COLUMN
ECパッケージとは?用途・規模別におすすめのECシステム10選を比較解説
ECパッケージとは、商品・在庫・カート・決済・顧客管理などEC運営の基本機能を備え、自社の業務に合わせて作り込めるECシステムです。標準機能で要件を満たせるならクラウドEC、独自要件が多いならECパッケージが向きます。
この記事は選定の観点をまとめたものです。自社の条件で比較したい場合は、3年総額の試算が早いです。
はじめに
ECサイトを構築・リニューアルする際、「ECパッケージとクラウド型のどちらが自社に合うのか」と悩む担当者は少なくありません。かつては「大規模ならパッケージ一択」という常識がありましたが、AIや自動アップデートを備えたクラウド型の台頭により、2026年現在はその前提が大きく揺らいでいます。
本記事では、ECパッケージの基本と、クラウドECとの年商規模別の選び分けから、3つのタイプ・費用感・比較ポイントまでを整理し、代表的なECシステム10選を紹介します。さらに、近年注目される「パッケージの信頼性をクラウドで使う」という選択肢にも触れ、自社に最適なシステム選びの判断材料をお届けします。
ECパッケージとクラウド型を含めたシステム全体の選び方を体系的に知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ECパッケージとは
ECパッケージとは、ECサイト(ネットショップ)を構築するために必要な基本機能をあらかじめ備えたシステムのことです。商品登録・在庫管理・カート機能・決済・顧客管理など、EC運営に欠かせない要素が標準搭載されており、ゼロからシステムを開発するよりも短期間・低コストでサイトを構築できます。
さらに、企業の業態や販売戦略に合わせて機能をカスタマイズできる点も特徴で、特に中〜大規模のEC事業者に適しています。独自の販売プロセスやCRMとの連携を柔軟に実現できるため、ビジネスの拡大フェーズでもスムーズに対応可能です。
近年は「ECパッケージ」という言葉の意味が広がり、従来のオンプレミス型だけでなく、クラウド上で動作するSaaS型やオープンソース型もECパッケージと呼ばれるようになっています。次のセクションでは、この3つのタイプの違いを整理します。
【年商規模別】ECパッケージとクラウドECのどちらを選ぶか
ECパッケージとクラウドECのどちらを選ぶかは、年商規模と独自要件の多さでおおよそ決まります。基幹システム連携や定期購入などの要件を標準機能と設定で満たせるならクラウドEC、業務フローに合わせた大規模なカスタマイズが前提ならECパッケージが向きます。
| 年商 | 向いているタイプ | 選び分けの目安 |
|---|---|---|
| 1億円未満 | ASPカート/ECモール | 商品と売り方を試す段階。システムより集客に予算を回す |
| 1億〜50億円 | クラウドEC(独自要件が多ければECパッケージ) | 受注・在庫の手作業や基幹システム連携が課題になる。標準機能と設定で回るならクラウドEC、回らない独自要件が多ければECパッケージ |
| 50億円以上 | ECパッケージ/フルスクラッチ | 独自の物流や販売形態に合わせた作り込みが要る。初期費用と保守費、社内に必要な体制もまとめて大きくなる |
※年商の区切りは目安で、独自要件の多さによって前後します。
メルカートとecbeingも、この選び分けで役割を分けています。標準機能と自動バージョンアップで早く立ち上げたい中堅企業にはクラウドECのメルカート、業務に合わせて作り込む大手企業にはECパッケージのecbeingが向きます。メルカートはecbeingのSaaS版(提供は株式会社メルカート)で、事業規模が拡大した場合はecbeingへの移行にも対応しています。
型を絞ったあとに確かめること
型が決まったら、候補の製品に同じ条件で見積もりを依頼します。自社の商品点数・受注件数・つなぎたい基幹システムを伝えたうえで、次の3点をそろえて比べてください。
- 3年の総額。初期・月額・追加開発・保守・決済手数料をすべて足したもの
- 標準機能でできる範囲と、どこから追加開発になるかの線引き
- 運用に必要な人数と、提供元がどこまで持つか
