インタビュー詳細
6ブランド・4サイトを1つに。ちふれ化粧品が選んだ「自分たちで把握し続けられる」EC基盤

「確かな品質の商品を、適正な価格でお届けする」という信念のもと、商品の企画・開発から製造・販売までを一貫して手がけるちふれグループ。基幹ブランド「ちふれ」は全成分表示や詰め替え化粧品の開発を業界に先駆けて実現し、58年目を迎える今も、幅広い世代から支持を集めています。その他にも、エイジング世代向けの「AYAKA」や国産オーガニック化粧品「ドゥーオーガニック」など6つのブランドを展開。2024年3月、それぞれ独立して運営していた4つの公式オンラインショップを1つに統合するEC基盤としてメルカートを採用しました。少人数のチームで6ブランドを支えるEC運営の裏側と、複数ブランドを1つにまとめるという難易度の高い挑戦について、お話を伺いました。
今回お話を伺った方
- 株式会社ちふれ化粧品
菊地様、上野様、高橋様
メルカート導入の目的・課題・効果
- 4つに分かれていた公式オンラインショップを1つに統合し、効率的な運用基盤を構築したい
- 6ブランドを横断して訴求できる場を整え、お客様の利便性を向上させたい
- 将来的な外部システム連携や事業成長を見据えた、拡張性のあるシステムを選定したい
- 4つの管理画面を並行運用しており、業務が極めて煩雑化していた
- 4サイト中3サイトにポイント制度がなく、ブランドをまたいだ会員基盤が構築できていなかった
- 少人数体制のため、ブラックボックス化しやすい自由度の高すぎるシステムでは、長期的な運用・管理が困難という懸念があった
- 4サイトを1つに統合したことで作業効率が向上。分析も一画面で完結し、会員数は移管時の約2倍に増加
- 購入者の約9割が会員登録に至り、リピート施策の土台となる会員基盤を構築
- AIレコメンドの導入により関連商品の手動登録・メンテナンス作業が不要になり、業務負荷削減とカート画面のCVR向上を両立
「その連携は、本当に今すぐ必要か」——最重要要件を問い直した2か月が導き出した、少人数でも6ブランドを支え続けられる運用基盤
全成分表示、詰め替え化粧品。業界に先駆けてきた58年と、6つのブランド
私たちちふれ化粧品は、「確かな品質の商品を適正な価格でお届けする」という信念を軸に、商品の企画・開発・製造・販売までを一貫して行う化粧品メーカーです。全成分の表示や詰め替え化粧品の開発など、今でこそ業界の当たり前となっている取り組みも、当社は先陣を切って実現してきました。そうして基幹ブランド「ちふれ」が重ねてきた歴史は、今年で58年目を迎えます。
現在は、性格の異なる6つのブランドを展開しています。「ちふれ」を中心に、本格的なトータルエイジングケアアプローチを掲げる「AYAKA」、光に着目したプレミアムライン「HIKARIMIRAI」、国産オーガニック化粧品「ドゥーオーガニック」など、幅広いラインナップを揃えています。この6ブランドをどのように成長させていくかが、当社の課題であり強みでもあります。
企業として大切にしているのは、全成分開示に象徴される「正直さ」、詰め替え化粧品の開発・改良やカーボンフットプリント公開といった「エシカルな姿勢」、そして身近な場所で購入していただける「親しみやすさ」です。また、社内に「愛用者室」というカスタマーセンターを設置し、お寄せいただいた声を真摯に商品開発へ反映させる姿勢も、私たちが一貫して大切にしているブランド体験です。
4つの管理画面、まとめ買いできないサイト。コロナ禍が動かしたリニューアル
以前は、4つの公式オンラインショップをそれぞれ独立したサイトとして運営していました。当時の最大の課題は、管理画面が4つに分かれていたことです。同一の更新・管理作業を4回繰り返す必要があり、運用業務が大きな負担となっていました。
もう一つの課題は、サイトが分散しているためにお客様がブランドを横断して「まとめ買い」ができない状態だったことです。複数のブランドに興味を持っていただいても、別々に決済していただくしかなく、明らかな機会損失が発生していました。さらに、将来的な店舗会員情報との統合を見据えた際、従来の環境では外部システムとの連携が難しい点も課題視されていました。
リニューアルが本格化したきっかけは、コロナ禍によるEC利用の急速な拡大です。これを機に、全ブランドを網羅的に訴求できる場の創出と、お客様の利便性向上を目指してプロジェクトが始動しました。
「その連携は、本当に今すぐ必要か」。少人数だからこそ選んだ"把握し続けられる"基盤
システム選定において、当初最も重視していたのは外部システムとの連携でした。当時社内で進行していた顧客データの電子化プロジェクトと連携させるため、対応可能なカートシステムを複数部門で検討していました。
その過程で、社内からはカスタマイズ自由度の高さで知られる海外製カートシステムの名前も挙がっていました。しかし、自社で本当に運用しきれるのかを詳しく検証する中で見えてきたのは、「自由度が高すぎるがゆえの運用リスク」でした。高度なカスタマイズは、どのような仕様で構築されたかを詳細に把握し続けなければ、将来的な改修時にシステムがブラックボックス化してしまいます。少人数で運用する私たちが、数年後に見直した際にも構造を正しく把握・管理し続けられるだろうかと考えたとき、大きな不安が残りました。また、英語ベースでの問い合わせ対応や、トラブル時の迅速なサポート体制にも疑問符がつきました。
そして検討を重ねるうちに、「社内で挙がっている複雑なシステム連携は、本当に今すぐ実装しなければならないことなのか」ということに気づきました。最優先すべき要件を整理した結果、「今すぐでなくても良い機能」と「今すぐ解決すべき課題」の境界線が明確になりました。
現状の優先順位は、まず4つのサイトを1つに統合すること。そして、コスト・機能・セキュリティのすべてにおいて、自信を持って運用できる基盤を確立することである——そう社内で認識を統一し、最終的に選定したのが「メルカート」でした。
メルカートを知ったきっかけは、もともと「ecbeing」の存在を認知していたことです。当時契約していた制作会社がecbeingを活用していたこともあり、「SaaS版のようなサービスはないか」と検索したところ、メルカートに辿り着きました。
決め手となったのは、将来的にecbeingへ移行する際も、同じ操作感のままスムーズにステップアップできる点です。他社システムでは再開発が必要になりますが、メルカートならその心配がありません。さらにコストパフォーマンス、従来できていた業務を網羅する分析・オプション機能、システム部門の厳しい基準をクリアした高いセキュリティ性、そして手厚いサポート体制も決定打となりました。
当時は組織変更の直後で、条件の厳しい中で手探りでカートを探している大変な時期でした。そんな中、メルカートの担当者様が親身かつ丁寧に導いてくださったことは、大きな安心感に繋がりました。

