eコマースとは? 拡大を続けるEC市場の基礎知識

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スマーフトフォン(スマホ)やタブレット・パソコンといったデバイスの普及や、インターネット回線の整備に伴い、「eコマース」という形態の取引が世界的に注目を集めています。しかし、具体的にeコマースとはどのようなものなのかよくわからず、疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、eコマースの概要や市場規模、種類やメリット・デメリットなどをご紹介します。

   

eコマースとは

「eコマース」を略さずに記載すると「Electric Commerce」となります。日本語に訳すと「電子商取引」という意味で、インターネットを介して行われる商品やサービスの取引・決済のことです。一般的にネットショッピングやネット通販と呼ばれるものは、すべてeコマースと考えて差し支えありません。

ECと略されることも多く、ネットショッピングが行えるサイトはECサイトと呼ばれます。

 

eコマースは、取引形態に応じて次の3つに大きく分けることができます。

 
  • ・BtoB-EC(B2B、Business to Business):企業同士の取引
  • ・BtoC-EC(B2C、Business to Consumer):企業と一般消費者の取引。Amazonなどのネットショップが一例
  • ・CtoC-EC(Consumer to Consumer):一般消費者同士の取引。フリマアプリやネットオークションなど
  BtoB、BtoC、CtoCの違い図

eコマースの市場規模

世界的にeコマースの市場規模は拡大を続けていますが、具体的にどれくらいの市場規模を誇っているのでしょうか。日本と世界のeコマース市場の市場規模について見ていきましょう。

日本の市場規模

日本のEC伸び率

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

 

2020年に経済産業省が発表したデータによると、2019年の日本国内のBtoC-ECの市場規模は19.4兆円(前年比7.65%増)、BtoB-ECは353.0兆円(前年比2.5%増)と拡大しています。

全ての商取引金額に対するeコマースの割合を示す「EC化率」も、BtoC-ECで6.76%(前年比0.54ポイント増)、BtoB-ECで31.7%(前年比1.5ポイント増)と増加傾向にあります。

 

BtoC-ECに絞ってみると、物販系分野は市場規模が10.5兆円、EC化率が6.76%です。中でも、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」は市場規模が1.8兆円(EC化率32.75%)、「書籍、映像・音楽ソフト」が市場規模1.3兆円(EC化率34.18%)、「事務用品、文房具」は市場規模0.2兆円ながらEC化率が41.75%と、ECの占める割合が高いことがわかります。

 

一方で、「食品、飲料、酒類」や「化粧品、医薬品」は、市場規模こそ大きめではありますが、どちらもEC化率は2%後半にとどまっているのが現状です。※1

 

※1出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003.html

世界の市場規模

世界のEC伸び率

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

 

世界におけるEC市場は、日本のEC市場以上に巨大なものとなっていて、2019年度の世界全体のEC市場規模は3.53兆ドル(EC化率14.1%)と推計されています。

特にEC化率が最も進んでいるのが中国です。2019年の中国のEC市場は1.93兆ドル(EC化率36.6%)と推計されています。世界2位のアメリカの市場規模が6016億ドル(EC化率11.0%)だと推計されているので、中国はアメリカの3倍以上ものEC市場規模を誇ることになます。

越境ECの市場規模

越境ECの規模

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

 

越境ECとは、国境をまたいで行われるECのことです。海外のユーザーに向けて商品を販売するeコマースと考えるとわかりやすいでしょう。

日本・アメリカ・中国の3か国間における2019年の越境ECの市場規模は、すべての国の間で増加しています。世界全体の市場規模も拡大していくといわれ、2020年の世界の越境EC市場規模は推計9,123億ドルですが、2027年には4兆8,561億ドルに拡大すると予想されています。

eコマースの種類

eコマースにはさまざまな形態があります。ネットショップを構築・出店したいと考えた際には多くの選択肢があるため、種類ごとの違いを知っておくことが大切です。

自社サイト

自社でサイトドメインを取得して、独自のECサイトを構築・運営する方式です。現実で考えると、実店舗を路面店として開店するのが自社サイトの立ち上げに当たります。

自社ECサイトの構築方法にはいくつかの種類があります。それぞれの簡単な特徴は、以下の通りです。

 

ECサイト構築サービス一例

 

