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ASPとは?意味やASPサービスの例、SaaSとの違いをわかりやすく解説!
ECサイトやホームページの構築、あるいはリニューアルを検討する段階において、その構築方法には実にさまざまな種類が存在することに気付かされるかと思いますが、サイトの構築方法の一つに「ASP」と呼ばれるものがあります。
今回は、IT・ソフトウェア業界で耳にすることが多い「ASP」に焦点を当て、その意味や類似用語との違い、ASPサービスの例、メリット・デメリットを解説します。
また、EC領域におけるASPの特徴やASPカートでのサイト構築が適している企業の特徴も紹介しています。
ECサイトの構築・リニューアルを検討している方におすすめのサービスや事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ASPとは
はじめに、ASPという用語の定義やASPを実際に利用したサービスを具体的に見ていき、ASPに関する全体像を把握していきましょう。
ASPの意味
ASPとは「アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)」の略で、インターネットを経由してソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供する事業者のことを指します。
また、ASPが提供するソフトウェアなどのサービスそのものを指して「ASPサービス」と呼ぶほか、単に「ASP」と呼ぶケースもあります。
またECサイトの分野においては、ASPが提供するシステムを「ASPカート」や「ASP型EC」、「ASP型ショッピングカート」と呼ぶこともあります。
その他のASP
「ASP」という用語はさまざまな業界で用いられており、「アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)」とは別の意味で用いられるケースも存在します。
代表的な例としては、以下を挙げることができます。
- アフィリエイトサービスプロバイダー(Affiliate Service Provider)
- アクティブサーバーページ(Active Server Pages)
- アベレージセールスプライス(Average Sales Price)
1つめのアフィリエイトサービスプロバイダー(Affiliate Service Provider)は主にWeb広告の領域で用いられる「ASP」であり、広告主および発信者向けにアフィリエイト広告の仕組みを提供する事業者のことを指します。
2つめのアクティブサーバーページ(Active Server Pages)は、マイクロソフト社が開発したWebページを動的に作成する技術を指す用語です。
3つめのアベレージセールスプライス(Average Sales Price)は、平均販売価格を意味する用語であり、主に小売業などで用いられます。
これらは、本記事で紹介するASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とは別物ですので、混同しないよう注意しましょう。
代表的なASPサービスの例
近年のインターネット回線の高速化やWebブラウザの進化などを背景に、ASPは個人向け・企業向けに関わらず、多くの場面で活用されるようになりました。
個人向けでいえばGmailなどのWebメールや、iCloudなどのクラウドサービスもASPの一種です。
企業向けでは、システム開発環境や財務会計・給与計算・在庫管理・販売管理・グループウェアなど、幅広い分野でASPが利用されています。
とくにASPが活用されている業界のひとつが、EC業界です。
安価かつ短期間でECビジネスを始められるASPカートが多数登場しており、近年ではECサイトの代表的な構築方法のひとつとなっています。
クラウドやSaaSとの違い
ASPと類似する用語に「クラウド」や「SaaS」があります。
どちらもASPと非常に似た意味で使われますが、どのような違いがあるのでしょうか。
クラウドの意味やASPとの違い
「クラウド」とは、「クラウドコンピューティング(Cloud computing」)」の略で、インターネット上でソフトウェアなどのコンピュータ資源を利用する仕組み・環境を指します。
また、クラウド上で提供されるサービスを「クラウドサービス」と呼びます。
ASPを「インターネット経由で提供されるソフトウェアそのもの」と定義した場合、クラウドはASPなどのソフトウェアを利用する仕組み・環境を意味します。
また、ECの分野においてもASPとクラウドは区別されることがあるため注意が必要です。
たとえばASPで構築したECサイトは、前述の通り拡張性やカスタマイズ性に劣ることが多いです。導入コストや月額費用は安く済むものの、売上拡大を機に外部サービスとの連携が可能なサイトへ作り替えなければいけないなど、導入後に多大なコストが必要となる場合もあります。
一方、クラウドECは月額費用こそASPより高額ですが、企業ごとにカスタマイズが行えるうえ、基幹システムとの外部連携が容易なので、カスタマイズモデルへサイト移行する際などのスイッチングコストを抑えることが可能です。
事業規模や成長戦略にもよりますが、数年先のことまで考えるとクラウドECの方がASPよりもトータルのコストでは安価だったということも考えられます。
