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セミナーレポート デジタル活用のエキスパート集団から学ぶ、ECカート選定のポイントと運用のコツ
株式会社エートゥジェイと株式会社ワンゴジュウゴは、2023年6月21日(水)に、EC担当者やWebマーケターの皆様を対象とした共催Webセミナー『デジタル活用のエキスパート集団から学ぶ、ECカート選定のポイントと運用のコツ』を開催しました。本記事ではその概略をレポートいたします。
【目次】
■運用のご支援の中で売り上げが伸びる会社さんの特徴はありますか?
■海外のカートはどうですか?認知度が高く人気ですが、構築・使い心地は?
■SaaS型やASPも種類が多いですがほかのカートはいかがですか?
・EC初心者が自社ECを立ち上げる際に適しているカートはありますか?
セミナー登壇者
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株式会社エートゥジェイ
メルカート事業責任者 / 執行役員
渡邉 章公氏2010年に株式会社ecbeingへ入社。エンジニアとして様々なクライアントのECサイト構築支援に従事。2016年よりSaaS型のECプラットフォーム構築に参画し、2018年に新サービス『メルカート』を立ち上げ。2020年にグループ会社のエートゥジェイへ事業と共に転籍し、執行役員に就任。
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株式会社エートゥジェイ
メルカートカスタマーサクセスチームリーダー
知久 凌太氏2018年にecbeingへ入社し、エンジニアとしてシステム開発に従事。2020年に渡邉とともにエートゥジェイへ転籍し、カスタマーサクセスチームを立ち上げチームリーダーに就任。現在は100社を超えるメルカートユーザーに、売上拡大のためのコンサルタント支援を行う。
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株式会社ワンゴジュウゴ
アカウントセールス兼PM/マネージャー
佐々木和美氏2013年株式会社ワンゴジュウゴに中途入社、システム部に所属し、 各種Webサイト、システム構築、サイネージ連携、アプリ開発等に従事 Web制作会社ならではのUI/UXにこだわった各種サービス構築を行う。2018年よりECプロジェクトが発足し、EC案件でのPM業務を担当する。ECサイトの新規構築のみならず、リニューアル&データ移行案件を担当し、デザインのほか運用業務の工数削減を考慮したフロー構築を行う。
ECカート選定の基準
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渡邉 クライアントさんにご提案される際のカート選定の基準や、クライアントさんに合わせたカートの良し悪しを見極めるポイントを教えてください。
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佐々木 想定するシチュエーションによって選ぶポイントは変わってきます。例えば、リプレイスなのか、EC部門の売上を伸ばすために次のECカートに移転するのか、または新規立ち上げなのかによっても選定ポイントは違います。
そのなかでメルカートは、より多くの売上を獲得するための移転先の候補として考えることが多いです。最近、月額がゼロ円でも利用できるカートのCMもよく見ます。しかし、無料で使えるということは、別で利用料が発生するので、そのバランスを見ながら「御社のサービスであれば、このようなカートを選ぶべきではないですか。候補はこれとこれです。いかがでしょうか」といった形で提案することが多いです。
カートの候補の絞り方としては、サービスの種類や決済の豊富さ、もともと導入されているシステムに合うか、目標を叶えられるかといった基準でカートを選びます。
さらに、デザインの実現度や、クライアントさんの社風によっても選ぶカートは変わってきます。老舗の会社さんには、新しい文化が入っているカートが合いづらいということもあります。
そのほかにも、捌かなければいけない注文の数や商品点数など、気にするところはたくさんありますが、一番希望を叶えられるカートをクライアントさんに代わって、候補を絞り込んでご提案することが多いです。
ECカート選定で整理するポイント
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渡邉 カート選定のポイントとして、やりたいことを実現できるかが重要ですが、新しくECを始めようと思ったときに、「今時点でどのような機能が必要か」「将来的にどのような機能が必要になるか」というのはなかなか想像しにくいです。そのような環境でクライアントさんがカート選びをしなければいけない際に、どこから整理していくのが良いでしょうか。
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佐々木 最初に期待値を上げてしまうと、機能がありすぎて扱いきれないということも起こります。例えば、一口にデザインの自由度と言っても、それを実現できる制作スタッフがいるのか、管理画面の項目があれば更新できるレベルなのか、またはデザイン自体を外部に任せたいのか、お願いできるパートナーがすでにいるのか、によっても変わってきます。
最近では「ノーコード」と言われているドラッグ&ドロップで好きなデザインを導入できるようなツールもあるので、更新頻度のイメージも聞きながら、全体的にバランスを見て選ぶことも多いです。
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渡邉 お客さんのステージややりたいこと、将来的な更新運用なども含めて、いろいろなバリエーションの中からお客さんに選んでいただくイメージですね。
管理画面が使いやすいカートはどこですか?