【ASP】

ASPとは「Application Service Provider」の略で、インターネットを通じてソフトウェアを提供する事業者、もしくは提供されるサービスそのものを指します。

ASP型はeコマースに必要な機能が一通りサービスとして用意されているので、短期間かつ低コストでネットショップを開設できるのがメリットです。

しかし、事業者の提供するサービスに依存するため、カスタマイズ性は低くなります。

 

【パッケージ】

多数のユーザーに向けて作られた既製品のソフトウェアを使うのがパッケージです。必要な機能が備わっているだけでなく、企業のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるのがパッケージ型の特徴です。

 

【クラウドEC】

クラウド環境にプラットフォームを用意して、ECサイトを構築する方法です。インターネットを通じてサービスが提供される点ではASPと似ていますが、ASPに比べて拡張性や外部システムの連携といったカスタマイズ性に優れているのが特徴です 。

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【フルスクラッチ】

既存のシステムやソフトウェアは使用せずに、1からECサイトを構築する方法です。自社が求めているシステムを作り上げられる反面、金額的にも時間的にもコストがかかります。

 

構築方法にも左右されますが、自社サイトの立ち上げは企業ごとに独自性を打ち出しやすいのがメリットです。しかし、サイトの構築や運用は手間がかかることが多く、マーケティング活動を行い消費者に認知してもらわないと、そもそもサイトが見られない恐れもあります。

モール型

現実世界のショッピングモールや百貨店のように、複数のショップが出店、出品しているECサイトは、モール型ECやECモールと呼ばれます。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングが有名なモール型ECです。

 

ECモールショップサービス一例

 

モール型ECはサイトそのものの認知度が高いため、小規模なショップでも簡単に集客を行えます。しかし、モール側の都合に影響を受けやすい、ショップの独自性が出しづらい、競合他社との価格競争になりやすいといったデメリットもあります。

eコマースの運営側のメリット

eコマースの市場は年々拡大しつつありますが、ECサイトの運用と実店舗はどのような違いがあるのでしょうか。eコマースを運営するメリットを、実店舗との違いを交えつつサイト運営者の視点からご紹介します。

 

場所や時間の制約がない

実店舗の場合、商品を販売できるのは実際に店舗を訪れた顧客に限られます。遠方に住んでいる方や、営業時間内に来店できない顧客に対しては、商品を販売することができません。

 

一方で、eコマースはインターネット上で取引を行う形態です。場所や時間的な制限はなく、インターネットにさえ接続できる環境が整っているなら、いつでもどこでも利用できます。

また、海外のユーザーに向けて商品を販売することもできるなど、商圏が国内に限られないのもメリットです。

データを活用しやすい

eコマースはユーザーのデータを取得し、活用しやすいのもメリットのひとつです。例えば、ユーザーの購入履歴や興味を持っている商品、何時にサイトを閲覧するのかといったデータを取得・分析すれば、顧客に一人ひとりに対して的確なマーケティングを行えます。

維持コストが低い

eコマースは維持コストが低い点も見逃せません。実店舗を経営していくうえでは、土地代や光熱費、人件費といったランニングコストが発生します。

eコマースでも、サイト運営費や商品の仕入れ費用、マーケティング費用などは必要になりますが、実店舗に比べると低コストで店舗経営を行えます。

顧客側のメリット

eコマースは、店舗を経営している企業(事業者)だけでなく、顧客側もメリットが大きいです。顧客の視点で考えた際に、どのようなメリットがあるのかご紹介します。

 

どこからでも買い物ができる

どこからでも買い物ができるというのは、顧客から見ても大きなメリットです。インターネット環境さえあれば、ケガや病気、子育てなどの事情で外出するのが難しくても、好きな場所から好きな時間に買い物を行えます。

好みの商品を見つけやすい

実店舗の場合は、実際に自分が足を運んで商品を探す必要があります。一方でeコマースなら、検索機能を活用して自分が好きな商品を簡単に探せます。

好みの商品を検索するだけで見つけられる簡便さも、eコマースのメリットといえるでしょう。

リーズナブルに商品を購入できる

実店舗に比べて人件費などの維持コストが低いことから、ECサイトは実店舗よりも商品の価格が抑えられている傾向にあります。

欲しい商品がリーズナブルに購入できるのは、顧客から見れば大きなメリットといえるでしょう。

eコマースにおける運営側のデメリット

メリットの大きなeコマースですが、デメリットが全くないわけではありません。eコマースにおける運営側から見たデメリットをいくつかご紹介します。

競合が多く価格競争がある

実店舗ならば、近くに競合がいなければ運営はスムーズに行え、価格競争が起きる心配もありません。一方で、eコマースは同じような商品を販売しているインターネット上のショップすべてが競合です。

