BtoB-ECとは? 概要や市場規模、導入するメリットなどを解説

近年はeコマース(EC)を活用した取引が一般的になりつつあります。eコマースやECサイトと聞くと、Amazonや楽天市場といったBtoC向けのインターネット通販サイトを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、BtoBの分野でもEC化が進み、市場規模が拡大しつつあります。

ここでは、BtoB-ECの概要や市場規模、取り入れるメリットなどについてご紹介します。

   

BtoB-ECとは?

そもそもECまたはeコマースとは、「electronic commerce」の略で、電子商取引のことです。BtoB(Business to Business)は企業間の取引という意味なので、BtoB-ECは「インターネットを介して行う企業間の取引」という意味になります。

 

似た言葉にBtoC-ECがありますが、これはインターネットを介して行う企業と消費者の取引のことです。取引の対象が異なることから、ECに求められる機能も異なります。

例えば、取引先や取引量によって個別に掛け率を設定する機能や、顧客ごとに異なる決済方法を設定する仕組みなどが、BtoB-ECに求められる機能として挙げられます。

 

また、BtoB向けのECサイトは、BtoC向けの一般的なECサイトとは異なり、得意先や会員登録している企業だけが使用できる、クローズドサイトとして運用されているものが多く見られるのも特徴です。

BtoB-ECの市場規模

EDIと従来の業務フロー比較図

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf)

 

従来の企業間取引といえば、電話やファックスによる方法がアナログな主流でした。しかし、人手不足の解消や働き方改革の機運の高まり、スマートフォンやパソコンの普及などにより、企業間取引をECで行う企業が増えてきています。

 

経済産業省の実施した調査によると、2020年のBtoB-ECの市場規模は334兆9,106 億円でした。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、市場規模は前年度と比較して5.1%減となっていますが、EC化率は33.5%(前年比1.8ポイント増)と右肩上がりで伸び続けています。※1

 

ただし、このデータには「EDI」という仕組みもEC化率に含まれている点に注意が必要です。EDIとは、契約書や納品書のやり取りといった受発注にかかる業務を、インターネットを通じて行えるシステムを指します。

 

EDIと従来の業務フロー比較図

 

EDIには伝票の打ち間違いなどのミスを防げる、工数を削減してコスト削減につながるといったメリットがありますが、取引先ごとに仕様の異なるシステムを使わなければならず、非効率だという課題もありました。

そのため、近年はEDIではなくECサイトへ移行する企業も増えています。

 

※1出典:経済産業省「令和2年度 産業経済研究委託事業 (電子商取引に関する市場調査)」

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf

BtoB-ECを導入するメリット

市場規模が拡大し続けているBtoB-ECを、自社でも導入したいと考えている方は多いかもしれません。BtoBでECサイトを活用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

業務の負担軽減が見込める

電話やファックスなどを使って手作業で受発注業務を行っている場合、人為的ミスが発生しやすいです。ミスを防ぐための確認作業が必要になるため、無駄な工数が発生します。

ECサイトを導入することで、受発注にかかる工数を削減できると同時に、人為的ミスも防ぐことが可能です。

 

また、ECサイトのページがあれば、顧客は商品の仕様などの情報を簡単に確認できます。商品の問い合わせが減ることも考えられるので、業務負担の軽減につながるでしょう。

売上の向上が見込める

電話やファックスはもちろん、EDIを活用しても、新規顧客を獲得するのは難しいでしょう。ECサイトがあれば、蓄積した顧客データなどを活用しながらインターネット上でマーケティングを行えます。既存顧客だけでなく新規顧客にも商品などを訴求できるようになり、売上の向上や新規顧客の獲得を見込めます。

 

また、商品ページをカタログのように活用して、新商品のプロモーションにつなげることも可能です。

導入時の課題

さまざまなメリットがあるBtoB-ECですが、導入に際して課題があるのも事実です。導入を検討する際は、以下の点に注意する必要があります。

独自の業務フローや商慣習の問題

企業間の取引には独自の業務フローや商習慣が存在していることが多いです。長年の業務フローが足かせになり、ECサイトの構築にかかるコストが大きくなることも考えられます。

取引先ごとに業務フローが異なる場合もあるため、要件定義の段階で業務フローを把握しておくことも重要です。

他業務が増える恐れがある

ECサイトへの移行の際に、電話などで発注を行っていた既存の取引先が難色を示すことも考えられます。説明が不足したままECサイトを導入すると、取引先が戸惑ってしまうこともあるでしょう。

取引先に対して導入の意図を説明したり、操作のマニュアルを配布したりする必要が生まれ、導入までに作業が増える恐れがある点はデメリットといえます。

セキュリティの問題

ECサイトでは顧客情報を取り扱うため、セキュリティの確保も欠かせません。万が一情報漏えいなどの問題が起こった場合、多大な損害賠償が発生するだけでなく、企業の信頼も失ってしまいます。

ECの導入に際しては、セキュリティ対策が万全かどうかの確認も必要です。

BtoBでもECサイトを活用しよう

BtoCだけでなく、BtoBの分野でもECが活用され始めています。業務を効率化して人為的なミスの削減につながるなどのメリットがあり、蓄積した取引のデータを活用して経営戦略につなげることもできます。

一方で、導入する際は独自の業務フローに対応させなければいけない、セキュリティ対策を万全に行う必要があるといった課題があるのも事実です。

BtoBのEC化は今後も続いていくことが予想されます。早い段階で、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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