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渡邉 御社が管理画面を使う際は、やはり商品やCMSの機能に触れることが多いでしょうか。
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佐々木 そうですね。初回のセッティングを代行したり、クライアントさんと一緒に画面共有しながら機能を確認したりすることもあります。
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渡邉 では、管理画面がどのような感じだと提案や運用がしやすいですか。
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佐々木 それは、クライアントさんの文化にもよります。頻繁に自分たちで管理画面を見ながら調整をするクライアントさんや、若いスタッフの方が多い会社だと、今っぽいデザインのトレンドに乗っている管理画面のほうが使いやすいです。
メルカートも実は慣れれば使いやすくて、リテラシーが低い方でも理解した後は間違えずに運用できています。各種あるクライアントさんのなかでも安定して使ってもらっているカートの一つです。
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知久 最初の立ち上げの際、特にECカートを初めて使うお客様には、どこに何があるかが分からないという意見をいただいたりします。一応メルカートでもアイコンや口頭で説明していますが、やはり理解しきれない部分もあります。
しかし、機能の詳細と各クライアントに合った使い方をお伝えすると、ECカート立ち上げ後には安定した運用をしているクライアントが多くいます。メルカートでは、毎日使うような操作を保存しておくことができるので、その点で安定性を取れていると思います。
便利なカートシステムの機能は?
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知久 他社のカートシステムを含めて、「この機能が特に使いやすい」「よく使うから、使いやすくして欲しい」といった機能はありますか。
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佐々木 さまざまなカートシステムの方とお付き合いがありますが、カスタマイズまでできるecbeingや、メルカートは管理画面の集計機能がほかのカートに比べて充実しているというのがとても話題に上っていました。
数字がとても見やすく、まだGA4が出る前は、その画面に行かずして数値を見ていれば、大体理解できていました。そのため、数字を把握することができた便利なツールでした。
ただ最近は、数値をグラフ化したり、ダッシュボード化をして一画面にデータをたくさん並べたり、概要を理解した後に、詳細を見ていくことが多くなっています。その点、メルカートはデータを一個ずつ見ていく仕様になっているので、今後のバージョンアップに期待しています。
管理画面を使う裏側の人達としては、日々の作業のなかで顧客からの問い合わせについてクライアントと管理画面上のURLで共有できるととても使いやすいです。
カートシステムによっては管理画面のURLがずっと一個で、操作によって切り替わる場合もあるので、その点でメルカートは画面を共有しやすいです。
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渡邉 これは私たちには気づけなかったポイントですね。
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知久 分析のダッシュボードで、今使いやすいカートはありますか。
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佐々木 本音を言うと、Shopifyの管理画面は分かりやすいです。Googleのアナリティクスを見に行かなくても、ある程度のデータがデフォルトで見られます。ただ、選択するプランによって表示される項目は変わります。上位プランのほうがより充実した管理画面を見ることができます。
カートシステムのフェーズについて
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渡邉 昨今のクラウドサービスでは、ASP型やSaaS型などの分類があるなかで、よりシンプルにより立ち上げやすくするシステムが非常に多いです。さらに、ECシステムだけではなく、業務に溶け込みやすいシンプルなUI/UXのクラウドサービスも増えていますが、立ち上げのフェーズを意識するのか、その先のフェーズを意識するのかで使い勝手がかなり変わってきそうです。
