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ECサイトの立ち上げを徹底解説!手順や費用、成功のポイントをわかりやすく紹介

「ECサイトの立ち上げを任されたが、何から手を付ければいいのかわからない」——そう感じている担当者の方は少なくありません。
ECプロジェクトが複雑なのは、手順が多いからだけではありません。関係者が多岐にわたるためです。カートベンダー、制作会社、決済代行、物流・配送会社、広告代理店……これだけのパートナーと連携しながら、自社の担当者が「誰が何をするか」を明確にしないままスタートすると、気づいた時には対応漏れが山積みになります。
この記事では、ECサイトを立ち上げる手順を「役割分担」と「落とし穴」の視点を軸に、カート選定後からオープン・運用スタートまで網羅的に解説します。EC事業への参入やサイト立ち上げを計画している担当者の方はぜひ参考にしてください。
EC立ち上げ14ステップ失敗しないEC事業者の役割分担と落とし穴
こんな人におすすめ
・EC構築の流れがわからない方
・各フェーズの作業ボリュームを把握したい方
・社内にECの有識者がいない企業
ECサイト立ち上げ、まず「誰が何をするか」から決める理由
ECプロジェクトには、驚くほど多くの関係者が登場します。カートベンダー、制作会社、マーケティングツールのベンダー、物流・配送会社、SEOコンサル、広告代理店——これらすべてが「EC構築準備」のフェーズに関わってきます。
問題は、関係者が増えれば増えるほど「誰がどの業務を担当するか」が曖昧になりやすいことです。たとえばアウトソースの範囲が広がると、自社の担当者が把握していない業務が生まれ、対応が後手に回ります。データやステータスの受け渡しが複数のサービスをまたぐ場面では、いわゆる「ポテンヒット」——誰も対応していない状態——が発生しやすくなります。
キックオフMTGで確認すべきこと
プロジェクトが動き出す最初のキックオフMTGは、スケジュール共有だけで終わらせてはいけません。重要なのは、プロジェクトのスコープ(範囲)・役割分担・打ち合わせの頻度とタイミングをこの場でしっかりすり合わせることです。
意思決定者・監督者・作業リーダーの出席は必須です。キックオフ後の負荷を左右するのは細かいタスクの話ではなく、「誰が最終判断を下すか」「各部署のキーマンは誰か」という人の話だからです。プロジェクト外の業務との兼ね合いも含めて、計画通りに進められるかを全員で確認しましょう。
また、プロジェクト全体を通じて社内PMへの権限移譲を明確にしておくことが成否を分けます。意思決定権・会議の主導権・タスクとリソースの管理権——この3つを社内PMが持っていないと、ベンダーへの意思決定が遅れ、プロジェクト全体がスタックしがちです。経営層から「この担当者に決定権を持たせる」と公式にアナウンスしてもらうだけで、プロジェクトの推進力は大きく変わります。
モール出店か、自社ECか?立ち上げ前に決めておくべき方針
EC事業の立ち上げを考える際、最初に直面するのが「ECモールに出店するのか、自社ECサイトを立ち上げるのか」という選択です。
ECモールは集客力と手軽さが魅力ですが、一方で販売手数料が発生し、顧客データを自社の施策に活用しにくいという制約があります。価格競争にも巻き込まれやすく、ブランドの世界観を表現するには限界があります。
自社ECサイトはマーケティング施策の自由度が高く、顧客データを蓄積・活用できる点が最大の強みです。ただしその分、集客とサイト運用を自社でリードする必要があり、立ち上げ初期は認知獲得に投資が必要になります。
結論として、中長期的にEC事業を成長させるなら、自社ECの存在は不可欠です。モールへの出店と並行して自社ECを育てていく戦略が、多くの事業者にとって現実的な選択肢といえるでしょう。
※関連記事:自社ECとは?モールとの違いや自社サイトの構築方法、成功のポイントを徹底解説
ECサイト立ち上げの全体フロー ── カート選定後から運用まで14のステップ
カートベンダーを選定した後、実際のECサイト立ち上げは大きく4つのカテゴリーにまたがる14のステップで進んでいきます。それぞれのステップで「誰が何をするか」と「注意点」をセットで押さえておくことが、プロジェクトを失敗させないための基本です。
【プロジェクト全体】ステップ1:進め方の決定・キックオフMTG
前述のとおり、ここで役割・スコープ・打ち合わせ頻度を確認します。資料準備や会議進行はカートベンダー・制作会社が担当するケースが多いですが、意思決定者と作業リーダーの出席は自社側で必ず確保してください。
【ECシステム】ステップ2〜5:ECの概要決定 → 各種契約 → 機能決定 → 業務フロー決定