4つが1つになって、分析も一画面へ。会員数約2倍を支えた運用基盤
リニューアル後にまず実感したのは、4サイトが1つに統合されたことによる作業効率の劇的な向上です。それだけでなく、データ分析においても1つの画面からデータを抽出して一元管理できるようになり、集計業務が格段に楽になりました。
会員数も順調に推移しています。サイト移管からの約2年間で、会員数は約2倍に拡大しました。大規模なプロモーション施策を打った結果というよりも、右肩上がりに自然増を続けている印象です。データを分析したところ、商品を購入されたお客様の約9割が会員登録をしてくださっていました。購入導線上でスムーズに登録できる設計になっていることや、ポイントキャンペーンの展開、エシカルアウトレットでのポイント付与などが奏功していると感じています。現在は、この会員基盤をベースにリピート率を高めていく施策に注力しています。
売上についても着実に成果が出ており、リニューアル前後の同月比較では、約1.5倍に伸長しています。

値引きができないから、条件で勝負する。CRM+とAIレコメンドの使いこなし
運用面で非常に重宝しているのが「CRM+」機能です。当社はブランドのポリシー上、基本的に値引き販売を行いません。そのため、購入条件に応じたノベルティや特典を自動付与できる機能は極めて大きなアドバンテージとなっています。現在では「CRM+の機能をいかに活かすか」を前提として施策を設計するほど、運用の軸となっています。ブランド数・商品数が多いため、多様な条件を組み合わせて魅力的な施策を展開しています。
また、「AIレコメンド」も早期から導入しました。当初は商品詳細ページ下部への表示を想定していましたが、カート画面にも追加したところ、コンバージョン率(CVR)の向上が確認できました。売上貢献はもちろん、業務効率化の面でも大きな効果を発揮しています。
以前は関連商品をすべて手作業で登録しており、商品が非公開になるたびに手動で修正する作業に追われていました。AIレコメンドによってこのプロセスが自動化されたことで、管理業務の手間が大幅に削減されました。想定以上の業務改善効果を実感しています。
新機能の追加についても、メルカートは高頻度なアップデートにより、常に最新のシステム環境を活用できる点が大きな魅力です。管理画面上の更新表示も分かりやすく、チーム内で「この新機能は導入できそうか」とタイムリーに検討し、サポートへ相談する運用サイクルが自然と出来上がりました。マニュアルや案内メールの手厚さも、情報収集のしやすさに繋がっています。
またセキュリティ面でも、不審なアクセスや不正利用の兆候に対して迅速に調査・報告いただけるため、専門知識が求められる領域においても非常に心強く感じています。

