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【セミナーレポート】【EC事業者様向け】最新SEO事情!商品を見つけてもらうためにすべき事
2024年5月22日(水)に、ECサイトの運営担当者、マーケティング担当者を対象とした主催Webセミナー『最新SEO事情!商品を見つけてもらうためにすべき事』を開催しました。本記事ではその概略をレポートいたします。
※2024年5月22日時点の情報となります。
【目次】
セミナー登壇者
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株式会社エートゥジェイ
Webコンサルタント/シニアマネージャー
松本 義之2012年11月に大手SEO会社へ入社し、SEO業界に足を踏み入れ以降現在まで、SEOコンサルタント、Webコンサルタントとして活動を行う。 Web専業広告代理店である株式会社セプテーニ、株式会社アイレップへの出向も経験し、主に大手サイトのコンサルティングに携わる。 不動産ポータルサイト、旅行サイト、クレジット会社サイトなど幅広い業界かつ、大手から中小に至るまで様々な規模のサイトにおけるコンサルティングに従事(対象サイトは200サイト以上) ecbeingのグループ企業となり、ecパッケージ、CMSの設計に関する改善にも参画
検索結果画面の仕様について
現在の検索結果
上記の図が「メンズパーカー」と検索した時の検索結果画面です。
この検索結果は、実は頻繁に変わっています。昔だと、単純にページ名とその説明文のみが表記されていました。
そこからGoogleも色々な要素を加えて変わってきています。
図でピンクの枠を付けておりますが、これがGoogle側で処理している差し込み要素と言われるものです。
画像や動画だったり、関連する質問、個別のサイトも出てきますが、スクロールするとまた商品画像が並んでいます。
単純に検索した際に、その検索ワードに合致するようなサイトを上から順番に並べるだけというのが昔の手法ですけれども、現在はこのように様々な要素が差し込まれています。
そのため、検索結果というもの自体が昔に比べて長くなっているのが現状です。
個別のサイトを黄色い数字で色付けしています。
検索時の結果だと、1位がZOZOTOWN、2位楽天、3位がAmazonです。
昔の認識では1ページ目=10位以内、のような認識があったんですけれども、今は差し込み要素も多く、個別ページは8サイト前後しか出てこないというという事象が起きています。
これ自体は検索のクエリ、検索キーワードによって違ったものになっており、差し込み要素も実際に検索されるキーワードによって入ってくる要素が変わってきます。
キーワードによっては1ページ目に10位まで表示されるものもありますが、ほとんどが9位ぐらいまでしか出て来ないなどの変化が見られます。
まとめると、1つは検索が多様化しているということです。
Google側は検索したユーザーがキーワードひとつ入力したとしても、その裏側に考えられる意図は複数存在しているよね、という風に考えます。
その複数の意図にちゃんと答えられるよう、検索結果に色々な選択肢を用意しています。
そのため、差し込み要素が増えているのです。
先述の通り、1ページ目の量がものすごく多いという状況が発生しているので、単純にデータで見たときに1ページ目に表示されていても、本当にそれがユーザーの目に触れているかは分かりません。
1ページ目の定義が9位なのか10位なのかという話はありますが、順位データで言えば10位以内にあっても、1ページ目に入ったとしても、下の方だと何度もスクロールしないと出てこない状況です。
3点目が、Googleが検索から直接商品に遷移させようとしているところ。
検索結果には図のように「あなたの好みに近い画像をいくつか選んでください」といった要素もあります。
ここで好みに近い画像を選ぶと、好みに近いものをGoogleがパーソナライズして検索結果として出してくるような仕様です。
この機能は日本では今年導入された機能です。後で詳しくお伝えしますが、構造化、商品スニペットで、商品を明示することで表示される仕組みになっています。
Googleで目指したい世界は、検索を通していいユーザー体験をしてもらうことです。
それは結局、サイトに訪問せずともGoogleの中で欲しいものが見つけられて、検索結果で好きな商品がぱっと出てきて直接商品ページに飛べる状態を目指そうとしている。ユーザーにとって最短の道筋を示すことですね。
こういったような動きから考えると、現状のSEOでは、単なるキーワードの上位表示だけでは成果に結びつけづらいという部分を考慮しなければならないと考えています。
なので、1位や2位ぐらいだと目に触れますが、もう少し下の方だとなかなか目に触れなかったり、目に触れたとしても、直接商品詳細への遷移のような枠でないと話にならないという状況になっています。
SEOでどう対応するべきか?
