ECサイトの分析方法は?売上アップに向けたデータ活用の手順や成功事例を解説!

ECサイトの売上を効率的に伸ばすには、データに基づいた改善サイクルを継続することが不可欠です。

しかし、

「データは集めているのに、施策につながらない」
「どの指標を見ればいいかわからない」
「分析に時間がかかりすぎて、実行が後回しになっている」

このような悩みを抱えるEC担当者は少なくありません。

 

その原因の多くは、定量データだけを追いかけていることと、分析と施策実行のあいだに大きなギャップがあることにあります。大手ECが実践する"データドリブンマーケティング"の考え方では、数字(定量)と顧客の声(定性)を組み合わせ、分析結果をすぐ施策に落とし込む仕組みを持つことが前提です。

 

本記事では、EC分析の基本指標と手順から、定量×定性データで施策精度を高める方法、さらにAIを活用した分析から実行までの最新アプローチまで、実践的に解説します。

中小企業がやるべき『CDP活用』

こんな人におすすめ

・CDPの役割を知りたい方
・EC事業を成長させるために取り組むべき事を知りたい方
・ECマーケティング担当者

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ECサイトの分析とは?目的と主な手法

EC分析とは、ECサイトの運営において、ユーザーの行動・属性・売上に関するデータを収集・解析し、サイトのパフォーマンス改善につなげるプロセスのことです。

 

EC分析の目的は、あくまで売上アップ・顧客満足度の向上・施策コストの最適化です。「分析すること」自体が目的になってしまうと、データを眺めるだけで終わり、改善アクションが生まれません。分析は手段であることを常に意識しておくことが重要です。

 

主なEC分析の手法

EC分析で活用される代表的な手法は以下の通りです。

 

・アクセス解析
GA4などのツールでセッション数・流入経路・ページ別の滞在時間・離脱率などを確認します。サイト全体のパフォーマンス把握の入口です。

 

・コンバージョン分析
購入までの導線でどのステップに離脱が多いかを把握し、ボトルネックを特定します。カート放棄率(カゴ落ち率)の分析もここに含まれます。

 

・ヒートマップ分析
ページ内でユーザーがどこをクリックし、どこでスクロールが止まるかを可視化します。コンテンツの見直しやボタン配置の改善に役立ちます。

 

・A/Bテスト
バナー・ボタン・文言・商品説明の異なるバージョンをテストし、どちらが成果に直結するかをデータで検証します。

 

・セグメンテーション分析(RFM分析)
顧客を「最終購入日(Recency)・購入頻度(Frequency)・購入金額(Monetary)」で分類し、優良顧客・休眠顧客などへの施策を最適化します。

 

・競合分析
SimilarWebなどを活用し、競合サイトのトラフィック・流入チャネル・コンテンツ戦略を参照することで、自社の相対的なポジションを確認します。

 

定量データだけでは限界がある

上記の手法のほとんどは「何が起きているか」を教えてくれます。しかし、「なぜそうなっているのか」は定量データだけでは見えてきません。

 

例えば、カート放棄率が高いという数字はわかっても、「送料が高いから」「支払い方法が少ないから」「商品への不安があるから」といった理由は、顧客の声(定性データ)を拾わなければ判断できません。定量×定性の組み合わせについては、後の章で詳しく解説します。

 

ECサイト分析で確認すべき主要指標

EC分析を始める際、まず押さえておきたい主要指標を整理します。指標は個別に見るだけでなく、「セットで見ること」で課題の本質が見えてきます。

 

売上高

ECサイトのパフォーマンスを直接的に示す基本指標です。全体の売上だけでなく、商品カテゴリ別・チャネル別・時期別に分解して見ることで、成長の要因や落ち込みの原因が浮かび上がります。

 

コンバージョン率(CVR)

サイトを訪問したユーザーのうち、実際に購入などのアクションに至った割合です。CVRが低い場合は、購入プロセスやUI/UXに改善余地がある可能性があります。業種平均と比較しながら目標値を設定することが大切です。

 

顧客単価

顧客1人が1回の購入で支払う平均金額です。クロスセル(関連商品の提案)・アップセル(上位商品への誘導)施策の成果指標として活用します。

 

リピート率

新規顧客のうち、2回目以降の購入に至った割合です。新規獲得コストが高騰する現代では、リピーターを育てる施策がEC事業の収益安定に直結します。

 

※関連記事: ECサイトの「リピート購入」を増やすには?リピーター獲得に効果的な施策や推進事例をご紹介!

