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COLUMN

BtoB ECとは?BtoBの基本から市場規模・選定ポイントまで徹底解説

BtoBとは「Business to Business」の略で、企業どうしの取引です。複数の関係者が稟議や承認を経て決めるため検討が長く、一度の取引額が大きく、担当者の好みではなく費用対効果で判断される点が特徴です。

公開: 2021-10-21監修: 渡邉 章公戦略ecサイト作り方

はじめに

「BtoB」「BtoB EC」という言葉は耳にする機会が多いものの、BtoCとの違いや、自社でBtoB-ECを導入するメリット、選定すべきシステムまで体系的に整理されている情報は意外と少ないものです。

この記事では、BtoBの基本概念からBtoB-ECの市場規模、BtoCとの違い、導入メリット、システム選定のポイントまでを、2024年最新の経済産業省データをもとに体系的に解説します。BtoB事業のEC化を検討する企業の意思決定に役立つ内容です。

BtoBとは?基本の意味と特徴

BtoBとは「Business to Business」の略で、企業間で行われる取引のことです。メーカーとサプライヤー、卸売業者と小売業者、元請け業者と下請け業者、業務システムのベンダー企業とユーザー企業など、相手が法人である取引はすべてBtoBに該当します。

「B2B」と表記されることもありますが、読み方はどちらも「ビー・トゥ・ビー」です。

BtoBの3つの特徴

BtoBには次の3つの特徴があります。

1つ目は購買プロセスが複雑であること。顧客が企業であるため、商品・サービスの購入には複数の関係者が関与し、稟議や承認を経て決裁されます。検討開始から購入までに数ヶ月以上かかるケースも一般的です。

2つ目は取引単価が高いこと。原材料・部品・業務システムなど、一度の取引で動く金額が大きく、年間契約や継続取引が前提となるケースも多くあります。

3つ目は合理性で判断されること。担当者の感情ではなく、「自社にどれだけの利益をもたらすか」「どの程度コスト削減につながるか」といった費用対効果が判断軸になります。

BtoCとの違いを4軸で整理

BtoBとBtoCは、取引相手・意思決定者・購買プロセス・判断基準の4軸で明確に異なります。違いを表で整理すると次の通りです。

比較軸BtoBBtoC
取引相手企業(法人)一般消費者(個人)
意思決定者複数(担当者→上長→決裁者)基本的に本人のみ
購買プロセス長い(数週間〜数ヶ月)短い(即決〜数日)
判断基準合理性・費用対効果感情・ブランド・流行
取引単価高額(年間契約・継続取引)比較的低額(個人消費の範囲)

※比較基準日:2026年6月時点

このように、取引相手が変わるとマーケティングの最適解も大きく変わります。自社の取引形態に合わない手法を選んでしまうと、成果に結びつかないため注意が必要です。

※関連記事:
BtoCとは?BtoC向けマーケティング手法とECで成果を出す進め方を解説

BtoB ECとは?取引形態の種類

BtoB(B2B)とは「Business to Business」、EC(eコマース)は「Electronic Commerce」の略です。つまりBtoB ECとは「企業間の電子商取引」、すなわちインターネットを介して行う企業間の取引を意味します。

BtoB ECによる取引は、大きく「BtoB ECサイト」を介した取引と、「EDI」を介した取引の2つに分かれます。

BtoB ECサイト

BtoB ECサイトとは、一般消費者向けのネットショップやオンラインショップのように、インターネットを介して商品やサービスの受発注を行えるWebサイトのことです。BtoB ECサイトは、「クローズ型」と「スモールB(スモールBtoB)型」の2種類に大別できます。

  • クローズ型:既存顧客のみが閲覧・利用できるECサイト
  • スモールB型:ロングテール層の顧客や見込み顧客など、新規顧客でも閲覧・利用できるECサイト

クローズ型は主に既存顧客との受発注をWeb上で行うためのECサイトで、ID・パスワードなどでサイトアクセスに制限をかけるパターンが一般的です。

一方のスモールB型は、BtoC ECサイトのように誰でもアクセスでき、新規顧客の獲得にもつなげられます。受発注に関連する機能以外にもさまざまな機能を持つサービス・システムが存在し、マーケティングやブランディングの強化に取り組みやすいという特徴があります。

EDI(電子データ交換)

EDI(Electronic Data Interchange)とは、契約書や納品書のやり取りといった受発注業務を、インターネットを通じて行えるシステムを指します。

EDIには「伝票の打ち間違いを防げる」「工数削減によるコスト削減につながる」といったメリットがありますが、取引先ごとに仕様の異なるシステムを使わなければならず、非効率という課題もありました。そのため近年は、EDIではなくBtoB ECサイトへ移行する企業も増えています。

※関連記事:
WEB-EDIとは?受発注システム(BtoB EC)との違いを解説

BtoB ECの市場規模(2024年最新データ)