この3点は公開されている料金表からは読み取れません。月額の安さだけで決めると、追加開発と保守で総額が入れ替わることがあります。
ECパッケージの3つのタイプ
ECパッケージは、提供形態によって大きく3つのタイプに分類されます。自社の運用体制・予算・カスタマイズ要件によって最適なタイプが異なるため、まず違いを把握しておきましょう。
オンプレミス型(インストール型)
自社のサーバーにシステムをインストールして運用するタイプです。カスタマイズの自由度が非常に高く、独自の業務フローへの対応が可能な一方、サーバー調達・保守・セキュリティ対応はすべて自社負担となります。初期費用が大きく、バージョンアップのたびに追加コストが発生する点がデメリットです。大規模かつ独自要件が多い企業に向いています。
クラウド型(SaaS型)
ベンダーが管理するクラウド環境上でシステムを利用するタイプです。サーバー管理が不要で、機能のアップデートも自動で行われます。月額課金制が一般的で、初期費用を抑えやすいのが特徴です。近年はAPIを活用した外部連携も充実しており、パッケージ型に匹敵する機能を持つSaaSも増えています。スピード重視・コスト最適化を求める企業に適しています。
たとえば国産クラウドECのメルカートは、ECパッケージ「ecbeing」のSaaS版という位置づけで、パッケージで培った標準機能をクラウドの手軽さで使える点が特徴です。クラウド型を検討する際は、こうした「パッケージ由来の機能の厚み」を持つサービスかどうかも一つの判断軸になります。
オープンソース型
ソースコードが公開されているシステムを自社でカスタマイズして利用するタイプです。ライセンス費用がかからない分、エンジニアのリソースやセキュリティ対応など運用コストがかかります。代表的なものにEC-CUBEがあります。内製開発リソースがある企業や、独自機能を低コストで作りたい場合に向いています。
ECパッケージのメリット
ECパッケージを導入することで、フルスクラッチ開発と比べて多くのメリットが得られます。以下に代表的な3つのメリットを紹介します。
高品質なECサイトを構築できる
ECパッケージを導入する最大のメリットは、高品質なECサイトを構築できる点です。商品管理・カート・決済・会員管理などの基本機能があらかじめ搭載されているため、ゼロから開発するよりも大幅に工数とコストを削減しつつ、個別のカスタマイズにより高品質なECサイトの構築が可能です。要件定義から本番リリースまでの期間を短縮できるため、市場への早期参入が求められる場面でも有効です。
業務フローに合わせた柔軟なカスタマイズが可能
企業独自の販売戦略や業務フローに合わせて機能を拡張でき、他システム(ERP・CRM・MAツールなど)との連携も容易です。これにより、運用効率の向上とともに顧客体験の最適化を実現できます。特に複数ブランドの統合管理や、BtoBとBtoCの並行運営など、複雑な要件を持つ企業ほどカスタマイズ性の恩恵を受けやすいといえます。
セキュリティと保守面の安心感がある
実績あるベンダーによる継続的なアップデートやサポート体制が整っており、自社開発に比べて安定した運用が可能です。クラウド型のECパッケージであれば、セキュリティ対応やバージョンアップが自動化されているケースも多く、運用担当者の負担を大幅に軽減できます。これらの点から、ECパッケージは中〜大規模事業者にとってスピードと品質を両立できる選択肢といえるでしょう。
ECパッケージのデメリット
ECパッケージは多機能で利便性が高い一方で、導入前に把握しておくべき注意点もあります。
初期費用やライセンスコストが比較的高い
カスタマイズ性やサポート体制が充実している分、SaaS型のECプラットフォームと比べて導入・保守コストが大きくなる傾向があります。特にオンプレミス型は、サーバー調達・構築費用に加え、数年後のバージョンアップ対応費が別途発生するケースも多く、長期的なTCO(総保有コスト)の試算が重要です。
開発・改修の自由度がベンダー依存になるリスク
自社でコードを自由に触れない場合や、特定ベンダーへの依存度が高い契約形態では、スピーディーな改修や機能追加が難しくなることがあります。市場変化への対応が遅れると、競合との差が開いてしまうリスクもあるため、ベンダーの開発体制・アップデート頻度は事前に確認しておきましょう。
