AIで買い物相談する400名に聞いた『ECサイト利用時のAI相談に関する調査』全データ公開

「エージェンティックコマース」という言葉を全く知らない人が半数を占める一方で、AIが予算や好みを理解して購入手続きまで代行してくれる機能には86.0%が「利用したい」と回答しました。言葉の認知が広がる前に、AIに買い物を任せたいという需要がすでに形成されている――本調査は、その実態を消費者側から捉えたものです。

 

株式会社メルカートは2026年3月、ECサイトで商品を購入する際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり相談したりすることがある20〜60代の消費者400名を対象に、「ECサイト利用時のAI相談に関する調査」を実施しました。本記事では、全設問(Q1〜Q14)の調査結果を設問順の一次データとして公開します。プレスリリースや社内資料・レポートへの引用にご活用ください。

 

【この記事の要点】

・「エージェンティックコマース」を「全く知らない」人は50.8%と半数を占めます(Q3)。

・AIによる購入代行機能の利用意向は86.0%、うち「積極的に利用したい」は28.5%です(Q12)。

・認知度が上がるほど利用意向は高まり、「全く知らない」層でも75.9%が利用意向を示します(クロス分析)。

・AIの提示価格と実売価格の不一致を経験した人は63.0%です(Q7)。

・AIに「お任せ」で買ってよい金額は1万円未満が63.5%に集中しています(Q14)。

 

エージェンティックコマースとは

エージェンティックコマース(Agentic Commerce)とは、AIエージェントが消費者に代わって商品を探し、比較し、最終的な購入手続き(カート投入や決済)までを一貫して担う購買体験を指します。消費者が自分で検索して選ぶ従来のオンラインショッピングに対し、「AIに相談して決める」「AIに任せて買ってもらう」段階へと進んだ購買のかたちです。

 

本調査では、すでにAIで買い物相談をしている消費者を対象に、このエージェンティックコマースの認知度と、AIによる「購入代行」への利用意向を調べました。結果として、言葉の認知は50.8%が「全く知らない」と回答した一方、購入代行機能の利用意向は86.0%にのぼり、認知に需要が先行している実態が明らかになりました。以下、全設問の結果を設問番号順に公開します。

 

※関連記事: エージェンティック・コマースとは?AIが「顧客」になる時代のEC生存戦略

※関連記事: ECのデータ統合とDWH完全ガイド|サイロ化を解消してLTVを高める方法

調査概要

本調査は、ECで商品を購入する際にAIを利用する消費者に絞って実施した点が特徴です。一般消費者全体ではなく、「すでにAIで買い物相談をしている層」の意識・行動を捉えています。

 
調査名 ECサイト利用時のAI相談に関する調査
調査方法 インターネットアンケート
調査対象 ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり相談したりすることがある20〜60代の消費者
有効回答数 400名
調査時期 2026年3月18日〜19日
調査主体 株式会社メルカート(https://mercart.jp/)

※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

 

回答者の属性は、性別が男性50.0%・女性50.0%、年代は20代〜60代を各80名ずつ均等に割り付けています(平均年齢44.9歳)。ECでの購入頻度は「1ヶ月に1回以上」が68.5%を占め、日常的にECを利用する層が中心です。

 

■調査結果ご利用時の注意事項
調査結果を引用・掲載される際は、調査名「メルカートECサイト利用時のAI相談に関する調査」の明記をお願いいたします。

【基本集計】全設問の結果(Q1〜Q14)

ここでは全設問の単純集計を設問番号順に掲載します。各設問の数値は、必要な項目だけを引用してご利用いただけます。掛け合わせ(クロス集計)の結果は、次章の「クロス分析」にまとめています。

 

Q1:AIを買い物に利用する頻度

AIを買い物に利用する頻度は、「ほぼ毎回」26.5%、「2〜3回に1回程度」35.3%、「数回程度使ったことがある」38.2%でした。「ほぼ毎回」と「2〜3回に1回」を合わせると61.8%が、一定の頻度でAIを買い物に使っています。

  q1
回答選択肢 割合
ほぼ毎回 26.5%
2〜3回に1回程度 35.3%
数回程度使ったことがある 38.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q2:買い物の際のAIの一番の使い方