クラウドEC「メルカート」と一般的なASPサービスの比較
弊社エートゥジェイが提供するクラウドEC「メルカート」は、コストを抑えつつ高機能なECサイトを構築することが可能です。
ECサイトの構築・リニューアルを検討中の方はお気軽にお問い合わせください。
資料・お問い合わせはこちらからSaaSの意味やASPとの違い
SaaSとは、「Software as a Service」の略で、クラウド上で提供されるソフトウェアサービスを意味します。
一般的にASPとSaaSはほぼ同義で用いられており、厳密な違いはないと理解しておいて問題はありません。
ただし、ベンダーによってはSaaSをASPの発展形と定義するなど、両者を区別しているケースもあるので注意が必要です。
たとえば、ASPを「シングルテナント」、SaaSを「マルチテナント」と区別するような場合があります。
「シングルテナント」とはサーバーやソフトウェアを1ユーザー毎に1セット用意する方式で、「マルチテナント」はサーバーやソフトウェアを複数のユーザーで共有する方式を指します。
各ベンダーがASPとSaaSをどう定義づけているか事前に確認しておくと、誤解が生じずスムーズにやり取りができるでしょう。
ASPサービスのメリット
ASPサービスにはどのようなメリットや強みがあるのでしょうか。
次は、ECサイト構築におけるASPを例に、ASPサービスのメリットを見ていきましょう。
管理の手間が省ける
ASPを利用する場合、サーバーのメンテナンスやシステムのバージョンアップなどは提供事業者が実施してくれるので、ユーザーはシステム周りの知識や技術を必要とせず、管理・運用にかかる手間を抑えることが可能です。
また、ASPは複数のユーザーが利用することを前提にシステム環境を用意しているので、セキュリティ対策を十分に行っていることが多く、専門知識を必要とするセキュリティ対策を自社で実施する必要がない点も大きなメリットと言えるでしょう。
コストを抑えることができる
自社でシステムを構築すると膨大な開発コストを要しますが、ASPを利用すれば自社でシステムを開発する必要がないので、低コストでサービスを開始することができます。
サーバーの維持費やシステムのバージョンアップによる買い直しなどもないため、ランニングコストを抑えた運用が可能です。
機能こそ制限されているものの、無料でサービスを提供しているASPもあるため、中小企業や事業規模の小さいECサイトにおいては、まずASPを導入してみるのも良いでしょう。
ただし事業の拡大など、数年先のことまで考えるとクラウドECの方がASPよりもトータルのコストでは安価だったという逆転現象も珍しくないため、中長期的な視点で慎重に検討することをおすすめします。
導入までの期間が短く済む
システムのサービスリリースまでのスピードが早いこともASPのメリットの一つです。
他の構築方法では、要件定義やシステム設計を経て、開発、テストと段階を踏んで構築していくため、長い開発期間を要するのが一般的で、開発している間にシステムコンセプトが時代遅れになる危険性があります。しかし、ASPであれば最先端のトレンドに合ったシステムをすぐに導入することができます。
ECサイトにおいては、ページのデザインをテンプレートから選択し、商品登録とテストを行えば、すぐに販売をスタートすることが可能です。
ネットワーク環境があれば操作が可能
ASPはソフトウェアをインストールする必要がなく、ブラウザ上からインターネット経由でアプリケーションを利用することが前提となっているので、インターネットに繋がる環境さえあれば、どこからでもシステムを操作することができます。
またパソコンに限らず、タブレットやスマートフォンなどの携帯端末からでもシステムを利用することも可能です。
ASPサービスのデメリット
前述のようにASPには多くのメリットがあり、魅力的な構築方法ではありますが、いくつかデメリットも存在します。導入の際には、デメリットも知った上で検討を進めていくことが大切です。
機能拡張(カスタマイズ)が難しい
ASPはそのサービス形態の特性上、不特定多数のユーザーや複数の企業が利用することを前提としているため、提供される機能は多くのユーザーに対応できるよう一般化されたものとなっています。
つまり各企業に合わせた独自機能には対応しておらず、機能の拡張性やカスタマイズ性に乏しいのがASPのデメリットです。
導入後に機能不足に気づくことがないよう、あらかじめ必要な機能や導入目的を明確にした上で、それらの要件に合致したサービスを選択することが重要なポイントとなります。
共有サーバーを使用するリスク
ASPは複数のユーザーがサーバーを共有することで低コストを実現していますが、共有サーバーを使用するリスクについてはよく考えておかなければなりません。
例えば、個人情報や重要データが流出してしまう可能性や、サービス提供事業者の倒産や突然のサービス停止により、システムが利用できなくなるといったリスクも考えられます。
ASPを選定する際は価格の安さに目をとらわれずに、セキュリティ対策などに力を入れた信頼のおける企業のサービスを選ぶことが大切です。
ネットワーク環境がないと使用できない
ASPはクラウド上のデータにアクセスする仕組みなので、インターネットに接続できなければシステムを使用することはできません。
また回線の状況によって動作が不安定になったり、データの読み込みに時間がかかったりといった不具合が生じることがある点は留意しておく必要があります。
ASPでのECサイト構築が向いている企業は?