多様な検索ニーズに応えられるコンテンツを作り、Googleに正しく理解してもらうことが大事です。
先述の通り、検索キーワードには複数の意図が込められています。その意図をうまく拾い上げ、検索意図にこたえられるコンテンツ作りをする必要があります。
ただ作っただけではダメで、Googleに理解されるような作りで行う必要があります。
つまり構造化マークアップです。こちらは 構造化マークアップのトピック で詳しくお話しします。
また、ユーザーの検索ニーズに沿ったページ作成とコンテンツ作成も重要です。ユーザーが商品やプロダクト情報にまつわる部分でどういう検索をしてくるか、何が情報として欲しいのか、どういうふうに探しているのかを考えた上で、ページやコンテンツを用意する必要があります。
そして画像に対するalt(オルト)の設定、動画コンテンツ展開の検討です。
検索クエリ(キーワード)によって検索結果が変わりますが、Googleがその問いに対して画像で訴求する方がいい、動画で訴求する方がいいと考えた場合、それらがないと、表示されません。
多様化する検索の枠で、単純に順位が云々という話ではなく、それ以外にも枠が用意されていて、そこに表示させる設定、構造化マークアップをすることで、その多様なニーズに応えた面を捉えに行くという動きができます。
検索結果での表示の変化
補足の説明になりますが、こちらの図は検索結果1位のZOZOTOWNの検索結果です。左上にロゴ、横にローマ字でZOZOTOWNと表記されています。
こちらの仕様も昨年出てきたものです。こうなることで、実際はmeta title(メタタイトル)に「ZOZOTOWN」と入っているにも関わらず、Googleはそれを無視して表記していません。
Googleは重複や同じことを2回することを嫌うため、左上にロゴとサイト名を表示しているのであれば、タイトルに再度表示する必要はないと判断しています。それはひとえにユーザーがそういうものを求めてない、鬱陶しいと思うからそういう動きをするんです。
サイト名がロゴと一緒に表示されているのであれば、表示できる文字数ももちろん限りがあるので、短い方がいいですよね、といった変化です。
SEO的には、これまで当たり前のようにサイト名をタイトルの後ろに付けていましたが、今後少しずつ変わってくるのかもしれません。
スニペットの生成に関するGoogleの説明変化
これまでは、タイトルやタグ内の説明文をベースにページ内容を見ていたのですが、今後は主にページ上のコンテンツを使用して自動的に決定するように変わっています。
これまでも実は、ディスクリプションで書いていた文章をそのまま読み取ってくれないことは発生していましたが、それを明示的にGoogleはディスクリプションなくて、ページ上のコンテンツをベースに考えていきます発表したことによって、ディスクリプションの記述と、実際検索結果に表示される説明文の齟齬は増えていく可能性があると考えます。
ディスクリプションではなく、コンテンツの方から読み取ることによって、コントロールがしにくくなる懸念があります。
ただ、ECサイトの場合、流入の起点になるページは一覧ページですよね。カテゴリの一覧ページだったり、商品一覧だったり。その一覧に関しては、基本的にはディスクリプションが読まれるというふうには予想しています。
何せ、基本的に一覧ページに関してはメインのコンテンツ、テキストコンテンツというのはあんまりないです。そのため、必然的にディスクリプションを参照しないと適切な文章がGoogleでも作成できないと思うので、ECサイト上に関しては今のところ大きく気を使わなくてもいいと思っています。
ただ、記事コンテンツを作っていくとなると、コンテンツそのものが読まれる可能性があるというところは覚えておくことをお勧めします。
Core Web Viatls について
Core Web Vitls(コアウェブバイタル)とは、ユーザー体験です。サイトを使ってる時のユーザー体験を可視化するものとしてGoogleが定義した指標です。
今までは、LCP、CLS、FIDという3つがありました。そのFIDが新たにINPに替わりました。
すでにサーチコンソール上に指標自体は表示されており、ユーザーが取った行動に対してのレスポンスの早さを計測する指標になっていて、FIDも似たような要素を取る指標でした。