まとめ買いは想定より多くなかった。その発見が示した公式ECの役割
サイト統合を経て得られた気づきとして、一つ興味深いデータがあります。それは、「当初予想していたより、ブランドを横断したまとめ買いは多くなかった」ということです。
特定のブランドを愛用してくださるお客様は、そのブランドの商品を集中的に購入される傾向があることが、統合によってより明確になりました。想定とは異なる結果でしたが、これは「各ブランドに根強いファンがしっかり定着している」というポジティブな発見でもあります。現在は、この結果を踏まえ「いかに他ブランドを知っていただくきっかけを作るか」という新たなアプローチを模索しています。
また、運用を通じて公式ECならではの役割も再定義できました。全商品をラインナップする直営ECだからこそ、店舗では取り扱いが限られる商品や新商品をいち早くお客様にお届けできます。さらに、「生産終了品を最後まで販売できる」点も公式ECの大きな強みです。実際に、生産終了のタイミングでECの売上が大きく伸びるケースもあります。昨年スタートしたエシカルアウトレットや、EC限定商品の展開など、公式ECだからこそ提供できる価値の拡充を進めています。
人気キャラクターとのコラボレーション商品を展開した際も、店舗で見つけられなかったお客様がすぐに公式ECへ流入してくださるなど、確実な手応えを得ています。企画の対象によってお客様の行動パターンは異なるため、全商品を網羅する公式ECの存在意義を改めて実感しています。
ブランドを長く愛用いただく接点へ。ecbeingという土台がある安心感
今後に向けた大きなビジョンは、ECサイトを単なる「購入の場」にとどめず、「ちふれグループのブランドを生涯にわたって長く愛用していただくための接点」へと進化させることです。お客様の年齢や肌のお悩みの変化に寄り添い、最適なブランドや商品を提案できる回遊性の高いサイト構造を目指し、機能実装を進めています。
さらに、ご自身用だけでなく贈り物として選んでいただけるギフト需要の強化や、将来的にECと店舗の垣根をなくし、お客様が好きなチャネルで自由に購入できるマルチチャネル・オムニチャネル環境の整備も可能性として視野には入れています。
将来的な「ecbeing」へのステップアップ可能性も、選定時の重要な要素でした。今すぐの移行ではありませんが、社内としてEC事業を拡大していく方針の中で、実績を積み重ねた先に「上位システムへのスムーズな移行パスが用意されている」という事実は、経営・運用双方における大きな安心感と強みになっています。
メルカートには、今後も継続的なバージョンアップと機能拡張を期待しています。日々の運用の中で生じるリクエストも気軽にご相談させていただきながら、共に成長していけるパートナーであり続けたいと思っています。
複数ブランドを1つにするなら、"最初の構築"に時間をかけてほしい
同じように複数ブランドを1つに統合してECを成長させたいと考えている方に、ひとつだけお伝えしたいことがあります。複数ブランドの場合、最初の構築がなかなか重要だった、というのが今になってすごく分かるんです。
当社の場合、初期設定の分類定義によって後からのデータ分析で工夫が必要になった経験があります。メルカートは自由度が高く直感的に設定できるからこそ、将来の運用や分析視点をあらかじめ見据えた設計を行うことを強くおすすめします。
その上で強調したいのは、メルカートの「手厚いサポート体制」「強固なセキュリティ」「頻繁な機能アップデート」の魅力です。単なるシステム提供にとどまらず、「システムを一緒に育ててくれている」という強い伴走感を得られるプラットフォームだと実感しています。

▼ 本事例でご紹介したECサイトはこちら
「My CHIFURE Online」

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社名
株式会社ちふれ化粧品
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設立
2018年
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代表取締役社長
野津 昌洋
-
所在地
〒350-0833 埼玉県川越市芳野台2-8-59
構築・運用・サポート
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