ECサイトのコンセプト・ターゲット・取り扱い商材を固めたら、決済代行・物流・マーケティングツールなど各種サービスとの契約に進みます。機能要件の決定では、「将来的に何をしたいか」まで見据えて機能を絞ること。最初から全部入りにすると、使いこなせない機能にコストだけかかる事態になりがちです。
このフェーズで最も重要なのが業務フローの決定(ステップ5)です。EC運営には商品情報の登録・更新、ページ作成、カスタマーサポート、受注・出荷管理など多様な業務が伴います。特に受注管理は、注文受付から出荷完了まで複数のサービスをまたぐ複雑なフローになるため、「誰がどのタイミングで何をするか」を事前に文書化しておくことが不可欠です。
アウトソースの範囲が広がるほど関係者が増えます。「倉庫会社が対応すると思っていたが実は自社の仕事だった」というポテンヒットは、このステップで役割を明文化しておけば防げます。
※関連記事:ECカートシステムの完全ガイド。主な機能や種類、カート選びのポイントを徹底解説
【ECデザイン】ステップ6〜8:コンセプト決定 → フォーマットデザイン → コーディング・ルール決定
デザインフェーズでは、ビジュアルの美しさだけを追求するのは危険です。制作会社選定の際は「見た目」だけで判断せず、GTM(Googleタグマネージャー)やGA4(Googleアナリティクス4)などの分析用タグ設定、metaタグなどのサイト情報設定まで対応してくれるかを必ず確認してください。
「ECサイトは立ち上がったが分析ツールが入っていない」という状況は実際によく起きます。オープン後に計測基盤がなければ、何が売れていて何が売れていないかを把握できません。制作会社に「サイト設定の対応範囲を事前にリスト化して提示してほしい」と伝えるだけで、このリスクを大幅に減らせます。
コーディングが完了したら、管理画面から商品情報を登録し、テスト注文でデータ処理・決済・物流連携に問題がないかを確認します。商品点数が多い場合はCSVの一括登録機能を活用し、早めに作業を開始しましょう。
【販促施策】ステップ9〜14:デジタルマーケティング要件定義 → プランニング → 運用準備 → コンテンツ制作 → 運用シミュレーション → 運用スタート
販促フェーズは、マーケティング担当者の作業ボリュームが一気に増えるフェーズです。施策予算の確保・KPIの設定・各種アカウント開設・CRMの設計など、多くのタスクが同時並行で走ります。
特に注意が必要なのがWeb広告のタグ設置です。広告配信に必要なタグはカートベンダーのサポート対象外であることが多く、誰が設置するかを事前に決めておかないと、公開直前で発覚してオープンが遅れるケースがあります。
また、運用スタート後は数値の定点観測が重要になります。アクセス数・CVR・ボトルネックとなっている離脱ポイントを把握し、改善を繰り返すことで売上は着実に伸びていきます。レポートは「自分の仮説検証用の詳細版」と「社内報告用のサマリー版」の2種類を用意しておくと、報告に追われすぎず本質的な運用改善に集中できます。
※関連記事:ECで成果を出すには事業計画が鍵!事業計画書の策定手順やテンプレートを紹介!
EC立ち上げにかかる期間と費用の目安
ECサイトの立ち上げにかかる期間は、選ぶ構築方法によって大きく変わります。無料のカートシステムであれば数時間でオープンすることも可能ですが、それはあくまでスモールスタートの話です。
実務的な目安として、中規模のカートシステムを用いてデザインや機能のカスタマイズを行う場合は、EC選定フェーズで1〜2ヵ月、OPEN準備(制作・初期設定)フェーズで3〜4ヵ月の計4〜6ヵ月を見込むのが現実的です。フルスクラッチのような大規模開発になると数年単位になることもあります。
費用についても、構築方法によって幅があります。
| 費用の種類 | 新規EC立ち上げ(初期コスト) | ランニングコスト(月次) |
|---|---|---|
| 主な内訳 | ECシステム初期費用、デザイン費用、マーケティングツール、決済システム、倉庫・物流手配、人材手配 | ECシステム月額費、マーケティングツール、決済システム、倉庫・配送費、コンテンツ制作費、広告費、人件費 |
| 費用感の目安 | 小規模:100万円以下 / 中規模:200〜500万円程度 | システム・ツール・広告費など規模により大きく変動 |
注意したいのは、初期費用だけを見て判断しないことです。立ち上げ費用を抑えた結果、拡張性が低くてすぐにリニューアルが必要になるケースもあります。将来の売上目標と事業フェーズを見据えて、投資判断を行うことが大切です。
※関連記事:ECサイトの構築費用は?パターン別の料金相場とチェックすべき項目を紹介!
