セミナーレポート いま作るべき顧客体験とは?~ECの集客と同時に取り組むべきCVR向上施策~

株式会社エートゥジェイと株式会社Sprocketは、2022年2月16日(水)に、EC担当者やWebマーケターの皆様を対象とした共催Webセミナー『いま作るべき顧客体験とは?~ECの集客と同時に取り組むべきCVR向上施策~』を開催しました。本記事ではその概略をレポートいたします。

   

セミナー登壇者

  • 株式会社エートゥジェイ
    メルカート事業責任者 / 執行役員
    渡邉 章公

    2010年に株式会社ecbeingへ入社。エンジニアとして様々なクライアントのECサイト構築支援に従事。2016年よりSaaS型のECプラットフォーム構築に参画し、2018年に新サービス『メルカート』を立ち上げ。2020年にグループ会社のエートゥジェイへ事業と共に転籍し、執行役員に就任。

    渡邉写真
  • 株式会社Sprocket
    代表取締役 深田 浩嗣

    2014年 株式会社Sprocket 創業。15年にわたりモバイル領域でのデジタルマーケティングを提供しECを中心に200社以上のWebサイト立ち上げ・改善を実施。2014年、株式会社Sprocketを設立、Web接客手法でコンバージョンを最適化するツール「Sprocket」を開発・販売する。短期的なCVRの向上にとどまらず、中長期的なLTVの向上を支援することを目指している。

    深田氏写真
 

第1部メルカートサービス紹介

メルカートは、ECサイト構築実績13年連続シェア1位の「ecbeing」から生まれた、SaaS型クラウドECプラットフォームです。

多彩な機能性や操作性に優れたUI、万全のセキュリティ、システムの自動更新、集客からCRMまでサポートする専門チームなどを通じて、お客様のECサイトに対するさまざまな課題を解決し、売上向上に繋げます。

パッケージ版であるecbeingへ低コスト・短期間で移行できるなど、将来のEC事業規模拡大に応じた柔軟な対応が大きい特徴といえます。

5段階に分けた場合のEC構築方法

図:5段階に分けた場合のEC構築方法

第2部パネルディスカッション

ECサイト立ち上げ時の集客や売上の方程式など様々な角度からCVR向上施策について株式会社Sprocket 代表取締役 深田 浩嗣と株式会社エートゥジェイ メルカート事業責任者/執行役員 渡邉章公が解説を行いました。

ECの方程式

売上=集客×購入率×購入単価

 

ECの売上を上げるためにはお客様を呼び込み、呼び込んだお客様にどのように買ってもらうか、どのくらいの金額で買ってくれるかということが重要です。こちらの方程式で大事なことは、とにかくお客様を呼び込みどのように接客をするかということです。どれだけ購入率、購入単価を上げたところでお客様が来なければ売上は変わりません。立ち上げたらどうにかなるではなく、集客、接客を真剣に考えなくては売り上げが伸びないため、あらゆるコストをかけてほしいです。

ECの立ち上げ

一般的にはまず集客から取り組まれているケースが多いですが、集客だけではなく接客や購入率を上げる施策も同時に行うことが大事になってきます。呼び込んだ後に接客の部分にある程度力を注いでおかないと数字に変化が出なくなります。また、少しでも改善のプロセスに乗せておかなければ定点観測の分析のデータが集まらず一部だけやっていても異常値ばかり上がり上記の方程式が成り立たない状態になってしまいます。そのため集客と接客は両方カバーしていくべきです。

 

接客というと幅広いですが、その中でも「サイトの強みとなる商品をレコメンドする」ということが重要です。サイトに訪れたお客様に、自分が欲しい情報が得られそうだなと思わせられるかどうかでリピーターになるかどうかが変わってきます。様々なお客様がくる中で一人一人最適な情報をピンポイントでその情報を当てるのは非常に難しいため、色々な情報を作りながら情報にいち早くたどり着かせるということが効いてきます。

王道の集客手法

広告は短距離走、SEOは長距離走、SNS400m走

 

EC立ち上げ初期の段階から集客に予算を投下しなければ売上は上がりません。どのようなお客様を、どんな手段で呼び込まないといけないのかというシミュレーションをして、集客手段を最適なバランスで実行していくということが重要になってきます。

 

広告は掛け捨てですが、最初の瞬発力としては間違いなく必要なものです。商品やブランド、サイトの指名系で入ってくる手前のユーザーを引っ張ってくるには広告をやらないことには当月の集客は起こせないので立ち上げ当時は間違いなく必要なため短距離走と例えています。

広告のみで集客を行っていると集客の資産形成は非常に難しくなってくるため、並行してSEO対策が必要になってきます。サイト構造や様々なキーワードを散りばめて作ったページは資産となり、そのページのSEOが効いてきて上位表示され始めると徐々に集客も伸びていくという流れになります。ただ、タイムラグがあるためすぐには効果が表れないため長距離走のように辛抱強くやる必要があります。

また、SNSに関しては後手に回りがちですが、公式から定期的に情報発信を行うことで徐々にフォロワーを増やし認知を広げることが出来るため、初めから運用体制は作った方が良いでしょう。

 