最初にシンプルなシステムで立ち上げても、シンプルすぎて次のフェーズに移る際に、やろうと思ったことができなかったといったことも往々にしてあると思います。私たちもシンプルさを目指したいですが、今の機能は減らしたくないといったジレンマが生まれています。そのあたりが非常に難しいところだと考えています。
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佐々木 選択肢がたくさんありすぎるとどうすればよいのか分からないという場合もあります。メルカートの場合は、オプションで機能のオンオフができるので、どこまでの機能を取り入れるのか検討がしやすいと思います。
カートシステムのフェーズについて
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佐々木 傾向としては、何かでバズっているか、順当に広告に出稿して集客に力を入れているか、SEOを長い目で見て取り掛かっているかなどがあります。
最近では、売上を伸ばすために、決済の方法を増やすことに取り組まれている会社がとても増えてきています。新型コロナウイルス感染症をきっかけにキャッシュレス化が進むなかで、Amazon PayやPayPay、LINE Pay、楽天ペイなどのQRコード決済を積極的に導入しています。あとは、学生さん用に後払いのコンビニ払いに対応している会社も増えています。
結局は、販売するターゲットに向けて、その決済方法も合うものが用意されていれば一旦こなせるかなとも思います。むやみに決済方法を増やして、いろいろ対応しなければいけない環境を作るよりは、いくつか導入をして様子を見ながら進めていくのも良いと思います。
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佐々木 メルカートを扱っている会社で、売り上げが伸びる会社はどのような傾向がありますか。
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知久 サイトや商品の強みを理解している、そして強みや商品のメリットを届けたいターゲット層が明確になっている会社は売り上げが伸びていく印象があります。決済方法の拡充も単純に流行しているからという思考ではなく、届けたい思いを形にするために導入を検討することで、結果も違ってきます。
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渡邉 EC立ち上げのご支援も数多くさせていただいていますが、とにかくデザインが良いECサイトを作ろうとされている会社が非常に多いです。もちろん、販売チャネルとして会社の顔にもなるのがECサイトですが、実装が高度になったり、力技で実装したりと、その先の運用がなかなか追いつかないということが起こる場合があります。
良いECサイトを作ると同時に、マーケティングもしていかななければモノは売れるようになりません。一般消費者が ECサイトをどのように使うか分からない段階で高度なECサイトを作っても仕方がないです。そのため、最初のこだわりを捨て、まずはローンチして、マーケティングに力を入れながら、ECサイトをブラッシュアップしていくという発想を持っている会社は、徐々に成長されていると感じます。どこにコストを割くのか、吹っ切れると成長の兆しになるのかなと思います。
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佐々木 最初にどれだけコストと人の手をかけてサイトを作ったとしても、人が来てなかったら意味がないですね。さらに、1〜2年経つとトレンドがまた変わり、見せ方を変える必要があったりします。あまりに投資が大きすぎると、チューニングするコストが出せない事態に陥ってしまう会社もあります。
カートシステムと運用の進め方
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佐々木 最近は、すっきりしたデザインのテンプレートが多いです。メルカートのテンプレートも比較的すっきりしたもので、すぐに取り掛かりやすくなっている印象です。そのため、まずは始めてみることが大切だと思います。
デザインの制作を承っている弊社としては、一概にテンプレートが良いとは言えませんが、見せ方によっては、テンプレートとも分からないデザインを作ることも可能です。
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渡邉 機能がたくさんあって何でもできるというのは、システム的にすばらしいことですが、まずは消費者と接点を作り、商品の魅力を伝えることが重要です。商品画像を一枚変えるだけでCVRが上がることもあります。その点で、実はシステムは関係ない場合もあるので、集まった人に対してどのように接客していくかを考えるのがスマートな進め方ではないかと思います。
売り上げに伸び悩む会社の特徴はありますか?