買い物の際のAIの使い方は、「条件に合う商品探し」27.8%と「商品や価格の比較」27.5%が上位に並び、「候補の検討・絞り込み」21.8%が続きました。探す・比べる・絞り込むという購入前の情報整理の局面でAIが使われています。

  q2
回答選択肢 割合
条件に合う商品探し 27.8%
商品や価格の比較 27.5%
候補の検討・絞り込み 21.8%
自分に合う商品の提案 11.5%
特徴や評判の調査 9.3%
その他 2.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q3:エージェンティックコマースの認知度

「エージェンティックコマース」という言葉を知っているか尋ねたところ、「全く知らない」が50.8%と半数を占めました。「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」27.0%、「意味まで詳しく知っている」22.3%が続きます。すでにAIで買い物相談をしている層でも、言葉としての認知は道半ばです。後述するクロス分析のとおり、この「言葉を知らない層」でも購入代行の利用意向は75.9%にのぼり、認知に需要が先行している点がこの調査全体を貫く特徴です。

  q3
回答選択肢 割合
意味まで詳しく知っている 22.3%
言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない 27.0%
全く知らない 50.8%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q4:AIにおすすめされた商品の購入経験

AIにおすすめされた商品を「購入したことがある」人は43.0%でした。「購入はしていないが、購入の候補に入れた(検討のみ)」36.0%を合わせると、79.0%がAIの推薦を購買の検討に取り入れています。

  q4
回答選択肢 割合
はい(購入したことがある) 43.0%
購入はしていないが、購入の候補に入れた(検討のみ) 36.0%
いいえ 21.0%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q5:AIを利用する一番の理由

買い物でAIを利用する一番の理由は、「自分の知識だけでは出会えない、新しい発見や驚きがほしいから」が41.3%で最多でした。「決断することに疲れを感じるから」24.5%、「客観的な比較をしてもらい、失敗を防ぎたいから」23.0%が続きます。

  q5
回答選択肢 割合
自分の知識だけでは出会えない、新しい発見や驚きがほしいから 41.3%
自分で多くの商品を見比べ、決断することに疲れを感じるから 24.5%
客観的な比較をしてもらい、買い物での失敗を防ぎたいから 23.0%
吟味するプロセスを飛ばして、最短ルートで正解を知りたいから 8.3%
その他 3.0%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q6:AIでの商品探しで一番ストレスを感じること

AIでの商品探し・比較中に感じるストレスは、「AI画面と販売サイトを往復するのが面倒」30.5%が最多でした。「真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる」27.5%が続き、「特にストレスを感じることはない」は20.3%にとどまります。

  q6
回答選択肢 割合
AI画面と販売サイトを往復するのが面倒 30.5%
真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる 27.5%
特にストレスを感じることはない 20.3%
何度も指示しなおすのが面倒 11.8%
提示されたURLが開かない、機能しない 8.3%
その他 1.8%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q7:AIの回答と実売価格の不一致による混乱

AIの回答にある価格と実際の販売サイトの価格が違って混乱することがあるかを尋ねると、「よくある」20.3%と「たまにある」42.8%を合わせて63.0%が価格の不一致を経験していました。AIが参照する情報と実売情報の間にズレが生じている実態がうかがえます。AIが正確な商品・価格情報を参照できるかどうかは、この後のエージェンティックコマース普及の前提条件になります。

  q7
回答選択肢 割合
よくある 20.3%
たまにある 42.8%
あまりない 26.3%
全くない 10.8%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q8:検索窓で探す方法とAIでの商品探しの一番の違い

検索窓で自分で探す方法と比べたAIでの商品探しの違いは、「曖昧な言葉でも、欲しいものを当ててくれる」22.0%が最多でした。「自分では探せなかった、新しい商品に出会える」19.0%、「自分の好みを理解し、プロが選んでくれる感覚になる」18.3%が続きます。

  q8
回答選択肢 割合
曖昧な言葉でも、欲しいものを当ててくれる 22.0%
自分では探せなかった、新しい商品に出会える 19.0%
自分の好みを理解し、プロが選んでくれる感覚になる 18.3%
比較や検索の手間が減り、すぐに見つかる 18.0%
AIの提案が偏っていないか、信頼性が気になる 10.5%
特に変化は感じない 9.5%
自分で一から検索して、選ぶ過程を楽しみたい 2.5%
その他 0.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q9:複数ECを巡って「最安値・最適解」を探すことへの感じ方