 

カート放棄率(カゴ落ち率)

商品をカートに入れたものの購入に至らなかった割合です。ECサイトの平均カート放棄率は70%前後ともいわれており、改善余地の大きい指標です。購入プロセスの簡易化・決済方法の充実・カゴ落ちメールの配信などが有効な対策です。

 

セッション数・直帰率・離脱率

セッション数はサイトへの訪問数を、直帰率はサイト内の他ページに移動せず離脱した割合を、離脱率はそのページを最後に離脱した割合をそれぞれ示します。

 

指標を「セットで見る」ことの重要性

これらの指標は単独ではなく、組み合わせて読み解くことが重要です。例えば「セッション数は増えているのにCVRが下がっている」場合、流入の質が変化したか、サイトの受け皿ページに問題がある可能性があります。「客単価は高いがリピート率が低い」なら、購入後のフォロー施策に課題があると推測できます。

 

EC売上の方程式は 「セッション数 × CVR × 客単価」 で構成されます。どの数値に課題があるかを特定することが、効率的な施策立案の出発点です。

 

定量×定性データで施策の精度を上げる方法

EC分析において、多くの担当者が陥りがちな落とし穴が「定量データだけで施策を決めてしまうこと」です。数字は"何が起きているか"を教えてくれますが、"なぜ起きているか"まではわかりません。

 

定量データだけだと「何が問題か」しかわからない

例えば、カート放棄率が65%という数字を確認しても、その原因として考えられるのは、送料・決済方法・フォームの入力ストレス・商品への不安・比較検討中など、複数の可能性があります。定量データだけで施策を打つと、的外れな改善に工数とコストを費やしてしまうリスクがあります。

 

定性データ(顧客の声)で「なぜ」を掘り下げる

定性データとは、顧客の声・感情・行動の背景を示す非数値情報のことです。EC運営で活用できる定性データには以下のようなものがあります。

 

・顧客レビュー・評価コメント
商品ページや購入後アンケートに寄せられる意見は、顧客が何に満足・不満を感じているかを端的に教えてくれます。

 

・問い合わせ・クレームの内容
どんな疑問やトラブルが多いかを分析することで、サイトの説明不足・UI上の問題を特定できます。

 

・SNSのメンション・口コミ
自社ブランドへの言及を収集することで、サイト外での評判や購入動機の手がかりを得られます。

 

・ユーザーインタビュー・アンケート
少数でも直接ヒアリングすることで、定量データでは見えなかった購買心理の深部をつかめます。

 

定量データで「カート放棄率が高い」という事実を確認し、定性データで「送料が高いというレビューが多い」という理由を把握することで、「送料無料キャンペーンの実施」という具体的な施策に直結させることができます。これが「角度の高い施策」を生み出す基本的な考え方です。

 

効率的に確度の高いマーケティング施策をする方法

こんな人におすすめ

・データドリブンマーケティングに取り組んでいる方
・施策の効果を高めたい方
・CDP導入を検討中の方

大手ECが実践するデータ活用サイクル

年商100億円を超える大手EC事業者は、中小ECとどこが違うのでしょうか。大きな違いの一つは、データ収集→統合→分析→施策実行→PDCAのサイクルが仕組みとして回っている点です。

 

大手ECが特に重視しているのは、以下のステップです。

 

①ファーストパーティデータの蓄積
モールECでは顧客データが自社に帰属せず、CRM施策に活かせません。自社ECで会員データ・購買履歴・行動ログを蓄積することが、データドリブンマーケティングの土台です。

 

②受け皿ページの最適化
いくら広告やCRM施策でターゲットに絞り込んだ配信をしても、ランディングする商品ページや特集ページが最適化されていなければ、顧客を取り逃がします。大手ECはABテストやヒートマップ分析で受け皿ページを継続的に改善しています。

 

③セグメント配信によるCRM効率化
顧客を「優良顧客・休眠顧客・新規顧客」などにセグメントし、それぞれに最適なメッセージを届けることで、広告コストを抑えながら効果を最大化します。全顧客への一律配信は、コストパフォーマンスが悪くなりがちです。

 

中小ECが今すぐ始めるべき「データの土台づくり」

中小ECは大手のように全方位でコストをかけることが難しいため、「どこに集中するか」の選択と集中が不可欠です。まずは以下の3つを優先しましょう。

 

1. 会員データを溜める:購入者の会員登録を促し、ファーストパーティデータを積み上げる
2. 行動データを溜める:GA4・カートシステムのデータを連携させ、行動ログを一元管理する
3. 受け皿ページを最適化する:集客前に商品ページ・LPの品質を高め、機会損失を防ぐ

 

データは後から遡って集めることができません。事業が小さい今から土台を築いておくことが、将来の大きな差につながります。

 