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佐々木 立ち上げがゴールになってしまうと、その先にある日々の更新を続けることが、困難に感じてしまうことがあります。
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渡邉 知久さんはカスタマーサクセスとして、さまざまな会社さんとお会いしているなかで、良くないと感じる状況などはありますか。
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知久 一番は、専属の担当者の方が忙しくてECサイトに触れることができないという状況のお客様です。この場合、助言はできますが、実際に動いていただけないと、サイトをオープンしたまま見届けることしかできません。そうなると会社としても、無駄にコストがかかっているだけになってしまうため、できる限り時間を取っていただけるような体制づくりをお願いしています。
そのほかにも、トレンドを取り入れたいというご要望をいただくことがありますが、フェーズに合わせて考えることが大切です。サイト訪問者数が伸び悩んでいるなかで、コストをかけてサイトを充実させても、集客にはお金も時間もかられなければ本末転倒です。今のサイト状況をきちんと分析しながら、フェーズに合った対応やお金の使い方をしていただくのが良いと思います。
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渡邉 運用体制のなかにも段階がありますね。リソースを確保してきちんと運用できる体制を整え、商品在庫の確保や集客、会員の獲得、そして注文といった段階があります。そのなかで、最初の体制の部分で詰まってしまったり、集客のところだけを一生懸命やってしまったり、スムーズに売上に反映しきれていないという悩みを抱えている会社もいらっしゃいますよね。
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知久 そして、運用体制がどのフェーズにいるのか明らかにできないお客様も多くいらっしゃいます。初めてECサイトを展開する場合、どの数字を見ればよいのか分からない場合があります。その際、すぐに聞くことができるメンバーがいるかが重要です。ただ立ち上げたばかりだと見るべき数字をすぐに見られるカートシステムを使っていくのが現実的だと思いました。
海外のカートはどうですか?認知度が高く人気ですが、構築のしやすさ、使い心地はいかがですか?
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佐々木 Shopifyはやはり立ち上げを素早く気軽にできる印象があります。Shopifyの場合は、もともと用意されている機能をオンオフにするような形で、使いたい機能を選択して有効化する仕組みです。Shopifyの良いところは、後から欲しい機能を探し、インストールして追加することです。さらに、グローバル展開もされているので、デザインも豊富です。
しかし、そのデザインは海外の文化に対して最適化されているので、例えば初期設定では、日本では名前の表記が「姓名」の順番で表示するものが、「名姓」と表示されていたりします。そのため、細かいところでチューニングをしていく必要があります。
また、機能によっては先に入れておいた機能が、後から別の機能を足したことによって、使えなくなるということも起こります。「実際にやってみないと分からないのが正解」と言われていています。最初の立ち上げは早いですが、運用を続けてさまざまな機能を足していく過程のなかでは、慎重に進めなければいけないポイントも多いです。
Shopifyでは、海外の企業が開発したアプリ機能と日本の企業が開発したアプリ機能をインストールすることができますが、日本企業のアプリのほうが文化に合うため、インストールするのには向いていると思います。
Shopifyが向いている会社と向いていない会社の特徴
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渡邉 私たちから見てもShopifyは、とても優れたカートだと感じています。私もエンジニアなので興味はありますし、使ってみたいカートの一つです。
自分たちが一定の社内体制を持っている場合に、海外系のカートシステムを使うのはとてもマッチしていると思います。海外系のサービスは、人によるサポートがなかなかしにくいので、画面の中で全て完結できるようになっている印象です。マニュアルを使いこなしながら、自分でカスタムしていくという面では、とても優れたスマートなカートだと思います。
しかし、社内体制を作れなかったり、目利きが難しかったりするときには、御社に相談しながら進めるのも一つの方法です。場合によっては、国産のカートに切り替えるのも王道のやり方といえます。
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佐々木 どのカートも癖があるので、やりたいことを全部できるカートは本当にないなと思います。一からフルオーダーをすれば可能ですが、コストも維持するのも大変なので、ある程度整理して、限られた機能の中で最大限よく見えるように打ち出すことが大切です。
特にShopifyは、アプリが山ほどあるので、一気に使い始めるとトラブルの元になることがあります。優先度をつけて進めていくことを提案しています。
実際にShopifyを使って大変だったこと
