アパレルECを成功に導くポイントは? 始め方や特有の課題などを解説

年々拡大を続けているEC市場において、近年大きく注目を集めているのがアパレル・ファッション業界のECです。2020年の新型コロナウイルス感染症により実店舗が影響を受け、EC分野にチャレンジしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、アパレルECを成功させるためにはいくつかコツがあり、必ずしも成功するわけではありません。

ここでは、アパレルECの概要や課題、成功させるためのポイントなどをご紹介します。

   

アパレルのEC化率は?

アパレルのEC化率図

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf)

 

近年さまざまなシーンで使われるようになった「EC」とは、「Electronic Commerce」の略称で、日本語では「電子商取引」などと訳されます。インターネット上で商品やサービスを売買することで、より端的には「インターネット通販」「ネットショップ」「オンラインストア」などと呼ばれるサービスの総称です。

 

スマートフォンの普及などに伴い存在感を増していましたが、2020年初頭の新型コロナウイルス感染症の拡大や、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置による外出自粛の影響で、アパレルECの需要はさらに高まっています。

市場全体におけるネット通販が占める割合を示す「EC化率」は、2020年で19.44%(前年13.87%)、市場規模も前年から16.25%増の22,203億円と、高い伸び率を示しています。※1

 

アパレル・ファッション市場自体は低迷が続いていますが、アパレルECに関しては成長を続けているのです。今後も、アパレル・ファッション市場は規模が縮小していくものの、EC化率やEC市場の規模は拡大が続くと考えられます。

 

※1 出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html

アパレルECの種類

アパレルやファッション関係のネットショップは、大きく3種類に分けることができます。それぞれの特徴やメリットは、以下の通りです。

メーカー直販型

実店舗を持つメーカーやブランドが、独自で構築・展開するネットショップのことを指します。自社製品のみをサイト上で取り扱うため、ブランドイメージを前面に出したECサイトを構築可能です。

独自のキャンペーンやサービスを実施し、顧客の利便性を高めることもできます。

 

また、商品の試着や取り置き、在庫確認など、実店舗との連携を行える点もメリットです。顧客との接点を増やすオムニチャネル施策を実施しやすく、ネットショップや実店舗、SNSなどを連携して売上アップを狙うケースも増えてきています。

 

ただし、マーケティングをすべて自社で行う必要があり、サイト立ち上げ直後から安定して売り上げを伸ばしにくい点はデメリットといえます。

モール出店型

モール型ECサイトとは、数多くのショップが集まるインターネット上のショッピングモールのことです。Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングが代表的なECモールで、アパレル関連に特化したものだとZOZOTOWNも有名です。

テナント料(出店料)や手数料などを支払う必要はあるものの、モール型ECサイト自体の知名度が高いことから、知名度が低いブランドでも集客を期待できます。

 

一方で、自社でECサイトを構築した場合に比べてブランドの個性を出すのは難しく、競合他社が多い場合は価格競争に巻き込まれやすい点もデメリットです。

個人販売型

実店舗を複数経営しておらず、個人や小規模のブランドが運営するネットショップです。実店舗を経営している場合もありますが、小売店や仲介業者を通さずにECサイトのみで事業を行うことも多いです。

メーカーが仲介業者を介さずに自社商品を販売する「DtoC」と呼ばれるビジネスモデルで、モール型ECサイトでも取り扱わない、独自性の高い商品を展開できます。

その他の形態

近年は、個人同士が取引を行うCtoCタイプのECも広がりを見せています。メルカリやラクマといったフリマアプリ、ヤフオクなどのオークションサイトがCtoCタイプの例です。

また、定額を支払うことで定期的に服をレンタルできる、サブスクリプションサービスも増えてきています。

アパレルECの始め方

アパレルを取り扱うネットショップを立ち上げるには、どのような準備を行えば良いのでしょうか。アパレルECを始めるための手順をご紹介します。

 

1. コンセプトを決める

最初に、誰にどんなものを売り、どのようなニーズを満たしたいのかなど、ブランドのコンセプトを考えておきましょう。

この時、ターゲットとなるユーザーは明確に定める必要があります。例えば、「都市部の大学に通う10代後半の女性」が「学校でも遊びでも着回せる○○ブランドのアイテム」などとイメージを膨らませることが重要です。