バージョンアップ対応やシステム連携に追加コストがかかる
自社の業務システムや新しいマーケティングツールとの連携を行う際、追加開発が必要になるケースも少なくありません。また、OSやブラウザのアップデートへの対応を自社責任で行うオンプレミス型では、セキュリティ維持コストが継続的に発生します。
これらを踏まえると、ECパッケージは「コストをかけてでも自社仕様を実現したい」「中長期的に独自要件を維持したい」といった企業に向いています。一方で、コスト効率や運用の軽さを重視する場合は、クラウド型との比較検討も視野に入れましょう。
ECパッケージの費用感
ECパッケージの導入を検討する際、費用のイメージが掴みにくいと感じる担当者は多いです。ここでは、タイプ別のおおよその費用感と、見落としがちなコスト項目を整理します。
初期費用・ライセンス費の目安
オンプレミス型のECパッケージは、ライセンス費だけで数百万〜数千万円の規模になることが多く、さらにサーバー構築費・設計費・カスタマイズ開発費が加わります。中規模サイトであれば総額1,000万〜3,000万円程度、大規模サイトではそれ以上になるケースも珍しくありません。
一方、クラウド型(SaaS型)は初期費用が数十万〜数百万円程度に抑えられるケースが多く、月額利用料の継続課金となります。スモールスタートが可能なため、予算が限られている場合でも導入しやすいのが特徴です。
見えにくいコスト:カスタマイズ・保守・アップデート費用
ECパッケージの総コストで見落としがちなのが、導入後に発生する継続的な費用です。具体的には以下のようなコストが考えられます。
| コスト項目 | オンプレミス型 | クラウド型(SaaS) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高め(数百万〜数千万円) | 低め(数十万〜数百万円) |
| 月額・年額費用 | 保守費として別途発生 | 月額利用料に含まれることが多い |
| バージョンアップ | 都度費用が発生(自社対応) | 自動更新のケースが多い |
| カスタマイズ費 | 追加開発費が都度発生 | API連携で対応できるケースも |
| セキュリティ対応 | 自社責任・追加費用あり | プラットフォーム側が対応 |
TCO(総保有コスト)で比較することが重要
短期的な初期費用だけで判断すると、運用フェーズで想定外のコストが積み上がるケースがあります。導入から5年・10年スパンで総保有コスト(TCO)を試算し、クラウド型との比較を含めて検討することが、長期的に見たコストパフォーマンスの最適化につながります。
ECパッケージの導入の流れ
ECパッケージの導入までの流れは、まずどのようなECサイトにしたいか、どんな機能を盛り込みたいかといった要件をまとめる「要件定義」からスタートします。
その後は開発ベンダーが主体となり、システム設計→プログラム開発→システムテスト→外部連携テストの工程を経てリリースとなります。ニーズに合わせたカスタマイズが行われるため、それなりの開発期間が必要です。カスタマイズ量にもよりますが、早くても3ヶ月以上を見込んでおくとよいでしょう。
なお、カスタマイズよりもECサイトを早くオープンさせることが優先な場合は、クラウド型のカートシステムの方が適しているケースもあります。スピード感と初期コストを重視するなら、クラウド型も含めて比較検討することをおすすめします。
ECパッケージを比較する際のポイント
ECパッケージを導入する際には、提供ベンダーごとの強みやサポート体制を慎重に見極めることが重要です。単に機能面や価格だけで比較するのではなく、自社の事業戦略や運用体制に合致しているかを基準に評価する必要があります。
機能要件の適合度
まず注目すべきは、機能要件の適合度です。標準機能で自社の販売プロセスをどの程度カバーできるか、追加開発が必要な領域はどこかを明確にすることが重要です。
たとえば、BtoB取引に特化した見積機能や会員ステータス管理、多店舗展開・海外販売への対応など、業態によって必要な要件は大きく異なります。加えて、API連携や外部システム(基幹システム・在庫管理・CRM・MAなど)との連動性も確認しましょう。これらがスムーズに接続できるかどうかで、後々の運用効率が大きく変わります。