国内のBtoB-EC市場は急速に拡大を続けています。経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月公表)の最新データを整理します。

取引形態2024年市場規模前年比EC化率
BtoB-EC514兆4,069億円+10.6%43.1%
BtoC-EC26兆1,225億円+5.1%9.78%(物販系)

※出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月26日公表)

注目すべきは、BtoB-EC市場はBtoC-EC市場の約20倍の規模を持ち、なおかつ前年比10.6%の二桁成長を続けていることです。BtoB-ECの伸びは、大手GMS(総合スーパー)やスーパーマーケットを中心としたEDI標準化の進展が主な要因と報告書では分析されています。

業種別ではとりわけ製造業のEC化率が高く、「輸送用機械」「食品」「電気・情報関連機器」などの分野ではEC化率が70%前後に達しています。多くの取引がすでにECで行われている分野です。

BtoB ECが拡大している3つの背景

従来の企業間取引は、電話やファックスによるアナログな方法が主流でした。それが急速にBtoB ECへ移行している背景には、3つの要因があります。

① デジタル化・DXの進展

従来の企業間取引では、受発注にあたって紙の帳票を作成・印刷して郵送したり、紙の帳票を確認して基幹システムに入力したりといったアナログ業務が発生しがちでした。

IT技術の進化に伴いビジネスのデジタル化・DXの重要性が高まる中、受発注のアナログなやり取りをEC化する企業が増えています。

※関連記事:
EC DXとは?AI時代におけるDXの失敗しない進め方と5つのステップ

② 生産性向上の必要性

少子高齢化が進む日本では、人手不足が深刻化しています。限られた人員で売上を維持・向上させるためには、生産性向上の取り組みが不可欠です。

同時に働き方改革の重要性が高まり、長時間労働の是正やテレワークへの対応も求められています。アナログな手法での企業間取引からECへの移行は、これらの課題を同時に解決する手段となっています。

③ BCP(事業継続計画)対策の推進

新型コロナウイルス感染症の流行や自然災害を経て、BCP策定の重要性が改めて見直されています。時間や場所を問わず受発注業務を行え、データをクラウド上に保管できるBtoB ECは、BCP対策としても有効な手段です。

BtoB ECを導入する3つのメリット

① 業務負担の大幅な軽減

電話やファックスで手作業の受発注業務を行っている場合、人為的ミスが発生しやすく、確認作業に無駄な工数がかかります。

BtoB ECサイトを導入することで、受発注の工数を削減しながら人為的ミスを防げます。商品の仕様などをサイト上で確認できるため、問い合わせ対応の工数も減少します。

② 売上の向上と新規顧客の獲得

電話やファックス、EDIだけでは新規顧客の獲得は困難です。BtoB ECサイトがあれば、蓄積した顧客データを活用しながらインターネット上でマーケティングを行え、既存顧客だけでなく新規顧客にも商品を訴求できます。

商品ページをカタログのように活用すれば、新商品のプロモーションにもつなげられます。

③ データ活用による経営改善

BtoB ECサイトでは、取引データ・顧客の行動データ・在庫データなどがすべて電子的に蓄積されます。このデータを分析すれば、売れ筋商品の特定・取引先別の購買傾向の把握・需要予測の高精度化が可能になります。データに基づいた経営判断ができる体制が、競争力の源泉となります。

BtoBマーケティングを成功させる3つのポイント

BtoB ECで成果を出すためには、BtoB特有のマーケティング戦略が必要です。重要なポイントは3つあります。

ポイント1:顧客の特徴とニーズを正確に把握する

BtoBでは、ターゲット企業の業種・規模・事業課題を正確に理解することが成果の前提です。「どの業界の」「どの規模の」「どの部門の担当者が」「どんな課題を抱えているか」を細かく定義することで、提供すべき商品・サービスと、訴求すべきベネフィットが見えてきます。

ポイント2:具体的な機能・効果を数字で示す

BtoBでは複数の関係者が論理的に商品を選定するため、抽象的な訴求は刺さりません。「コスト削減」ではなく「年間〇〇万円のコスト削減」、「業務効率化」ではなく「業務時間が〇〇%削減」のように、具体的な数値で効果を示す必要があります。

導入事例・お客様の声・ROI試算など、購買担当者が社内稟議を通すための「材料」を用意することが成約率を高めるカギです。

ポイント3:適切なタイミングで情報を届ける

BtoBは検討期間が長いため、顧客が情報収集している段階で接点を持っておくことが重要です。検索意図に合致したコンテンツSEO、業界課題を扱うホワイトペーパー、専門性の高いセミナー・ウェビナーが有効な接点になります。

さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用すれば、見込み顧客のサイト閲覧履歴やコンテンツダウンロードから「検討フェーズ」を判定でき、商談化のタイミングを逃しません。