担当者が陥りがちな3つの落とし穴
ECサイトの立ち上げプロジェクトには、経験者でも気を抜くとはまってしまう落とし穴があります。ここでは特によく起きる3つを紹介します。
落とし穴①:「立ち上げ」がゴールになってしまう
ECプロジェクトに使命感を持って取り組むほど、「オープンすること」に意識が向きすぎてしまいます。しかし、ECサイトは公開した瞬間から集客競争が始まります。オープン後の集客施策・CRM設計・KPI管理の計画が立っていない状態でスタートすると、数ヵ月後に「サイトはあるけど売れない」という状況に陥りやすいのです。
立ち上げと並行して「オープン後90日間の施策計画」を作っておくことをおすすめします。最初の集客施策・メルマガ配信計画・SNS発信スケジュールをあらかじめ組んでおくと、オープン直後のモメンタムを最大化できます。
落とし穴②:認知予算とCV予算のKPIを同じにしてしまう
Web広告のプランニング段階でよくある失敗です。新規サイトやブランドはまず「認知」されないことには売れません。認知段階の広告(ブランディング広告・ディスプレイ広告)と、購入に繋げる広告(リスティング広告・リターゲティング)では、求めるべき指標がまったく異なります。
認知用と販売用の広告予算のKPIを同じ(CPAや直接CV)で管理すると、「CVに繋がらない」という理由で認知予算が削られ、売上が伸びなくなっていきます。立ち上げ期は「いくら投資して認知を獲得するか」を別枠で計画しておくことが、長期的な成長の土台になります。
落とし穴③:分析ツールが未設定のままサイト公開してしまう
前述の「デザインフェーズ」でも触れましたが、これは本当によく起きます。GA4・GTMの設定、広告タグの設置——いずれも「誰がいつ設置するか」を明確に決めておかないと、オープン直後に「計測できていない」と発覚します。
立ち上げ時に計測基盤がないと、初動の数値を記録できません。オープン初期のデータは「立ち上げ後の改善」の基準線になる貴重なデータです。設定が漏れると、後から初期状態の比較ができなくなります。「テスト注文の確認チェックリスト」に分析タグの動作確認を必ず含めるようにしましょう。
EC立ち上げ14ステップ失敗しないEC事業者の役割分担と落とし穴
こんな人におすすめ
・EC構築の流れがわからない方
・各フェーズの作業ボリュームを把握したい方
・社内にECの有識者がいない企業
立ち上げ後を見据えたサポート体制の重要性
ECサイトを立ち上げた後、多くの事業者が直面するのが「分析と運用をどう回すか」という課題です。立ち上げ直後はベンダーのサポートを受けながら進められますが、運用フェーズに入ると自社のリソースと判断力が問われます。
メルカートは、ECの立ち上げから運用・成長まで一貫して伴走するサポート体制を備えたクラウドECプラットフォームです。単なるカート機能の提供にとどまらず、日本初(※1)の「AIエージェント一体型DWH(データウェアハウス)基盤」を標準搭載しており、売上の予測・在庫の最適化・顧客ごとの販促施策まで、AIがデータを自動解析してアクションを提案します。
さらに、Web広告運用・コンテンツ制作・SNS支援など、マーケティング面でも専門スタッフが人的サポートを行います。ECサイト構築1年後の平均売上成長率が480%(※2)という実績は、立ち上げから成長まで伴走し続ける体制があってこそ生まれている数字です。
※1:自社調べ。分析から実行までをAIが支援するDWH基盤一体型のクラウドECとして。
※2:サイト公開翌月から1年後の平均成長率、サービス利用1年未満のサイトは対象外。
『メルカート』サービス概要資料
こんな人におすすめ
・メルカートのサービス概要を詳しく知りたい方
・機能や料金プランを知りたい方
・一般的なカートシステムとの比較を知りたい方
「メルカート」によるECサイト立ち上げ事例
スモールスタートで自社ECを立ち上げ(神戸屋)
パンや洋菓子の製造・販売を手掛ける株式会社神戸屋は、コロナ禍を機に新たな販路として自社ECサイトを立ち上げました。社内にECの有識者がほとんどいない状態からのスタートでしたが、メルカートのサポート体制を評価して採用を決定。EC立ち上げ後、前年同月比で約10倍の売上を記録する月が生まれるなど、着実な成長を実現しています。
メルカートで自社ECを立ち上げDtoC事業をスタート(木徳神糧)
米穀製品専門の商社である木徳神糧株式会社は、一般消費者との接点を増やす目的でDtoC型の自社ECを立ち上げました。ECやデジタルマーケティングのノウハウが社内にほぼなかった中、初期コストを抑えてスモールスタートできる点とバックオフィスの操作性を評価してメルカートを選定。約4ヵ月の構築・1ヵ月のテスト運営を経て「コメッツ(KOMETS)」をオープンし、現在はマーケティングサポートを受けながら事業を成長させています。
よくある質問(FAQ)
ここでは、ECサイトの立ち上げに関するよくある質問とその回答についてまとめました。
Q1: ECサイト立ち上げで、社内の役割分担はどう決めればよいですか?