集客から接客までの一貫性

集客から接客までの一貫性

 

集客した際、どのようなキーワードで流入したかによってお客様の求めている情報は異なります。そのため、キーワードごとに最適なランディングページに着地させ、お客様が欲しい情報をタイムリーに提供するということが非常に重要になってきます。お客様の呼び込みとそれに対する情報量とクリエイティブには一貫性を持たせなければパフォーマンスは発揮されません。しっかりとした連動性を持たせることに気を付けましょう。

ECには情報を探しに来ている

ECに情報を探しに来てる

 

お客様には「このサイトは自分が欲しい情報を持っていそうだな」と思ってもらえるかが重要になってきます。お客様に商品をカートに入れてもらうまでが勝負であり、接客ツールなどを使ってステップの数をどれだけ短く最適な情報にたどり着かせるかを考える必要があります。

また、ある会社の事例では、いわゆる「ブランド理念」のコンテンツを未購入のお客様に意図的にあてるとCVR(コンバージョンレート)が上がるということがありました。会社の考え方を見られているお客様も増えているように感じています。情報を色々散りばめてしまうと離脱客が増えてしまうと心配されがちですが、商品ビューの最上位からレコメンドを挿入するなどする事で、きちんとお客様は欲しい情報としてレコメンドした商品にたどり着かせてあげることが重要です。

迷っているユーザーを取りこぼさない

迷ってるユーザーをとりこぼさない

 

世の中には多くの同じジャンルのサイトがあるので、全てのお客様に直接的にマッチするわけではありません。潜在的に迷っているお客様を一瞬で直帰させないために、どのように接客するかという工夫が大切です。そのためにはAIなど情報量を駆使したパフォーマンスやシナリオ設計が必要になってくると考えています。

 

リアル店舗で店員さんが何気なく行っているような施策は非常に効果が出ています。サイト内で迷っているお客様に対してお声がけを行うなどWEB上でいかにリアル店舗のような接客を再現するかをこだわることが重要です。

 

実店舗の接客から学べることは多い

第3部Sprocket様サービス紹介

株式会社Sprocket はWeb接客によりコンバージョンを最適化し、ユーザーの行動データをベースに一人ひとりに合わせたWeb接客を実現しています。

 

お店の中を見て回っているお客様に声をかけるような感覚で使っていただけるのがリアルタイム接客ツールの魅力を発揮しやすい使い方です。

 

・コンテンツの存在に気づかない

・コンテンツを見ようと思わない

・コンテンツに到達できない

・コンテンツの内容が理解できない

 

フリクションの種類

 

以上4つの問題はユーザーが自己解決しにくいものです。そこに声をかけてご案内するという体験をしていただくことで問題の解決につなげることが可能になります。

第4部Q&A

Q.一般消費者向け(BtoC)と量販向け(BtoB)でECサイトの違いや特徴などはありますか?

  • 渡邉 BtoB向けサイトは既存ユーザーに対してどのようにアプローチするかということが重要になってくるので、2回目以降買いやすくできるかというところがポイントになってきます。 また、BtoBとBtoCでは閲覧される時間帯とデバイスが圧倒的に異なります。そのためBtoBとBtoCのどちら向けに最適化していくかを考えることも必要です。

    渡邉

Q.会員登録をしなければならないサイトとしないサイトの違い

  • 渡邉 サイトの運営計画によって会員制にするかしないかは変わってきます。会員制にすればCRMが有効になるためファン化させやすいというメリットがあります。しかし、確実にCVRは落ちてしまうため、ゲストでもいいので買ってくれる人を増やしていくというポリシーで会員制にしていない会社もあります。

    渡邉
  • 深田氏 なぜ会員登録をしなければならないのか、メルマガ登録をするのかを事前にお伝えすることが会員登録率、メルマガ登録率を上げるコツといえます。登録するメリットをお客様に認識してもらうことによって登録率は格段に上がるのでやるべき施策と考えます。

    深田氏

Q.SaaS型のサイトでの導線の最適化はどのように行うのか

  • 渡邉 一般的にTOPページ、商品一覧、詳細ページがありますが、この組み合わせだけでも様々な導線を作ることが出来ます。どこで一覧を表示させ、お客様にどこで候補を絞り込ませてから商品にたどり着かせるかを設計しています。 カテゴリー分けに関しても、業界の玄人向けのキーワードになってしまい一般の方が分からないような分け方になってしまうケースがあるので、市場の検索ボリュームを分析しキーワード選びからお手伝いさせていただく場合もあります。

    渡邉

まとめ

今回のセミナーではECサイト立ち上げ時の集客や売上の方程式など様々な角度からCVR向上施策に注目してディスカッションしていきました。集客と接客は同時並行で取り組むことで売上向上につながるということ、リアル店舗のような接客を行い、いかに取りこぼしを防ぐかということが重要だということを重点的にお伝えしました。

今後も皆様のECサイト運営がスムーズなものとなるよう積極的にセミナーを開催してまいります。メルカートでは、ネットショップ構築サービス以外にも、企業サイトやマーケティングサービスをご提供し伴走しながらビジネスの成長をお手伝いしておりますのでお気軽にご相談ください。


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