サポート体制と運用支援
導入後の問い合わせ対応やトラブル発生時の対応スピード、専任サポートの有無、アップデートの頻度・内容などを事前に確認しましょう。EC運営を長期的に拡大していく企業ほど、担当ベンダーとのコミュニケーションの質が成果に直結します。
また、運用改善のためのコンサルティングやアクセス解析支援など、技術サポートを超えた「伴走型支援」が受けられるかどうかも重要な判断軸です。
導入実績と業界理解
自社と同業種・同規模の企業での導入事例があるかどうかは、業界特有の課題や商習慣を理解しているかの指標になります。アパレルであればSKU数の多さへの対応、食品であれば賞味期限やロット管理など、業種ごとに最適化が求められます。導入事例や成功ストーリーを確認し、自社の導入後イメージを具体的に描くことが重要です。
コスト構造の透明性
ECパッケージは、初期費用・ライセンス費・保守費用だけでなく、カスタマイズ開発や追加機能・アップデート対応などの見えにくいコストが発生する場合があります。見積時にはTCO(総保有コスト)を算出し、想定外の費用が生じないよう契約内容を確認することが大切です。月額制・買い切り制・従量課金制など、料金モデルもベンダーによって異なります。5年・10年スパンのコストパフォーマンスまで踏み込んで比較しましょう。
AI・データ連携への対応力(2026年の新観点)
2026年現在、EC事業の競争力を左右する新たな軸として「AI活用とデータ連携の対応力」が加わっています。顧客データ・行動データ・在庫データを一元管理し、AIが分析・施策提案まで自動化できるかどうかは、今後の運用効率と売上インパクトに直結します。
ベンダー選定の際は「AIエージェントとの連携機能があるか」「顧客データをどこに保持しどう活用できるか」「外部AIツールとAPIで繋げられるか」といった観点も必ず確認しておくことをおすすめします。
おすすめのECシステム10選
ここでは、数あるECパッケージおよびクラウド型ECの中から代表的なシステムをタイプ別に紹介します。自社の規模・業態・優先事項に合わせてご参照ください。各製品の紹介は2026年6月時点の各社の公開情報をもとにしています。機能や料金は変わることがあるため、検討の際は各社の公式情報をご確認ください。
ecbeing
ecbeingは、中堅〜大手企業向けのBtoC EC構築システムで、顧客カルテや売上分析など必須機能を標準で備え、カスタマイズ不要ですぐ始められます。
これまでに約1,600件の構築実績を持ち、分析→施策実行までの一連プロセスを支援。BtoB向けの派生パッケージ(「ecbeing B to B」など)もラインナップしています。後述するクラウドECのメルカートは、このecbeingのSaaS版にあたり、パッケージで培った機能をクラウドで利用できる関係にあります。
eltexDC
eltexDCは、EC機能だけでなく、受注処理・フルフィルメント・通販分析・店舗/モール連携といった機能を標準搭載し、オムニチャネル運営を支援します。
TV・新聞・カタログ・DMなど従来メディアを含む多様な通販チャネルに対応。カスタマイズ性も高く、事業拡大にも対応可能です。多次元分析・広告効果分析・ターゲティングメール・サイト内レコメンドなどプロモーション/分析機能が充実しています。
EC-CUBE
EC-CUBEは、無限のカスタマイズ性と自社独自データの活用を可能にするオープンソースのEC構築プラットフォームです。事業設計に応じて柔軟に構成でき、外部サービス連携にも優れます。
セキュリティ専門企業との契約による定期的な多層脆弱性検査で安全性を担保。1,500種以上のプラグインを備え、デザインテンプレートや独自レイアウト機能も豊富で、短期間で高品質なサイト構築が可能です。
SI Web Shopping
SI Web Shoppingは、実店舗とネット店舗を統合して一元管理することで効率的な運営を実現するEC構築パッケージです。年商数十億円を目指す中〜大規模事業者向けで、会員情報を統合することでリアル店舗でも優良顧客の把握が可能になります。
在庫をひとつのシステムで管理でき、EC/店舗/物流在庫の最適化ができ、オムニチャネル対応テンプレートも多数提供されます。
通販マーケッターEight!