 

2. 商品を準備する

コンセプトを決めたら、取り扱う商品の準備を行います。アパレル・ファッションの場合、オリジナルの商品を販売する方法か、既製品を業者から仕入れて販売する方法の2種類が一般的です。

 

3. 出店方法を決める

商品の準備と同時に、ネットショップを作成していきます。ブランドコンセプトを伝えることだけでなく、ユーザーが使いやすいデザインのネットショップを作ることが重要です。

おしゃれな雰囲気のサイトを作ったとしても、情報が足りなかったり、商品購入までの操作が複雑だったりすると、離脱してしまう可能性があります。

 

4. 開業する

ネットショップの準備が終わったら開業です。しかし、ネットショップはただ店舗を開いたからといって商品が売れるわけではありません。SNSの投稿や広告出稿、検索結果で上位表示させるSEO対策を行うなど、集客を行う必要があります。

アパレルECの課題

市場規模が成長しているアパレルECですが、前述のようにEC化率は2020年時点で20%弱しかありません。アパレル・ファッション業界特有の課題もあるため、事前に確認しておく必要があります。

アパレルECにおける課題の例としては、以下が挙げられます。

業界全体で市場の売上が下がっている

アパレル供給・市場推移グラフ

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/pdf/200129seni_genjyou_torikumi.pdf)

 

EC市場は成長を続けているものの、アパレル・ファッション業界そのものの売上はバブル期から減少を続けています。※2 経済の低迷や低価格ブランドの普及、少子高齢化など、理由はいくつか考えられますが、今後もこの傾向は大きく変化することはないでしょう。

 

また、業界全体で売上が減少する一方で、人口当たりの実店舗が多い点も、アパレルECの課題のひとつです。実店舗に行きやすくECサイトを利用するメリットが薄いことも、アパレル業界のEC化が進みにくい原因として考えられます。

 

※2出展:経済産業省「繊維産業の現状と経済産業省の取組」

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/pdf/200129seni_genjyou_torikumi.pdf

返品のリスクがある

アパレルやファッションはサイズ感やカラー、風合いなど、実際に見たり試着したりしないと判断が難しい商品も多いです。「サイズが合わなかった」「イメージと違った」などを理由に返品される可能性があります。

商品のイメージを伝えるために、情報を多く提供することが重要です。

在庫管理が難しい

在庫管理が難しい点も、アパレルやファッション関係のECサイトの課題です。在庫が少ないと販売機会を逃してしまい、多すぎると不良在庫となる恐れがあります。

特に、実店舗とECサイトの運用がバラバラだと、実店舗にある商品がECサイトでは販売できないといった機会ロスを生む可能性が高いです。

ブランドによっては集客が難しい

ファッション関係のネットショップは非常に多く、認知度が低いブランドの場合は集客が難しいです。知名度が高いモールに出店すれば集客こそ見込めますが、モールでは他のブランドとの価格競争に巻き込まれる可能性があります。

また、モールで商品を購入した顧客は、ブランド名ではなく「AmazonやZOZOTOWNで服を買った」と認識しやすいため、ブランドの認知拡大につなげるのは困難です。

 

何らかの理由でモールが使えなくなった場合に、ネットショップでの売上が消えてしまうなど、リスクが高い状態でもあります。

モール型ECだけでなく、自社ECでも集客や売上を伸ばしていける施策を行うことが重要です。

アパレルECを成功させるコツ

アパレルECを成功させるためにはどのような施策を行えば良いのでしょうか。成功させるためのコツを、いくつかご紹介します。

オムニチャネル化で店舗との連携を強化する

オムニチャンネル図

 

店舗やECサイトなど、オンライン・オフラインに関わらず、各種チャネルを連携させるオムニチャネルの施策に取り組みましょう。顧客情報や在庫管理などを一元化することで、販売機会を逃すリスクを下げられます。

 