※関連記事: ECのデータ統合とDWH完全ガイド|サイロ化を解消してLTVを高める方法

 

中小企業がやるべき『CDP活用』

こんな人におすすめ

・CDPの役割を知りたい方
・EC事業を成長させるために取り組むべき事を知りたい方
・ECマーケティング担当者

ECサイト分析の手順・流れ

ここでは、EC分析を実際に進める際の基本的な手順を解説します。

 

①目的・課題の明確化

まず、「なぜ分析するのか」を具体的に定めます。「売上を上げたい」では抽象的すぎます。「カート放棄率を5ポイント改善する」「新規購入者のリピート率を10%高める」など、KPIと目標値を明確に設定することで、集めるべきデータと注目する指標が絞り込まれます。

 

②データの収集(ファーストパーティデータを優先)

目的に応じて必要なデータを収集します。カートシステムの購買データ・GA4のアクセスデータ・メール配信の開封率・顧客アンケートの結果などが対象です。

 

サードパーティCookieの規制が進む現在、自社で直接取得するファーストパーティデータ(会員情報・購買履歴・行動ログ)の重要性は年々高まっています。広告効果の計測にも影響が出てきているため、自社データの蓄積・活用体制を早期に整えることが重要です。

 

③データの整理と可視化

収集したデータをそのまま使おうとすると、欠損値・重複・異常値などが混在していることがほとんどです。データを分析可能な状態に整形し、グラフやダッシュボードで可視化することで、傾向や異常値が直感的に把握できます。

 

④分析・仮説立案

EC分析の基本は「比較」です。「先月と今月の比較」「セグメント間の比較」「目標値との比較」を通じて、課題のある指標を特定します。そのうえで、定性データ(顧客レビュー・問い合わせ内容など)を照合し、「なぜその数値になっているか」の仮説を立てます。

 

⑤施策実行と効果検証

仮説に基づき施策を実行し、その前後で指標がどう変化したかを検証します。複数の施策を同時に実施すると効果の切り分けが難しくなるため、変数を絞ってテストすることが原則です。

 

⑥継続的な改善(PDCAサイクル)

EC分析は一度やれば終わりではありません。定期的なデータ収集と分析を続け、PDCAサイクルを回し続けることが、ECサイトの持続的な成長につながります。週次・月次でのレビュー習慣をつくることが重要です。

 

AIを活用してEC分析を「施策実行」まで繋げる

分析して終わり"になりがちな理由

EC分析の課題として多く挙げられるのが、「データを見たはいいが、施策に落とし込む時間がない」という問題です。データの収集・整理・集計だけで工数がかかりすぎて、本来重要な「解釈と実行」に時間を割けない状況に陥っているEC担当者は少なくありません。

 

また、複数のツール(GA4・カートシステム・CRMツール・広告管理画面)にデータが分散していると、それぞれの数字を手作業でつなぎ合わせるだけで時間が溶けていきます。

 

データ統合プラットフォームとAIエージェントが変えること

こうした課題に対して、近年注目されているのが「ECデータを一元統合し、AIが分析・提案・実行までをサポートする」アプローチです。

 

EC・実店舗・モール・広告・CRMなど複数ソースのデータを統合し、AIがそのデータを解析して「今注力すべき課題」と「次に打つべき施策」を提示します。担当者はAIとの対話を通じて分析から施策実行まで一気通貫で進められるため、専門知識がなくてもデータドリブンな運営が実現できます。

 

※関連記事: ECのデータ分析をAIで自動化する方法|DWH×AIエージェント実践ガイド

 

メルカートのデータ統合×AI活用

国産クラウドECプラットフォーム「メルカート」は、EC・CRM・MA・分析を統合したデータ基盤に、AIエージェントを組み合わせたプラットフォームです。

 

EC担当者が自然言語で問いかけるだけで、売上課題の特定から具体的な施策提案、さらには管理画面内での実行アシストまでをAIがサポートします。「先月CVRが下がった原因は?」と問いかければ、AIがデータを解析して「カート離脱が原因。離脱セグメントへの〇〇施策が有効で、売上回復15%が見込める」といった提案まで返ってくるイメージです。

 

また、専任スタッフによる無料の伴走サポートが付いており、CRM施策の実行やコンテンツ制作まで、分析結果を素早くアクションにつなげる環境が整っています。サポート満足度97%、導入後平均売上成長率480%(※サイト公開翌月から1年後の平均成長率)という実績が、この体制の効果を示しています。

 

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成功事例:EC分析でデータドリブン運営を実現

重視したのは"スピード感"と"データ分析"(AGCテクノグラス株式会社)