ここまでは主に一般的なASPの意味や特徴を紹介してきましたが、次はECにおけるASPに焦点を当てて、ASPカートでのECサイト構築はどのような企業におすすめなのかを見ていきましょう。
先述した通り、ASPカートは初期費用を抑えつつ短期間でECサイトを構築できる点が魅力です。
そのため、以下の特徴に当てはまる企業にとって、ASPカートは有力な選択肢になりうるでしょう。
- 機能やデザインよりも、とにかく初期費用を抑えたい
- できるだけ早くEC事業をスタートさせたい
一方で、ASPカートでのECサイト構築が不向きな企業も存在します。
ASPカートは機能やデザインの制限が多く、思い描いたマーケティング施策やブランディング施策を行えないケースが少なくありません。
また、将来的にEC事業を拡大していく際、ASPカートからクラウドECやECパッケージへの移行が必要になり、多くのコストが発生してしまうケースも考えられます。
これらを踏まえると、以下のような企業にとってはASPカートでのECサイト構築は不向きと言えるでしょう。
- 機能やデザインにこだわりたい
- 独自にマーケティングやブランディングを行いたい
- 将来的なEC事業の拡大を見据えている
ASPとパッケージの利点を兼ね備えるクラウド型EC「メルカート」
ASPカートはコストを抑えつつスピーディーにECサイトを構築できる一方で、機能の拡張性やカスタマイズ性に制限があり、セキュリティの面でも不安が残ります。
とは言え、ECパッケージやスクラッチでのECサイト構築は、コスト面や社内体制の面でハードルが高いと感じてしまう方も多いかもしれません。
そこで、コストを抑えつつスピーディーにECサイトを構築することができ、機能性やカスタマイズ性、セキュリティ面も優れたサービスとして、クラウド型ECプラットフォーム「メルカート」をご紹介します。
コストを抑えつつ高機能なECサイトを構築可能
「メルカート」は、EC構築20年超の実績を持つECパッケージ「ecbeing」をベースに誕生したクラウド型ECプラットフォームです。
コストを抑えてスピーディーにECサイトを構築することができ、「ecbeing」の標準機能をクラウドでご利用いただけます。
また、オプションで必要な機能を追加したり、外部システム・ツールと連携したりといった拡張も可能で、自社に合ったECサイトを構築することができます。
さらに、クラウドサービスならではの特徴として、システムの定期無料バージョンアップを実施しているので、常にECビジネスのトレンドにあった最新機能をお使いいただけます。
もちろん、高水準のセキュリティ体制を整えているので、安心してECサイトを運用していくことが可能です。
充実のサポートでEC事業の成長をバックアップ
「メルカート」の特徴として、充実のサポート体制を挙げることができます。
豊富な導入実績に基づくノウハウで、お客様の要望に合った機能・デザインのご提案を行い、運用に向けたトレーニングも実施しています。
また、ECサイトの構築後もお客様専任のカスタマーサクセスチームが運営をサポートし、ヘルプデスクがお客様の疑問や質問にお答えします。
さらに、Web広告運用やコンテンツ制作、SNS・CRM支援などのサービスもご用意しているほか、短期間・低コストでECパッケージ「ecbeing」に移行することもできるので、売上アップから将来的なEC事業の拡大までサポートできる体制を整えています。
「メルカート」でECサイトをリニューアルした事例
最後に、「メルカート」を採用してECサイトのリニューアルを行った事例をご紹介します。
アメリカ生まれのスポーツショップとして有名な株式会社オッシュマンズ・ジャパンは、「メルカート」を採用して2016年にECサイトのリニューアルを果たしました。
同社では2007年からECサイトを運営しており、2010年からはECパッケージ「ecbeing」を利用していました。
「ecbeing」の細かなカスタマイズ性に魅力を感じていた一方で、当時は「ecbeing」との直接契約ではなく運用代行が間に入る形でサイトを運営していたため、運用のスピード感が課題となっていました。
そこで同社は、運用代行を通さずにスムーズにECサイトを運営する方法を検討開始。
コストを抑えられるASPカートへの移行も検討したものの、セキュリティに対する不安が残りました。
そうしたなか、コストを抑えつつ「ecbeing」の標準機能を利用でき、システムの定期無料バージョンアップやセキュリティの面で安心感もある「メルカート」の存在を知り、導入を決定。
「メルカート」でのリニューアル後、運用代行会社が入っていた頃と比較してランニングコストが3分の1程度まで削減し、サイト運営のスピード感も向上しました。
また、従来よりも削減できた工数をメルマガ配信に充てた点や、ユーザーにとって使いやすいデザインになったことも相まって、リニューアル前と比べて会員登録者数が月最大140%アップするなど、大きな効果を実感しています。
まとめ
今回はASPについての概要や、そのメリット・デメリットについてご紹介しました。
ECサイト構築においては、ASPは初期コストを抑えてスピーディーにシステムを導入でき、管理の手間やコストもかからないので、手軽にEC事業を始めたい企業にはメリットの多い選択肢と言えます。
バージョンアップなどの作業も提供事業者が実施してくれるので、常に最新の状態に保たれたシステムを利用できる点も魅力です。
その一方で機能の拡張性やカスタマイズ性には乏しいため、大規模システムや独自のシステムを構築したい場合には不向きという面も持っています。
とくにECサイトにおいては、商品点数や事業の拡大に合わせてシステムを拡張したり、外部システムと連携したりすることも考えられます。
ASPを導入する際には、自社の事業計画や目標の達成に十分な機能を有しているかを事前にチェックすることが大切です。
記事内でご紹介した「メルカート」は、ASPとパッケージの利点を併せ持つクラウドECプラットフォームです。
コストを抑えつつ事業拡大を見据えた高機能なECサイトを構築したいという方は、「メルカート」も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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