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知久 言語の違いによって何か大変なことはありますか。Shopifyは日本語で使える状態ではあると思いますが、アプリの説明は英語で用意されたものが、日本語に変換されているのかなと思います。そこが分かりづらい、または解釈しづらいということはありますか。
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佐々木 解釈はしづらいと思います。私たちもGoogleやDeepLという翻訳ツールを使いながら、アプリの仕様を見ますが、ストアに書いていない情報は、そのアプリの公式サイトまで見に行かないと解決できないこともあります。
言語よりは気質が違うと思います。開発されたベンダーの方のレスポンスがかなり遅いです。時差もありますが、日本の企業のように、すぐに問い合わせに答えてくれるわけではないので、何かトラブルが起こっているときには、困ってしまうこともあります。
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渡邉 カートシステムごとの癖や、使ってみないと分からないことといったレベルになると、御社のようなフラットな会社さんに一度相談してカート選定をするのが、一番早いのかもしれないですね。
マネタイズできるカートも多くなり、メルカートのようなSaaS型やASPも種類が多いですがほかのカートはいかがですか?
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渡邉 SaaS型やASP、クラウドなどECシステムの提供モデルはいろいろなものがあります。そのようななかで、「こういうシーンではこういうものを使った方がよりいいよ」「このやり方はうまくいかないことが多いよ」といったお考えは何かありますか。
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佐々木 先ほどもお話にありましたが、どこまで自分たちの要望に折り合いをつけるかで変わってきます。コストも時間もかけられる会社は、スクラッチという手法で一からシステムを整えたほうが良いですが、そのようなオーダーメイドのシステムを自分たちで賄えていける会社は比較的少ないです。そのため、パッケージ商品やSaaS型、ASPサービスを使っていただく機会が多いです。
私は、Shopifyやメルカート、そのほかにも携わっているカートシステムがありますが、
SaaSサービスを使うとメンテナンスの面でとても便利です。やはり自分たちでは分かりづらいセキュリティの部分や、アクセスの捌き方、個人情報の保護などを全部自前で用意するのは労力がかかります。そのような部分を全部お任せできるSaaSサービスは、便利に使いこなすのが得策です。
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渡邉 この業界にいるので、システムの違いはすぐに分かりますが、初めてECを始められる方が実際にカートを選ぼうと思ったときに、SaaS型やASP、クラウド、パッケージと言われても、なかなか理解するのは難しいのではないかと思います。
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佐々木 弊社がご支援をする際のカートシステムは、SaaS型が多いです。セキュリティを気にせずに使えるため、その時間に商品を売ったり、開発したりすることに専念できる状況を作れます。
カート選びの考え方
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渡邉 年間で数10〜100億を目指していくフェーズになったときには、自動化を図ったり、プラスアルファのブランド特有の接客やサービスを独自開発したりする必要があります。そのような規模やフェーズの会社さんは、いろいろカスタマイズができるカートがマッチしていると思います。
しかし、初めからそれを目指しすぎると、かなりのメンテナンスコストがかかるので、今のフェーズや目標としている数字に見合うカートを選んでいただきながら、少しずつリプレイスする方法が一番良いのかもしれません。
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佐々木 弊社では、一緒に走ってもらう経営コンサルの方もいますが、EC事業のサイズ感によってカートを大きくしていく必要があるということをよく言っています。
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渡邉 最初の立ち上げから、数100億まで賄えるカートシステムは世の中に存在していない気がします。今後リプレイスすることを想定しながら、できるだけ長く使えるカートを選ぶという考え方が大事です。
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佐々木 事業者の方は、ECも売上規模と一緒に成長できるということを頭に入れながら進めていただけるとありがたいです。逆に今、オーバースペックすぎるのであれば、ライトなものに変えるのも良いかなと思います。
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渡邉 そうですね。一旦立て直そうという考え方もとても重要です。
質疑応答:制作スタッフが自社にいない状態で自社ECを立ち上げる際に適しているカートはありますか?