通販マーケッターEight!は、楽天・Amazon・Yahoo!など主要モールからの情報や広告・メール・SMSなど各チャネルを統合して一元管理できるEC/通販向け総合管理システムです。
受注・顧客・商品・入金・出荷・在庫管理などの機能を標準搭載し、広告自動配信や同梱物自動設定によって運営業務を効率化します。決済・ECカート・倉庫・チャットボットなどの外部システム連携に対応し、運用に応じたカスタマイズも可能です。
Orange EC
Orange ECは、モール機能を標準搭載した汎用性の高いECシステムで、ショッピングモール型EC・BtoB(受発注・購買調達)・BtoBtoC・BtoE・会員制ECなど多様なモデルを構築可能です。
ソース公開されておりベンダーロックインの心配がなく、ヘッドレス構成で柔軟なUXを提供。大規模アクセス・大量受注にも耐える安定性を備えています。
以下はパッケージと同等の標準機能を持ちながら、自動アップデートや外部連携など拡張性の高いクラウド型ECカートシステムです。
メルカート
メルカートは、中堅・大手企業向けのクラウド型ECプラットフォームです。位置づけとしては、ECパッケージ「ecbeing」の「SaaS版」にあたり、提供元はecbeingグループの一員である株式会社メルカートです。ecbeingが1,600サイト以上の構築で培ったノウハウを、初期コストを抑えて自動バージョンアップのSaaSで利用できる点が特徴です。
売上アップと業務効率化を実現するデータ統合とAI活用を強みとし、顧客・在庫・行動・VOCを一つの基盤に統合できます。年240回の自動バージョンアップで常に最新の機能を使え、国産ならではの日本企業に適したストアオペレーションを実現します。事業規模が拡大した場合はecbeingへの移行にも対応しており、長期視点で選ぶ企業にとって安心材料になります。
ecforce
ecforceは、EC/D2Cビジネスの売上と利益向上に特化した顧客体験型ECシステムです。毎月10〜20の新機能を高速リリースし、最先端機能を提供。パーソナライズデータ管理(ecforce profile)やチャット型注文フォーム(ecforce efo)など、顧客体験と売上向上を意識した機能が充実しています。
広告タグの発行・管理、分析・CRM連携など、集客からリピートまでを包括的に支援します。
futureshop
futureshopは、SaaS型で提供されるECプラットフォームで、最新機能と無料学習プログラムがセットになっています。ドラッグ&ドロップでのデザイン編集・ライブコマース・サブスク販売など自由度の高いサイト構築が可能です。
リピーター分析(注文金額比較・転換率・商品別分析)やクーポン機能・Google ショッピング広告連携など、プロモーション機能も充実しています。
GMOクラウドEC
GMOクラウドECは、フロントとバックエンドを分離したヘッドレスタイプを採用し、フルスクラッチ並みの高いカスタマイズ性を持ちます。主システムと分離されているためセキュリティ性も高く、自動アップデート対応で老朽化もしません。
既存システムとの連携や複数サイトの統合管理ができ、モール機能も標準搭載。移行先・リニューアル先としても適した選択肢です。
パッケージ型 vs クラウドEC 比較表
ECパッケージ(オンプレミス型)とクラウド型ECは、どちらも「ECサイト構築のための手段」ですが、適した企業・フェーズが異なります。
以下の比較表を参考に、自社に合う選択肢を検討してみてください。費用と期間は一般的な相場です(2026年6月時点)。製品ごとの料金は各社の公式情報をご確認ください。
| 比較項目 | パッケージ型(オンプレミス) | クラウド型(SaaS) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高め(数百万〜数千万円) | 低め(数十万〜数百万円) |
| 導入期間 | 3ヶ月〜1年以上 | 1〜3ヶ月程度 |
| カスタマイズ性 | 非常に高い(ソースレベルで変更可) | API連携中心(年々拡充中) |
| バージョンアップ | 自社対応・都度費用が発生 | 自動更新(費用込みのケースが多い) |
| セキュリティ対応 | 自社責任(追加コストあり) | プラットフォーム側が常時対応 |
| AI・データ連携 | 別途開発が必要なケースが多い | 標準搭載・自動連携対応が増加中 |
| 向いている企業 | 大規模・独自要件が多い企業 | スピード・コスト効率を重視する企業 |
かつては「大規模=パッケージ」という図式が一般的でしたが、近年はクラウド型でもパッケージ同等の標準機能と柔軟な外部連携を備えるシステムが増えています。どちらが優れているというよりも、自社の要件・予算・運用体制に照らして最適な選択をすることが重要です。