顧客は検索をかけるだけで他のネットショップと商品を比較できてしまいます。特にECモールは似た商品が同じページに並ぶこともあり、顧客が商品の価格を比較しやすいため、価格競争に巻き込まれることが考えられます

集客が難しい

実店舗と異なり、eコマースではお店の前を通りがかった人が来店してくれるケースはほとんどありません。ネットショップ自体をユーザーに認知してもらわなければ、そもそも顧客がお店を訪れることはないでしょう。

SEO対策やリスティング広告、SNSを活用したマーケティングなど、さまざまな施策を行い、集客につなげる必要があります。

eコマースにおける顧客のデメリット

eコマースにおける顧客側のデメリットは、商品を判断する材料が少ないことが挙げられます。

実店舗の場合は、実際に目で見たり手に取ったり、店舗スタッフに説明を受けたりしながら商品を確認できます。一方、一般的なECサイトの場合は、商品の概要は説明文と写真でしか判断できません。

購入したらイメージと違ったという事態を防ぐために、わかりやすい写真や説明文を掲載するなどの対策が求められます。

eコマースの実際の業務内容

eコマースでは、ECサイトを立ち上げてから行うことがたくさんあります。具体的にどのような業務を行うのか、業務内容の一例をご紹介します。

サイト制作・改修

ECサイトは、一度作ったら終わりではありません。ユーザーが使いやすく、商品がより売れるサイトにするために、既存のページやシステムを改修したり、新たに機能を追加したりする必要があります。

マーチャンダイジング

マーチャンダイジングとは、商品計画や商品化計画という意味を持つ言葉です。商品の企画や開発、販売方法の決定、価格設定などの業務全般を指します。

どのような商品を誰に提供していくか、などを考えるマーチャンダイジング業務は、eコマースの成功を左右する大切な業務です。

マーケティング業務

前述の通り、ECサイトに顧客を呼び込むためにはさまざまなマーケティング施策を実施することが大切です。

SEO対策やSNSの運用、キャンペーンの企画立案なども重要な業務のひとつです。

「ささげ」業務

eコマースにおける「ささげ」業務とは、商品の「撮影」・「採寸」・商品説明の「原稿」の3つを指します。商品を実際に手に取ることができないECサイトにおいては、売り上げを大きく左右する重要な業務のひとつです。

受発注の管理

商品の受注を受けてから発送するまでの商品管理も業務の一環です。具体的には、商品の保管や梱包、納品書の作成、発送、ピッキング、顧客対応などが含まれます。

eコマースとMコマースの違い

スマホ経由のEC市場アクセス推移

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

 

近年は、eコマースに似た「Mコマース」という言葉を耳にする機会も増えてきています。MコマースのMはMobile(モバイル)のことです。つまり、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末によって行われるeコマースがMコマースになります。

 

BtoC-ECにおける、スマートフォン経由の市場規模は、2019年時点で4兆2,600億円、比率に換算すると42.4%でした。※

毎年右肩上がりでスマホ比率が伸び続けており、今後もMコマースの存在感は増えて行くだろうと予測されています。

 

※出典:経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」

https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf

eコマース市場の今後の予測

前述の通り、スマートフォン経由のeコマースの利用率は年々増え続けており、今後もeコマース市場の普及は続いていくと予想されています。

 

特に、従来はEC化率が低い傾向にあった「食品」や「化粧品、医薬品」の分野も、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、家にいながら買い物が行えるeコマースの需要が増しています。

技術の進歩に伴い、これまでは実店舗での販売が主流だった業界も、EC化率が上がって行くでしょう。

まとめ

eコマースは、技術の発展に伴う変化が激しい業界です。従来はパソコンから行われるものが主だったのに対し、近年はスマホ端末からのMコマースが主流になりつつあります。

また、今後はVRやARを活用したVコマース(バーチャルコマース)が主流になるだろうともいわれています。

常に最新の動向をチェックしながら、サイトを構築していくことが求められます。


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