何らかの作業が発生し、最多は「業務手順やマニュアルの修正」の52.3%です。

サイトの軽微な修正を外部に依頼すると、反映までどのくらいかかりますか?

本調査では、「1週間以内」が41.8%で最多、「2週間以内」が32.8%、「1カ月以上」が5.1%でした。1週間を超える人は37.9%です。なお、軽微な修正をほぼすべて社内で完結できる人は32.5%にとどまります。

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