耐熱ガラス食器ブランド「iwaki」を展開するAGCテクノグラス株式会社は、スマートフォン未対応・社内更新不可という課題を抱えた旧サイトからの脱却を目指し、自社EC構築に乗り出しました。

 

カート選定にあたっては、スピード感のある運営が可能であること、そしてデータ収集・分析に強くPDCAサイクルを回せる環境を最重視。ECサイト運営経験がほとんどない同社にとって、コンサルティング・サポート体制の充実も決め手となり、メルカートの採用を決定しました。

 

導入後は、サイト更新のハードルが大幅に下がり、スピード感のある運営が実現。さらにECサイトで得られたデータを活用した分析・施策立案が可能になり、データドリブンな活動の定着に手応えを感じています。

 

AGCテクノグラス株式会社のメルカート導入事例をもっと見る

 

顧客分析を強化し単月売上215%を達成(リンガーフーズ株式会社)

リンガーハットグループの外販事業を担うリンガーフーズ株式会社は、旧カートシステムのサービス終了をきっかけにECリニューアルを実施。さまざまな施策を実行できる機能性を重視してメルカートを導入しました。

 

リニューアル後は、CRM機能を活用した顧客分析を強化。カゴ落ち分析をはじめとするデータ活用で施策の精度が向上し、直感的なUIにより受注業務・商品管理・ユーザー管理の効率も改善されました。その結果、単月の売上昨年対比が最大215%に達するという大幅な売上アップを実現しています。

 

リンガーフーズ株式会社のメルカート導入事例をもっと見る

 

よくある質問(FAQ)

ここでは、ECサイトの分析方法に関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q1: ECサイトの分析で最初に確認すべき指標は何ですか?

A: まずは「売上高・CVR(コンバージョン率)・客単価・セッション数」の4指標を確認しましょう。これらをセットで見ることで、売上の増減がどの要因によるものかを切り分けられます。EC売上は「セッション数 × CVR × 客単価」で構成されるため、どの数値に課題があるかを特定することが効率的な改善の出発点です。

Q2: 定性データはどのように集めればいいですか?

A: まずは手軽に取り組めるものから始めるのがおすすめです。商品レビューや購入後アンケートはカートシステムの機能で実装できるものが多く、問い合わせ内容の分類整理もすぐに始められます。SNSのメンション収集や、月1回程度の顧客インタビューも有効です。定性データは量より継続性が重要なので、小さく始めて習慣化することを意識してください。

Q3: データはあるのに施策につながらない場合はどうすればいいですか?

A: データが施策に結びつかない主な原因は、「分析とアクションが別チーム・別ツールで完結している」ことです。分析結果をもとにすぐ施策を実行できる環境(カートシステム・MA・CRMの統合)を整えること、そして「数字を見て終わり」ではなく「なぜその数字になっているか」を定性データで補足する習慣が改善への近道です。

まとめ

本記事では、ECサイトの分析方法について、基本指標・手順・定量×定性の活用・AI活用までを解説しました。

 

EC分析で成果を出すために重要なポイントは、次の3つです。

 

1. 指標はセットで見て、課題の所在を特定する
売上高・CVR・客単価・セッション数を組み合わせて読み解くことで、改善すべき領域が明確になります。

 

2. 定量データに定性データを組み合わせて施策の角度を高める
「何が起きているか」を数字で把握し、「なぜ起きているか」を顧客の声で補足することで、的外れな施策を減らし成果につながる改善が実現します。

 

3. 分析から実行までのサイクルを仕組み化する
データの収集・分析・施策実行が一元的に行える環境を整えることで、PDCAサイクルのスピードが上がり、ECサイトの持続的な成長につながります。

 

データ活用・分析に強いECサイトの構築・リニューアルをご検討の方は、お気軽にメルカートへご相談ください。


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この記事の監修者

株式会社メルカート
執行役員座間 保

クラウドECプラットフォーム『メルカート』のマーケティング・インサイドセールス統括責任者。SEO・広告・SNS・GrowthHackなど、デジタルマーケティング全領域に精通。株式会社エートゥジェイの創業メンバーとして参画し、WEBサービスやコンサルティング会社の設立を経てエートゥジェイに復職。デジタルマーケティング事業責任者として支援部署を立ち上げ、執行役員兼マーケティング統括責任者に就任。2025年のメルカート分社化に伴い転籍し、現在は株式会社メルカートの執行役員としてマーケティング・インサイドセールスを統括している。

専門領域:クラウドEC、BtoBマーケティング、SEO、デジタル広告、インサイドセールス、SaaSグロース

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