INPに関してお話しはしないのですが、この変更に関して、GoogleはSEOの評価を目的とした対応は不要と発言しています。
3つの要素のうち残りもそうなんですが、、SEO評価の影響は高くないです。
あくまで使い勝手の良し悪しを数値化、指標化したものではあるので、参考にはなりますし全く無視はできませんが、どちらかというとユーザーに対して使い勝手がマイナスに感じるかどうかを考えるべきです。
ご自身でサイトを使った上で、動きが悪いな、レスポンス悪いななど。または、思わずもう一回タップしてしまう事象が起きるようであれば、やはりそれは対応が必要です。
これがSEOなのかというとUXかと思いますが、実際サイト速度の話も、ユーザーの離脱率に関わってきたり、巡りめぐってSEOの評価要素に関わってくるケースもあります。なので、著しく悪いところは改善すべきところですね。
構造化マークアップの有用性
構造化マークアップとは?
構造化マークアップとは、Googleのクローラーにテキスト情報やコンテンツ内容を適切に理解してもらう記述方法のことです。
サンプルとして記述してますけれども、決められたルールで記述することで、機械が適切に正しく理解するための情報構造を伝えるための仕組みがあります。
図のように検索結果には様々な差し込み要素があって、テキストの検索結果、リッチリザルト、画像、動画、探索機能など。
こちらの図が検索結果に出てくる表示を拡大したものです。
サイトのロゴが出ているファビコンだったりドメインの表示、パンくずリストの表示がされます。
こちらはは基本的に構造化マークアップを対応することで表示される要素、可変する要素と思ってください。
つまり、構造化マークアップの記述を正しく行い情報を伝えておけば、検索結果での露出が増える可能性がある、もしくはアドバンテージを取れる情報を表示させることができるということです。
ファビコンの表示やサイト名の表示は、実はここ最近の表示ですが、私自身何か検索をした際、それがないと逆にちょっと怪しさを感じるぐらい馴染んでいるように感じます。
そういった意味で言うと、構造化マークアップの対応が足りていないと、信用度が落ちてCTR(クリックレート)が下がる可能性もあります。
こういった表示の要素ってここ数年でどんどん増えていってるんです。そして、構造化マークアップの要素は今後とやはり増えていく可能性があります。
構造化マークアップを記述すること自体にデメリットがほぼありません。
あるとしたら対応工数です。
使っているシステム、パッケージによって使えない記述があったり、対応できないケースもあるとは思いますが、基本的には裏側の、あくまで情報の記述なので表画面に変化が出ることもないですし、機械に情報を正しく読み取ってもらうために対応したほうがいい、と考えます。
情報を伝えることが目的のものなので、書いたからといってGoogleが100%きれいに読み取ってくれないケースもありますし、競合も同じく対応していれば、必ずしも一番先に出てくる訳ではありません。
それでも露出として面が捉えられ、捉えることができる可能性があるので、デメリットではないと思います。
また、先ほども申し上げたように、多様な検索意図に応えることで最短で目的を達成するユーザーを増やすことができます。
特定のキーワードの順位を上げるより、構造化マークアップへの対応は、順位の枠以外で結果に繋がってきたりします。
今までの、単純に上位表示させなきゃいけないという概念からちょっと外れたところへの対策ですね。
上位表示サイトというと、やはり掲載商品数、保有商品数の多い、それこそAmazonや楽天などのモールが多いです。
中小企業の場合、そこと真っ向勝負しないといけないのかというと、そうではないと思います。現実的ではないし、無理ではないけれども、時間もお金もかかります。
現実的な対策として構造化マークアップを対応することにより、上位表示でなくとも違う面での露出が拡大できる可能性があるので、是非とも対応を検討する項目です。
AIコンテンツの取り扱いについて
昨今、生成AIで作られたコンテンツについても話題ですよね。
AIで作られたコンテンツがペナルティなのか、もしくはガイドライン違反なのかというとそうではありません。
Googleは、制作した方法や過程よりも、コンテンツそのものがユーザーにとって有益かどうかを重要視しています。