複数のECサイトを巡って「最安値」や「最適解」を探すことへの感じ方は、「少し疲れるが、全て自分で選びたい」32.3%が最多でした。一方で「趣味は自分、日用品はAIに任せたい」20.8%、「比較作業が苦痛だ」17.5%を合わせると、探索作業をAIに委ねたい層も一定の厚みを持ちます。

  q9
回答選択肢 割合
少し疲れるが、全て自分で選びたい 32.3%
趣味は自分、日用品はAIに任せたい 20.8%
比較作業が苦痛だ 17.5%
楽しくて全く苦にならない 14.8%
特に何も感じない 12.5%
既に自分では探しておらず、AIやおすすめを信じている 2.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q10:「決定疲れ」の経験

商品選びで「失敗したくない」という心理から時間をかけすぎてしまう「決定疲れ」を経験した人は、「よくある」25.8%と「たまにある」50.5%を合わせて76.3%にのぼりました。多くの消費者が、選ぶこと自体に負担を感じています。

  q10
回答選択肢 割合
よくある 25.8%
たまにある 50.5%
あまりない 16.5%
全くない 7.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q11:AIで見つけた後、外部ECサイトへ移動して購入する際の感じ方

AIで「これだ」という商品が見つかった後、外部ECサイトへ移動して購入する際は、「改めてECサイトで検索し直したり、ログインしたりするのが非常に面倒だと感じる」25.0%が最多でした。「AIの画面とECサイトの情報の間に差(在庫切れや価格差)がないか不安になる」21.8%が続き、さらに「移動自体が手間で購入を諦めることがある」も7.5%を占めます。AIからECへの遷移そのものが、新たな離脱ポイントになりつつあることを示す結果です。

  q11
回答選択肢 割合
改めてECサイトで検索し直したり、ログインしたりするのが非常に面倒だと感じる 25.0%
AIの画面とECサイトの情報の間に差(在庫切れや価格差)がないか不安になる 21.8%
スムーズに購入できて満足している 17.8%
ECサイトの詳細情報を見て、最終確認できるので安心する 10.8%
外部サイトへ移動して購入することはない 8.5%
ECサイトへの移動自体が手間に感じ、購入を諦めることがある 7.5%
知らないサイトに移行しなければならず不安を感じる 6.3%
その他 2.5%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q12:AIによる購入代行の利用意向

AIが「予算」や「好み」を理解し、カート投入や決済まで代行してくれる機能の利用意向は、「積極的に利用したい」28.5%、「日用品などのルーチン購入なら利用したい」38.5%、「AIが選んだものを最後に承認するだけなら利用したい」19.0%を合わせて86.0%にのぼりました。「利用したくない」は14.0%にとどまります。無条件の「積極的に利用したい」は28.5%で、残りは範囲を限定した条件付きの受容です。全面的な委任よりも、限定的な委任から始めたいという慎重な姿勢が読み取れます。

  q12
回答選択肢 割合
積極的に利用したい 28.5%
日用品などのルーチン購入なら利用したい 38.5%
AIが選んだものを「最後に承認するだけ」なら利用したい 19.0%
利用したくない 14.0%

※n=400。「利用したい(86.0%)」は上位3項目の合算。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q12SQ:どうなったら購入代行を利用したいか(利用意向なし層)

購入代行機能を「利用したくない」と答えた層(n=56)にどうなったら利用したいか尋ねると、「どんなことがあろうと利用しようとは思わない」51.8%が半数を占めた一方、「誤発注があった場合の返金制度が整ったら」25.0%、「デモ画面などでAIの正確さが確認できたら」12.5%と、条件次第で翻意する余地を持つ層も存在しました。

  q12sq
回答選択肢 割合
どんなことがあろうと利用しようとは思わない 51.8%
誤発注があった場合の返金制度が整ったら 25.0%
デモ画面(練習モード)などでAIの正確さが確認できたら 12.5%
AmazonやAppleなど、自分が信頼する企業がサービスを開始したら 7.1%
友人や家族がトラブルなく当たり前に使っていたら 3.6%