BtoB EC構築時の課題と対策

市場規模が拡大し続けているBtoB ECですが、導入には特有の課題があります。導入を検討する際は次の点に注意が必要です。

独自の業務フロー・商習慣への対応

企業間の取引には独自の業務フローや商習慣が存在することが多いです。長年の業務フローが足かせになり、ECサイトの構築コストが膨らむケースもあります。取引先ごとに業務フローが異なる場合もあるため、要件定義の段階で業務フローを把握しておくことが重要です。

具体的には次のような商習慣への対応が必要となります。

  • 得意先別・取引量別の個別単価設定(掛け率管理)
  • 掛け払い(請求書払い)への対応
  • 承認フロー機能(担当者→上長→決裁者)
  • 納品書・請求書のPDF発行
  • 複数配送先への一括発注

既存顧客のオンライン移行支援

ECサイトへの移行の際、電話やファックスでの発注に慣れた既存取引先が難色を示すこともあります。導入の意図を丁寧に説明し、操作マニュアルの配布や個別サポートを行う必要が生まれるため、導入計画にはこれらのフォロー工数も組み込む必要があります。

セキュリティ対策の徹底

BtoB ECサイトでは取引情報・顧客情報を取り扱うため、強固なセキュリティが欠かせません。万が一情報漏えいが発生すれば、損害賠償や信用失墜により事業継続が困難になるリスクがあります。導入時には、SaaS提供元のセキュリティ体制(ISMS認証・第三者監査の有無など)を確認することが必須です。

メルカートならBtoB ECの構築と運用をこう解決できる

BtoB ECサイトの構築を検討している方におすすめしたいのが、中堅・大手企業向けのクラウド型ECプラットフォーム「メルカート」です。

BtoB特有の商習慣に標準対応

メルカートは、得意先別単価・複数配送先・納品書PDF発行など、BtoB特有の商習慣に対応した機能を標準搭載しています。請求書払いにはNP後払い・GMO後払いで対応します。クローズドサイト構築にも対応しており、IDパスワード認証と事業者による会員の承認で、承認した取引先だけが利用できる環境をつくれます。

データ統合とAIで取引データを経営に活かせる

標準搭載のDWH(データウェアハウス)が、ECの取引データ・基幹システムの在庫データ・CRMの顧客データを統合します。AIエージェントが「取引先別の購買傾向」「需要予測」「クロスセル機会」を整理して提示するため、データに基づいた営業戦略を立てやすくなります。

盤石なセキュリティと伴走型サポート

メルカートは自社起因によるセキュリティ事故0件※を継続しており、ISMS認証を取得した堅牢なクラウド基盤を提供しています。専任のカスタマーサクセスチームによる伴走支援で、BtoB特有の業務フロー設計から既存取引先へのオンライン移行支援まで対応します。

導入実績では、平均売上成長率480%、サポート満足度97%(ITreviewのレビューデータより、レビュー回答者数50人)の数値を達成しています。

※2026年6月時点

まとめ

BtoBは企業間取引、BtoB ECはそれをインターネット上で行う形態を指します。国内BtoB-EC市場は2024年時点で514兆円規模に達し、BtoC-ECの約20倍の規模で二桁成長を続けています。

BtoB-EC導入のメリットは「業務効率化」「新規顧客獲得」「データ活用による経営改善」の3点ですが、独自の商習慣・既存顧客フォロー・セキュリティといった課題への対策が必要です。システム選定では、得意先別単価・掛け払い・承認フローへの対応を最優先に確認すべきです。

これからBtoB ECを検討する方は、BtoB特有の商習慣への対応とデータ活用基盤の両方を備えたプラットフォームを選ぶことで、長期的な事業成長の土台を築けます。

よくある質問

BtoBとBtoCの最も大きな違いは何ですか?

意思決定者と判断基準が最も大きな違いです。BtoBは複数の関係者が稟議・承認を経て、合理性と費用対効果で意思決定します。一方BtoCは本人が単独で、感情・ブランド・流行も含めて短時間で意思決定します。この違いから、マーケティング手法・コンテンツ設計・サイト構造のすべてが変わります。

BtoB-ECとBtoC-ECの市場規模はどちらが大きいですか?

BtoB-ECがBtoC-ECの約20倍の規模です。経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2024年の国内市場規模はBtoB-ECが514兆4,069億円(前年比10.6%増、EC化率43.1%)、BtoC-ECが26兆1,225億円(前年比5.1%増、物販系EC化率9.78%)でした。BtoB-ECは二桁成長を続けており、EDI標準化の進展が主な伸長要因です。

BtoB ECサイトを構築する際、最も重視すべき機能は何ですか?

「得意先別単価」「掛け払い」「承認フロー」の3つへの対応です。BtoBは取引先ごとに価格条件が異なり、請求書払いが基本で、購買は組織内承認を経て確定する特殊な商習慣を持つため、これらに標準対応していないシステムを選ぶと業務に支障をきたします。加えて、既存基幹システムとのAPI連携性、ISMS認証などのセキュリティ体制も合わせて確認すべきです。

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