また、ポイントの連動や店舗受け取りの対応など、顧客のニーズに沿った施策を行えるようになり、ファン化を促せる点もメリットのひとつです。

動画や画像の活用

動画や画像など、視覚的に訴えるコンテンツを活用するのも有効です。動画で商品の使い方を紹介したり、実際のコーディネート例を画像で紹介したりすれば、イメージ違いによる返品のリスクを減らせるはずです。

店頭スタッフによるコーディネート例を紹介するのも良いでしょう。

 

また、近年は適したサイズを教えてくれるサービスなど、スマホだけで採寸が行える技術も多く開発されています。それらの技術を活用し、アパレルECの使い勝手を実店舗に近づけることも、売上を伸ばすうえでは重要です。

ブランディングに注力する

ファッションは個人の好みが大きく影響するジャンルです。数あるブランドの中から顧客に自社サイトを選んでもらうためには、ターゲットを絞ってブランディングを行う必要があります。

 

商品だけでなく、サイト全体のデザインや広告、SNSなどに投稿する際の雰囲気など、細部までターゲットに合わせるようにしましょう。

また、顧客データをもとに施策を打ち立てるのも有効です。集客が難しい分野なので、リピーターを増やすことは自ずと売上の増加にもつながります。

モールだけでなく独自サイトを活用する

アパレルやファッションで売上を上げるためには、ブランドのコンセプトをユーザーに伝える必要があります。前述のように、モールは集客しやすいものの、ブランドのコンセプトを伝えたり、独自の販促活動をしたりするのには適していません。

自社ECサイトならば、コンセプトに即したデザインのサイトの構築、ファンを増やすためのマーケティング施策など、より戦略の幅が広がります。

 

サイト構築の方法はいくつかありますが、すべてがアパレルECに適しているわけではありません。コンセプトを表現できるサイトを作れるか、マーケティング機能が豊富に備わっているかなどを踏まえて、ECサイトの構築方法を検討することも重要です。

アパレルECはメルカートで構築しよう

メルカート概要

 

アパレルECを成功させるためには、アパレルに必要な機能を有したECサイトを構築することが重要です。クラウドECシステム「メルカート」なら、アパレルEC特有の課題を解決するECサイトを構築できます。

アパレルECに必要な機能を搭載

商品検索やお気に入り機能、自動レコメンドなど、アパレルECに必須のものから売上拡大に欠かせないものまで、多くの機能を搭載しています。

 

また、業種ごとの傾向などを元に豊富なデザインテンプレートを作成していて、スムーズなサイト構築も可能です。テンプレートにオリジナルデザインを反映してブランディング施策につなげることもできます。

外部サービスとの連携実績も豊富

各種決済サービスや、複数のネットショップの受注情報を一元管理するシステムなど、外部サービスとの連携実績も豊富です。

EC初心者でも使いやすいサポート体制

豊富な機能を取り揃えていても、使いこなせなければ意味がありません。メルカートでは、集客からCRMまで専門チームがサポート。初めてEC事業に取り組む方でも、安心してご利用いただけます。

 

アパレル関係の導入事例に関しては、以下のページでも詳しくご紹介しているので、併せてご確認ください。

メルカートで構築したアパレルECの事例はこちら  

多くのお客様に選んでもらってます!

利用者ロゴ

 

アパレルEC事例 Atsugi アパレルEC事例 グリップインターナショナル アパレルEC事例 オッシュマンズ

アパレルECは戦略の組み立てが重要

企業や個人を問わず、誰でも簡単にネットショップを開業できるようになり、アパレル系のEC市場は大きく広がりを見せています。しかし、市場が拡大しているということは競争も激しくなっているということです。

ただ商品をインターネット上で販売するだけでなく、利便性を高めて顧客満足度を向上させるネットショップを構築する必要があります。

アパレルECにチャレンジする際は、新しい取り組みや競合との差別化を行うなど、戦略を組み立てることが重要です。


構築・運用・サポート

売れ続ける仕組みが作れるECネットショップ制作サービスをお探しの方はメルカートへ

成功のノウハウを集めた
実例集プレゼント!

デモも
受付中


この記事の監修者

株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保

2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

座間

人気の記事

メルカート概要資料

個別相談会