※n=56(Q12で「利用したくない」と回答した層)。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q13:AIに代理購入を任せたい最大の理由

AIに「代理購入」を任せたい最大の理由は、「人間には不可能な数のサイトを比較し、トータルで最も得な正解を選んでくれそうだから」25.0%が最多でした。人力では到達できない比較の網羅性に期待が集まっています。一方、「特に任せたいとは思わない」も19.8%を占めます。

  q13
回答選択肢 割合
人間には不可能な数のサイトを比較し、トータルで最も得な正解を選んでくれそうだから 25.0%
特に任せたいとは思わない 19.8%
決済情報の入力(クレジットカード等)の手間を省きたいから 17.8%
ポイント還元や送料を含め、トータルで一番得な選択をしてくれそうだから 17.8%
サイトごとに会員登録・ログインするのが面倒だから 11.8%
買い物にかける時間をゼロにして、他のことに時間を使いたいから 6.8%
その他 1.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

Q14:AIに「お任せ」で買ってもらってよい金額の上限

AIに「お任せ」で買ってもらってよい金額の上限は、「3,000円未満(日用品など)」32.8%が最多、「10,000円未満」30.8%が続き、両者を合わせると63.5%が1万円未満に集中しました。「金額に関わらず、AIが最適と判断すれば良い」は6.2%にとどまり、代理購入の現実的な入り口が少額の日用品にあることが分かります。

  q14
回答選択肢 割合
3,000円未満(日用品など) 32.8%
10,000円未満 30.8%
あてはまるものはない 16.8%
30,000円未満 13.5%
金額に関わらず、AIが最適と判断すれば良い 6.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

【クロス分析】掛け合わせて見えたこと

ここからは、設問を掛け合わせたクロス集計の結果を紹介します。単純集計だけでは見えなかった「どんな人がAIへの委任に前向きなのか」という需要の構造が浮かび上がります。

 

認知度(Q3)× 購入代行の利用意向(Q12)

エージェンティックコマースの認知度が上がるほど、購入代行機能の利用意向は高まりました。「全く知らない」層でも75.9%、「言葉は聞いたことがある」層で95.4%、「意味まで詳しく知っている」層で97.8%が利用意向を示しています。言葉を知らない層でも4人に3人が前向きで、知るほど受け入れられる、伸びしろの大きい市場であることが分かります。

 
エージェンティックコマースの認知度 購入代行の利用意向(合計)
意味まで詳しく知っている 97.8%
言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない 95.4%
全く知らない 75.9%

※n=400。「利用意向(合計)」は「利用したくない」を除く3項目の合算。比較基準日:2026年3月時点。

 

購入経験(Q4)× 購入代行の利用意向(Q12)

AIのおすすめで購入した経験がある人の利用意向は92.4%、「積極的に利用したい」は42.4%に達しました。未経験者の積極利用意向(14.3%)の約3倍です。一度AIのおすすめで購入を経験した消費者ほど、次のステップである「購入代行」にも前向きになる傾向が読み取れます。最初の1回の購入体験が、より深い委任への入り口になっています。

 
AIおすすめ商品の購入経験 積極的に利用したい 利用意向(合計)
購入経験あり 42.4% 92.4%
購入経験なし 14.3%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

決定疲れ(Q10)× 購入代行の利用意向(Q12)

決定疲れが「よくある」層では「積極的に利用したい」が55.3%と、全体(28.5%)の約2倍に達しました。「選ぶことの負担」が、AIへの委任意向を直接押し上げている構図です。属性別に決定疲れの経験率(「よくある」+「たまにある」)を見ると、女性50代90.0%、女性40代80.0%と特に高く、負担を強く感じている層ほどAIへの委任に前向きだと考えられます。