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渡邉 弊最初モールをやられていて、あまりリソースはないけれど、モールで売り上げがついてきたので自社ECを作るといった流れと受け取りました。
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佐々木 本音で答えると、メルカートと言いたいところですが、Shopifyです。例えば、商品の情報をShopifyから楽天に送って販売できるので、一元管理しやすくなります。
ですが最近では、どのカートシステムでも在庫連携システムが付いていることが多いので、各モールと自社ECとの在庫数を統一で管理できるカートがおすすめです。
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知久 モール運用では、在庫切れで機会損失をしないように在庫連携が大事ですよね。カートシステムで在庫管理が担えないとなると、基幹システムで管理をして連携する必要があります。そこが自動でできるのは、モールから始めた場合は、とても便利そうですね。
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佐々木 しかし、Amazonにフルフィルメントで出している場合は、在庫としては分離してしまうので、そのあたりもモールによって違ってきます。また、楽天は商品ページがすごく長いですよね。テキストよりもいかに画像で魅せるかという点が、ほかのカートシステムと違うなと思いながら見ています。
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渡邉 商品の情報や価格、在庫の持ち方など、楽天はデータの持ち方も若干特殊ですよね。
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佐々木 いずれにしても、各システムのなかで売りやすい方法を考えなければいけません。自社のサイトを持つということは、自分たちならではのこだわりを持った売り方ができるはずです。
楽天スーパーセールといったモールのセールの際に、勝手に値引きされずに、自分たちのタイミングでさまざまな施策ができるメリットもあるので、自分たちのサービスのスケールに合うカートが選べると良いですよね。
メルカートは今後、自社決済を導入する予定はありますか?
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渡邉 かなか答えるのが難しいですが、非常に魅力的だと思っています。私たちもやってみたいという思いはすごくあります。例えば、私たちがやることによってより導入しやすい手数料にコントロールできたり、プラスアルファのサービスにつなげられたりするので、とても魅力的なことだと思っています。
しかし一方で、すごくシビアな領域でもあります。決済をやるにはカードのブランドさんとより密な関係を築いたり、カード情報を扱っていくという裏側の事情もあったりするため、少し慎重になりやすい領域です。ですが、とても魅力的なので、検討はしてみたいです。
カート選定や運用を始めようとしている方に対して、アドバイスをお願いします
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佐々木 お問い合わせいただく際に、やりたいことがまとまっているのであれば、テキストやExcel、パワポなどでまとめておいたものを一緒にお問い合わせいただければ、話は早くなるかなと思います。また、やりたい思いだけで、まだ何も決まってない状態からのご相談にも乗っているので、お気軽にワンゴジュウゴまでお問い合わせいただければと思います。
ワンゴジュウゴのECプロジェクト・ECソリューションというところに私が所属していますので、そこにぜひご連絡いただければと思います。
まとめ
今回のセミナーではカート選定と運用のコツについてディスカッション形式で解説していきました。
やりたいことや今のフェーズに対して、マッチしているカートの種類やサービスがあるので、そこを見極めていくのはすごく重要です。運用していても伸び悩みの原因は運用体制や在庫、集客など様々です。数字を見ながら分析をすると同時に、メルカートやワンゴジュウゴさんに気軽にご相談いただければと思います。
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