パッケージの信頼性をクラウドで使うという選択肢
パッケージとクラウドの比較で見落とされがちなのが、「両者は対立する選択肢ではなく、つながっている」という視点です。近年は、パッケージで実績のあるベンダーが同じ機能基盤をSaaS(クラウド)として提供するケースが増えており、「パッケージの信頼性をクラウドの手軽さで使う」という第3の選び方が現実的になっています。
パッケージ由来のクラウドECとは
パッケージ由来のクラウドECとは、もともとオンプレミス型パッケージで培われた標準機能・カスタマイズ思想を、SaaS型として再設計したサービスを指します。スクラッチや汎用SaaSと違い、中〜大規模ECの実務で磨かれた機能(高度な会員管理、複数ブランド統合、基幹連携など)を、初期費用を抑えながら自動アップデート前提で利用できる点が強みです。
たとえばメルカートは、ECパッケージ「ecbeing」のSaaS版です。ecbeingが1,600サイト以上の構築で培ったノウハウを標準機能に受け継ぎつつ、月額課金・自動アップデートというクラウドの利点を両立しています。
「将来パッケージへ移行できる」という安心感
クラウドECを選ぶ際に懸念されやすいのが、「事業が拡大したときに機能が足りなくなるのではないか」という点です。この点で、パッケージへの移行パスが用意されたクラウドECは、長期視点で安心して選べます。メルカートは事業規模が拡大した場合のecbeingへの移行にも対応しているため、スモールスタートしながら成長後の選択肢を残せる構造になっています。
「最初はクラウドで素早く立ち上げ、規模拡大に応じてパッケージへ」という段階的な拡張は、初期投資を抑えたい中堅企業にとって合理的な選び方の一つといえるでしょう。
2026年のEC選定で見るべきAI・データ活用の視点
2026年現在、ECシステム選定において新たに重要性を増しているのが「AI・データ活用への対応力」です。売上アップ施策や業務効率化の手法として、AIを活用した分析・自動提案・パーソナライズが当たり前になりつつある中、導入するプラットフォームがその基盤を持っているかどうかが、中長期的な競争力に直結します。
データ統合基盤が競争力の源泉になる
顧客データ・購買履歴・行動ログ・在庫データ・VOC(顧客の声)がばらばらに管理されている状態では、AIがあっても正確な分析・提案ができません。これらを一元管理できるデータ統合基盤(DWH)を持つプラットフォームを選ぶことが、AI時代のEC運営においては不可欠な条件となっています。
AIエージェントによる施策自動化が標準化しつつある
単なる分析ダッシュボードを超えて、「AIが分析し、次に打つべき施策を自動提案・実行する」AIエージェント機能が実用化されています。担当者のリソース不足を補いながら、高度なパーソナライズ施策を量産できるこの仕組みは、今後のEC運営の標準装備になる可能性が高いといえます。
メルカートは、顧客・在庫・行動・VOCのデータを1つにまとめるAIエージェント一体型DWH基盤を標準搭載しており、DWH内のデータ分析から施策提案、管理画面での実行までをAIアシスタント経由で行えます。自社起因のセキュリティ事故はゼロ件を続けています。
「メルカート」でのECサイト構築・リニューアル事例
最後に、「メルカート」を利用してECサイトを構築・リニューアルした事例をご紹介します。ECパッケージと比較検討した上でメルカートの導入に至ったケースや、パッケージからクラウド型に移行したケースも含まれているので、ぜひ参考にしてみてください。
「メルカート」でリニューアルを実施し前年度比売上200%増!(井村屋株式会社)
「あずきバー」や「肉まん・あんまん」で有名な食品メーカーである井村屋株式会社は、「メルカート」を採用して2020年に公式通販サイトをリニューアルオープンしました。
旧サイトはスマートフォン非対応で、クーポン発行・定期購入・ギフト購入・会員ランクにも対応できていませんでした。当初ECパッケージの導入も検討しましたが、初期費用やバージョンアップ・メンテナンスコストがネックに。自動バージョンアップ・サポートの充実度・初期コストの低さ・カスタマイズ自由度を評価し、メルカートの採用に至りました。
リニューアル後はInstagram連携ツール「visumo」との連携やアクセス分析機能の活用により、2020年度の売上が前年比200%を達成。スマホ経由の注文割合も増加し、定期購入・ギフト購入対応など、リニューアル以前の課題を解消しました。
パッケージからの移行で大幅なコストカットに成功(鳴海製陶株式会社)
愛知県名古屋市に本社を置く高級洋食器メーカーである鳴海製陶株式会社は、メルカートを導入して2021年6月に公式オンラインショップをリニューアルオープンしました。