 
決定疲れの経験 「積極的に利用したい」割合
決定疲れが「よくある」層 55.3%
全体 28.5%

※n=400。比較基準日:2026年3月時点。

 

性年代別に見る利用意向と認知度

購入代行機能の利用意向を性年代別に見ると、最も高い層のひとつが60代男性でした。利用意向は95.0%、「積極的に利用したい」も35.0%と男性の中で最高です。一方で60代男性の62.5%は言葉を「全く知らない」と回答しており、言葉を知らないまま機能そのものを強く求めている層だといえます。背景には慎重さがあり、買い物でAIを使う理由として60代は「客観的な比較で失敗を防ぎたい」が41.3%と他世代の約2倍でした(この41.3%は60代のみを対象にした集計値で、全体集計のQ5で最多だった「新しい発見や驚きがほしい」の41.3%とは別の数値です)。失敗したくないからこそ客観的に判断してくれるAIに任せたい――慎重さが需要を生む構図がうかがえます。

 
性年代 積極的に利用したい 利用意向(合計) 「全く知らない」割合
男性20代 27.5% 80.0% 37.5%
男性30代 30.0% 87.5% 40.0%
男性40代 32.5% 87.5% 45.0%
男性50代 30.0% 75.0% 60.0%
男性60代 35.0% 95.0% 62.5%
女性20代 37.5% 95.0% 17.5%
女性30代 35.0% 92.5% 47.5%
女性40代 17.5% 85.0% 62.5%
女性50代 25.0% 82.5% 67.5%
女性60代 15.0% 80.0% 67.5%

※各層n=40。「利用意向(合計)」は「利用したくない」を除く3項目の合算。比較基準日:2026年3月時点。

調査から見えた5つのポイント

全設問とクロス集計を横断すると、エージェンティックコマースをめぐる消費者側の現状について、5つの構造的なポイントが浮かび上がります。

 

ポイント1:需要は、認知を待たずにすでに形成されている

言葉を「全く知らない」層は50.8%を占めますが、その層でも購入代行の利用意向は75.9%にのぼります。言葉の認知が広がってから対応すればよい、という前提はすでに成り立ちません。認知が追いつくのを待つ間にも、需要だけが静かに積み上がっています。

 

ポイント2:最初の1回の購入体験が、より深い委任への入り口になる

AIのおすすめで購入した経験がある人の積極利用意向は42.4%と、未経験者(14.3%)の約3倍でした。AI経由の最初の購入をいかに成功体験にするかが、その後の委任度合いを左右します。

 

ポイント3:需要の中核は「決定疲れ」層にある

決定疲れを経験した人は76.3%にのぼり、「よくある」層の積極利用意向は55.3%と全体の約2倍でした。選ぶ負担を減らす提案型の体験へと転換することが、この層の需要に応える方向性です。

 

ポイント4:慎重な層ほど、AIへの委任に前向きになる場合がある

利用意向が最も高い層のひとつは60代男性(95.0%)で、その背景には「失敗を防ぎたい」という慎重さがありました。AIへの委任は「面倒だから任せる」だけでなく、「失敗したくないから任せる」という動機からも生まれています。

 

ポイント5:委任は「少額・条件付き」から始まる

AIに任せてよい金額は1万円未満が63.5%を占め、利用意向も「日用品なら」「承認するだけなら」という条件付きが多数でした。エージェンティックコマースは、少額・低リスクの領域から段階的に広がっていくと考えられます。この入り口をどう設計するかが、事業者にとって最初の勝負どころになります。

調査を踏まえたメルカートの考え方

本調査が示したのは、AIに買い物を任せたいという需要が、言葉の認知に先行してすでに形成されているという事実です。対象はAIで買い物相談をする層に絞っているため受容度は高めですが、その先行層で「言葉を知らないのに使いたい」という逆転が起きていること自体が、裾野拡大の先行指標です。認知が広がるのを待つ理由はなく、事業者がいま向き合うべきは、全面委任ではなく、少額・低リスク・確認付きという「委任の入り口」をどう安全に設計するかだといえます(Q12・Q14)。

 

