eコマース業界で注目を集めるECアプリとは? メリットや成功に導くコツを解説

スマートフォンの普及が進み、多くの方がパソコンではなくスマートフォンからサイトにアクセスするようになっています。

その中でEC業界から注目を集め、導入が始まりつつあるのが「ECアプリ」です。しかし、ECアプリとは具体的にどのようなものなのでしょうか。

ここでは、ECアプリの概要やメリット・デメリット、ECアプリを導入する際のポイントなどを紹介します。

   

ECアプリとは?

市場規模

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf)

 

アプリとは、ECサイトの機能を持ったスマートフォン向けのアプリケーションのことです。位置情報やカメラとの連携、プッシュ通知など、スマホアプリ独自のインターフェースを利用することで、ユーザーの利便性をさらに高めています。

 

近年は、インターネットを利用する際に、パソコンではなくスマートフォンを利用する人の方が多くなっています。※1 また、スマートフォンアプリの利用率はWebブラウザの利用率よりも高い傾向にある点も見逃せません。

 

顧客との接点を増やすための施策のひとつとして、ECサイトのアプリ化が注目を集めているのです。

 

※1 出典:経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」より

https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf

ECアプリのメリット

 

情報を拡散しやすい

スマートフォンのアプリであれば、プッシュ通知によってクーポンやメッセージ配信を行えます。メールマガジンよりも開封率は高い傾向にあるプッシュ通知を活用すれば、顧客に情報を拡散しやすくなります。

ユーザーとのコミュニケーションを取ったり、クーポンを発行して購買意欲を高めたりすることが可能です。

データを取得・管理できる

アプリのインストール直後にユーザー情報を入力してもらうことで、ユーザーのデータを取得できます。利用頻度や購買情報、アプリを使用しているユーザー層といったデータをECサイトの施策に役立てることも可能です。

また、ECアプリを実店舗の会員証のように活用することで、ECサイトと実店舗双方の顧客情報を一括で管理しやすくなります。

スマートフォンの機能も活用できる

アプリがあれば、ブラウザでは活用できないスマートフォンならではの機能を活用することができます。例えば、スマートフォンのカメラと連携したり、SNSへのシェア機能を活用したりするといった施策が考えられます。

 

また、Webブラウザと異なり、アプリ自体はオフライン時に使用できる点も見逃せません。ブラウザ使用時よりも通信量が少ないので、ユーザービリティの向上につながるのもメリットです。

ECアプリのデメリット

ECサイトのアプリ化はメリットだけでなく、デメリットもあります。導入を検討する前に、どのようなデメリットがあるのかも知っておきましょう。

コストが掛かる

スマートフォンのOSは、AndroidとiOSの2つで大半のシェアを占めています。スマートフォン向けアプリは、それぞれのOS向けに開発しなければいけません。導入後にはアプリの運用や改善業務が必要なので、開発や運用工数といったコストがかかります。

また、App StoreやGoogle Playといったアプリストアでアプリを配信する場合は、審査や手続きを通さないといけないといった手間がかかる点にも注意が必要です。

インストールされないと意味がない

アプリを開発したとしても、ユーザーがインストールしてくれなければ意味がありません。インストールまでのハードルが高いのは、ECアプリの大きなデメリットといえるでしょう。

特に、ブランド力のないECアプリの場合は、ダウンロードを促すために強いメリットを用意する必要があります。

ECアプリの作り方

ECアプリの作り方にはいくつか種類があり、開発コストや特徴がそれぞれ異なります。それぞれの違いを知ったうえで、どの方法で開発を進めるか考えることが大切です。

ECアプリの作り方の種類と、それぞれの特徴をご紹介します。

集客の施策を効率的に行うには専門知識が必要で難易度も高く、時間と労力がかかります。

ネイティブアプリ

アプリストアで配信されているものを端末にインストールして使用するタイプが「ネイティブアプリ」です。一般的なスマートフォン向けアプリと聞いてイメージするものの多くが、これに当たります。

オフラインでも一部の機能が使えて、プッシュ通知や位置情報といったスマホならではの機能を活用できるのも魅力です。

 

ただし、開発にかかる費用は高めで、配信するにはストアごとの審査基準を満たさなければいけません。

Webアプリ

Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのインターネットブラウザ上で使え、一般的なECサイトとほぼ同じ使用感で使えるのが「Webアプリ」です。SkypeやYouTube、Gmailなどが、Webアプリの一例として挙げられます。

OSに依存しない、開発費用が掛からない、ダウンロード不要でユーザーが利用できるなどのメリットがある一方で、プッシュ通知など一部機能が使えない場合もあるので注意が必要です。

ハイブリッドアプリ

アプリのダウンロードは必要なものの、一部ページはWebアプリとして表示するなど、ネイティブアプリとWebアプリの特徴を掛け合わせたアプリです。

OSに依存することがなく、端末のカメラ機能などとの連携も可能です。開発費用も低コストですが、アプリの動作は少し遅くなってしまいます。

ECアプリを成功させるためのコツ

ECアプリを開発しても、効果が出るかどうかは別問題です。ECサイトのアプリ化を成功させるためには、以下の点を意識しておく必要があります。

使いやすいアプリを作る

ECアプリのゴールはダウンロードしてもらうことではなく、アプリを継続利用してもらうことです。使いやすいアプリを作ったり、アプリを開きたくなるコンテンツを提供したりといった施策を行いましょう。

 

重く使いづらかったり、インストールしておく必要性が感じられなかったりすると、ユーザーはアプリをアンインストールしてしまう恐れがあります。

アプリの認知度を高める

いくら使いやすいアプリを開発したとしても、アプリがダウンロードされなければ意味がありません。前提として、アプリそのものの認知度を高める必要があります。

メールマガジンで告知する、ECサイト上でアプリへの誘導を行うなど、アプリの認知度を高めてダウンロードにつなげる導線作りが重要です。

ECサイトへ誘導させる

ECアプリの一般的な手法は、アプリからWeb上のECサイトに遷移させるというものです。アプリからWebへの誘導をいかにスムーズに行うかも、ECアプリ化を成功させるためのポイントです。

アプリとECサイト間で顧客情報などを連携させ、情報を一元管理するようにしましょう。企業側は管理コストを減らすことができ、ユーザーもアプリとWebで毎回ログインなどをする必要がなくなるなど、使い勝手が向上します。

ECサイトのアプリ化を活用しよう

スマートフォンならではの機能や操作性を活用することができるECアプリは、今後もニーズが高まって行くと考えられます。しかし、ダウンロードされないと意味がない、開発や運用にコストがかかるなど、ECアプリにデメリットがあるのも事実です。

メリットやデメリットを理解しながら、ECアプリを活用してみてはいかがでしょうか。


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この記事の監修者

株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保

2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

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