2004年からECショップを運営していた同社は、利用システムのサポート終了を機にリニューアルを検討。以前のECサイトはパッケージを使用していましたが、月額コストや機能面で規模感に合わないという感覚もありました。短納期でリニューアルでき、パッケージと比較してコストを抑えられ、使い勝手が良い点からメルカートが候補に浮上し、導入に至りました。
メルカートでのリニューアルにより、パッケージ型の旧ECサイトと比較して大幅なコスト削減を実現。モバイルからのコンバージョンが200%増加するなど、大きな成果を実感されています。
「メルカート」を採用し複数ブランドの統合を実現(株式会社グリップインターナショナル)
ゴルフ関連用品の企画・製造・販売を手掛ける株式会社グリップインターナショナルは、「メルカート」を採用してECサイトのリニューアルを実現しました。
外部委託型のECから内製化を進める中で、EC事業のリソース・人員を踏まえたクラウド型への移行を検討。売上を一緒にグロースしていけるパートナーを探した結果、構築前から構築後のマーケティングまでサポートが充実しているメルカートでのリニューアルを決定しました。
リニューアルを機に3ブランドから全8ブランドの展開に成功。情報発信・ブランディングをEC上で実施できる体制が整い、スピード感を持ってEC事業に取り組めるようになりました。
まとめ
ECパッケージは、短期間で高機能なECサイトを構築できる有効な手段です。標準機能が充実しており、カスタマイズや他システムとの連携にも柔軟に対応できるため、中〜大規模企業を中心に広く採用されています。
一方で2026年現在、クラウド型ECシステムの進化により「大規模だからパッケージ」という前提は変わりつつあります。さらに、パッケージで実績のあるベンダーがSaaS版を提供する動きも広がり、「パッケージの信頼性をクラウドで使う」という選び方も現実的になりました。導入コスト・運用負担・AI活用対応力・長期TCOを含めた多角的な比較検討が、今後のEC成功を左右する重要な判断になります。
機能要件・サポート体制・業界理解・コスト構造・AI対応力の5つの軸で慎重に比較し、自社の戦略と成長フェーズに最適なシステムを選定しましょう。
よくある質問
ECパッケージとクラウド型ECの一番の違いは何ですか?
最大の違いは「バージョンアップとセキュリティ対応を誰が担うか」です。ECパッケージ(オンプレミス型)は自社責任で行うため、その都度費用と工数が発生します。一方クラウド型(SaaS型)はプラットフォーム側が自動で対応するため、運用負担を大幅に軽減できます。近年はクラウド型でもパッケージ同等の標準機能と高いカスタマイズ性を持つシステムが増えており、大規模サイトにもクラウド型を選ぶ事業者が増えています。
ECサイト構築におすすめのプラットフォームを教えてください。
年商規模と独自要件の多さで候補が変わります。年商1億円未満ならASPカートやECモール、年商1〜50億円で要件を標準機能と設定で満たせるならクラウドEC(メルカートなど)、独自要件が多く大規模なカスタマイズが前提ならECパッケージ(ecbeingなど)が候補です。製品ごとの特徴は、本記事の「おすすめのECシステム10選」で紹介しています。
ECパッケージの導入にかかる費用の目安を教えてください。
オンプレミス型のECパッケージは、ライセンス費・開発費・サーバー費を合わせると1,000万〜数千万円規模になるケースが多く、さらに保守・バージョンアップ費が継続的に発生します。クラウド型(SaaS型)は初期費用が数十万〜数百万円程度に抑えられ、月額利用料の継続課金が中心です。短期費用だけでなく5年・10年のTCO(総保有コスト)で比較することをおすすめします。
中堅企業がECプラットフォームを比べるときは、何を基準にすればよいですか?
中堅企業に適したプラットフォームは「①データ統合基盤(DWH/CDP)を持つ」「②AIエージェントによる施策自動化に対応」「③自動アップデートで運用負担が軽い」「④API連携で基幹・MA・CRMと繋がる」「⑤同規模・同業界の導入実績がある」の5条件で評価するのが定石です。
AI活用を前提にECシステムを選ぶ場合、どの点を確認すべきですか?
「顧客・在庫・行動・VOCデータを一元管理できるか」「AIエージェントが分析から施策提案・実行まで自動化できるか」「外部AIツールとAPIで連携できるか」の3点を確認しましょう。データがばらばらに管理されているとAIの精度が下がり、施策効果も限定的になります。
NEXT STEP
いまの構成のまま、3年でいくらかかるか出せます
現在のカート・売上規模・運用体制をうかがえば、その場で3年総額の試算をお出しします。乗り換えるべきかどうかの判断材料としてお使いください。