そのために必要なのは大きく2つです。1つは、AIエージェントが正確に参照できる状態にデータを保つこと。価格の不一致(Q7:63.0%が経験)やAI画面とECの往復・遷移への摩擦(Q6・Q11)は、いずれも「AIが読む情報」と「店側の情報」のズレに起因します。商品・在庫・価格を一元管理し、リアルタイムに同期できているかが、AIに「読まれ、選ばれる」前提になります。もう1つは、代理購入を安全に成立させる決済・認証の基盤です。利用をためらう層が翻意する条件として「誤発注時の返金制度」「正確さを試せるデモ」が挙がっており(Q12SQ)、信頼を担保する仕組みそのものが需要を開く鍵になります。

 

メルカートは、SaaS型クラウドECプラットフォームとして、商品情報のリアルタイムな同期、決済・認証のセキュリティ、外部AIエージェントとのデータ連携を見据えた設計に取り組んでいます。EC構築市場で17年連続シェアNo.1(※)を獲得する「ecbeing」のノウハウを継承し、AI時代のEC基盤づくりを進めています。

 

※出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2025年版」EC構築(カスタマイズ型/SaaS)市場

 

※関連記事: EC経営者400名に聞いた『データ統合に対する意識調査』全データ公開

※関連記事: 【2026年版】AI活用ECプラットフォームの選び方|中堅EC向け比較基準

よくある質問(FAQ)

ここでは、エージェンティックコマースおよび本調査に関するよくある質問とその回答をまとめました。

 

Q1: エージェンティックコマースとは何ですか?

A: エージェンティックコマース(Agentic Commerce)とは、AIエージェントが消費者に代わって商品を探し、比較し、購入手続き(カート投入や決済)までを一貫して担う購買体験を指します。消費者が自分で検索して選ぶ従来の買い物に対し、「AIに相談して決める」「AIに任せて買ってもらう」段階へ進んだ購買のかたちです。

 

Q2: AIによる購入代行の利用意向はどれくらいですか?

A: 本調査では、AIが予算や好みを理解して購入手続きまで代行する機能について、86.0%が「利用したい」と回答しました。内訳は「積極的に利用したい」28.5%、「日用品などのルーチン購入なら」38.5%、「最後に承認するだけなら」19.0%です。無条件の積極利用は3割弱で、条件付きの受容が多数を占めています。

 

Q3: この調査データは引用・転載してよいですか?

A: プレスリリースや社内資料・レポートへの引用にご利用いただけます。引用・掲載の際は、調査名「メルカートECサイト利用時のAI相談に関する調査」の明記をお願いいたします。全設問(Q1〜Q14)の数値は、必要な項目のみを抜き出してご利用いただけます。

まとめ

本調査から、「エージェンティックコマース」という言葉を全く知らない人が50.8%と半数を占める一方で、AIによる購入代行機能には86.0%が利用意向を示すという、認知と需要の逆転構造が明らかになりました。クロス分析では、AIのおすすめで購入した経験者ほど、決定疲れを感じている層ほど、AIへの委任に前向きになる傾向が確認できます。

 

AIが消費者に代わって商品を選び、購入までを担う時代において、EC事業者に問われるのは「AIが正確に読める店」であるかどうかです。商品・在庫・価格データの一元管理と、安全な決済・認証の基盤づくりが、選ばれるECの新しい条件になりつつあります。本調査の全データは、プレスリリースや社内資料への引用にご活用ください。

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この記事の監修者

株式会社メルカート
執行役員座間 保

クラウドECプラットフォーム『メルカート』のマーケティング・インサイドセールス統括責任者。SEO・広告・SNS・GrowthHackなど、デジタルマーケティング全領域に精通。株式会社エートゥジェイの創業メンバーとして参画し、WEBサービスやコンサルティング会社の設立を経てエートゥジェイに復職。デジタルマーケティング事業責任者として支援部署を立ち上げ、執行役員兼マーケティング統括責任者に就任。2025年のメルカート分社化に伴い転籍し、現在は株式会社メルカートの執行役員としてマーケティング・インサイドセールスを統括している。

専門領域:クラウドEC、BtoBマーケティング、SEO、デジタル広告、インサイドセールス、SaaSグロース

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