A: まず「何をアウトソースするか」を決め、それ以外の業務を自社担当者に割り当てます。受注管理・カスタマーサポート・商品登録など、定常業務が多い領域は担当者を固定しておくことが重要です。また、プロジェクト全体の意思決定者(社内PM)を一人に集中させ、各ベンダーへの窓口を明確にしておくと、連絡の遅延や対応漏れを防げます。アウトソースの範囲が広がるほど「誰も担当していない業務」が生まれやすいので、キックオフ時に業務フロー図を作成して全員で確認するのがおすすめです。
Q2: EC立ち上げはいつ頃から動き始めるべきですか?
A: 販売開始の目標時期から逆算して、最低でも6ヵ月前にはカートベンダーの選定を開始することをおすすめします。中規模のカスタマイズを伴う場合、EC選定に1〜2ヵ月、OPEN準備(制作・設定・テスト)に3〜4ヵ月かかるのが一般的です。商品点数が多い場合や物流連携が複雑な場合はさらに余裕を持ったスケジュールが必要です。
Q3: カートベンダーと制作会社(デザイン会社)の担当範囲の違いは何ですか?
A: カートベンダーは主にECシステムの提供・機能設定・システム的なサポートを担います。一方、制作会社(デザイン会社)はサイトのビジュアルデザインやコーディングを担当します。重要なのは、GA4・GTMなどの分析タグ設置やmetaタグなどのサイト設定が「どちらの対応範囲か」を事前に明確にしておくことです。この部分が曖昧なままだと、公開直後に計測できないトラブルが発生するケースがあります。
まとめ
ECサイトの立ち上げで成功と失敗を分けるのは、手順の多さよりも「誰が何をするかの明確さ」です。カートベンダー・制作会社・物流・広告代理店と多くの関係者が関わるプロジェクトだからこそ、キックオフの段階で役割分担を明文化し、業務フローのポテンヒットを事前に潰しておくことが、スムーズな立ち上げへの近道になります。
また、「立ち上げゴール」にならないために、オープン後の集客計画・分析環境の整備・KPI管理の仕組みを並行して準備しておくことが大切です。
メルカートは、ECの立ち上げから運用・成長まで伴走するサポート体制と、AIを活用したデータ分析・販促支援機能を備えたクラウドECプラットフォームです。EC立ち上げをご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社メルカート
代表取締役渡邉 章公
クラウドECプラットフォーム『メルカート』の立ち上げメンバーとして、2018年のサービスローンチから事業に携わる。2010年よりエンジニアとしてECサイト構築支援に従事し、2016年からSaaS型ECプラットフォーム事業に参画。2018年に新サービス『メルカート』を立ち上げ、2020年に株式会社エートゥジェイの執行役員、2024年に取締役を歴任。2025年の事業分社化に伴い株式会社メルカートの代表取締役社長に就任。現在は中堅・大手企業向けクラウドECとしてメルカートを次世代のCXプラットフォームへと進化させ、事業者と消費者をつなぐ新しい価値の創出を目指している。
専門領域:クラウドEC、ECプラットフォーム、SaaS事業開発、CX、BtoB / D2C / BtoB EC

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