なので、文章がAIで生成されていたとしても問題ではないんです。ただ、どうしても現状の世の中に出てきているAIの文章生成技術だと、やはり少しおかしな部分があったりします。
じゃあ、それってユーザーにとって有益な情報かというとそうではなく、信頼感がなくなったりします。
生成AIの仕組み上、Web上にある情報をベースに整理して生成し直しています。そうなると、すでに世の中に出ている情報を再編集したような情報になりがちです。これだとコピーコンテンツになる恐れもあります。
AIでコンテンツを作ること自体、ツールを使うこと自体に問題はないのですが、その処理にはひと工夫が必要です。
検索品質ガイドラインというものがあります。これは、Googleでの検索品質を担保するためにチェックを委託されている人がいるのですが、その人たちが使用するガイドラインです。
生成AIの登場でこのガイドラインに追記されたことは、人間が書いたとは思えない不自然な表現や明らかな間違い、事実関係の誤りがあれば信頼性が失われるということです。
サイト上に、「一部記事がAIで作られているので古い情報があります」などが記載されていれば、それも理解しているそうです。
これを踏まえて、やはりAIで生成したコンテンツは十分なクオリティを担保できないと考えられているのではないかと思います。
AIでコンテンツを作成することに全く問題はありませんが、必ず人によるチェックが必要だということです。
ただし、これはあくまで今はの話です。今後AIが人のチェックがいらないような高いクオリティの文章を生成するのであれば人のチェックは要らなくなるはずなんです。Googleも、出来上がった文章が有用で、ユーザーにとって価値のあるものであれば評価すると発表していますしね。
SGEについて
SGEとは、「Search Generative Experience」の略で、検索結果に生成AIによる回答を組み込む仕組みです。
これはまだ試験運用中です。なので、全てのユーザーがこれを見られるという状況ではないいのですが、アメリカでは先行して一部のユーザーで表示される状態になっていて、日本のユーザーもちょっとした手続きを行えば見ることができます。
例えば「受験勉強 コツ」という検索クエリだった場合、これまでは受験勉強のコツが書いてある記事や塾など、サイトが並んでいたと思います。
SGEだと、各サイトを読み込んでAIがまとめて結果を表示してくれるようになっています。さらに、もっと見るをクリックすると、そこから派生するであろう事柄についても生成AIが回答しています。
あくまで今試験運用中で正式版ではありませんが、一番上の枠がAIに変わることで、自然検索の露出が減少します。生成AIが欲しい情報を簡単に分かりやすくまとめることによってサイトに訪問する必要もなくなり、サイト訪問者数もCTRも減少する可能性が高いです。
さらに、試験運用中のデータだと広告より上に表示されているので、、広告成果も低下する可能性があります。
ただしECサイトの場合は、基本的にカテゴリー名の検索、ブランド名+カテゴリー、もしくは商品名の検索が多いですよね。
これらの検索キーワードは、何か答えを求めている訳ではないので表示されないのではと推測しています。
ただ、コラムや記事コンテンツを自社のサイトで展開している場合、影響は出るかもしれません。
ちなみに、この仕様に関しては業界内で様々な議論が上がっています。
Google自体が広告で収益を上げている部分もあるので、会社としては+の話ではなくなると思うんです。これについては何かしら対応を取ってくるんじゃないかと考えています。
だからそういう意味で言うと、広告がより発生しやすいクエリに関しては除外されるとか、そういった制御が入る可能性もあります。
購買クエリに近い購入クエリ、購入意図が見えるクエリに関しては表示されないなどです。
まとめ
今回のセミナーでは、最近のSEO事情と題して、SEOにおける昨今のトレンドや変化をお話ししました。
AtoJでもSEOのご相談やサイト診断を受け付けておりますので、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。
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