メタバースECとは?従来のECとの比較、導入メリットや注目される背景を解説

メタバースECとは、メタバース(仮想空間)内で商品やサービスを売買する電子商取引のことです。

 

従来のECサイトとは異なり、アバターを介して仮想空間でショッピング体験を楽しむことができます。

 

本記事では、メタバースECの特徴や従来のECとの違い、合わせて導入のメリットや普及している背景について解説します。

 

近年注目されているメタバースECについての理解につながりますので、ぜひご一読ください。

 

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メタバースとは

メタバースとは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のことです。

 

ユーザーはアバターを介して他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、様々な活動をしたりすることができます。

 

ビジネスや教育分野での活用も期待されており、オンラインイベントやバーチャルオフィスなど、現実世界と似たような体験を仮想空間で実現できます。

 

メタバースECとは

 

メタバースECは、インターネット上の3D空間にあるお店で、歩き回って商品を見たり店員(アバター)に相談して、そのまま買えるネットショッピングのことです。

 

この章では、メタバースECとはの定義や従来のECとの違いを解説します。

 

メタバースECの定義

メタバースECは、インターネット上の3D空間にある仮想のお店で買い物ができるしくみです。

 

自分の分身(アバター)で店内を歩き回り、商品をいろんな角度で見て、スタッフに質問し、その場で支払いまで完了できます。

 

ふだんのECと会員情報や在庫がつながるため、PCやスマホから、特別な機器なしでも気軽に使えます。

 

メタバースECと従来のECの違い

従来のECは、検索して一覧から商品ページを開き、写真やレビューを見てカートに入れる“平面”の買い物が中心です。

 

メタバースECは、3Dの店内を歩き、店員や他の来場者と会話し、試着やライブ接客にも参加できる“体験型”になっています。

 

サイズ感や置き場所のイメージをつかみやすく、イベントで楽しみながら選べるのが大きな違いです。

 

メタバースECのメリット

メタバースECは事業者にとっても大きなメリットがあります。

 

本種では、メタバースECのメリットについて解説します。

 

実店舗のような接客で高いコンバージョン率が見込める

メタバースECでは、アバターのスタッフが来店と同時に声かけし、サイズや色、似合う組み合わせまでリアルタイムで提案できます。

 

商品を360度で確認しながら疑問をその場で解消できるため、迷いによる離脱が減ります。

 

体験から決済まで同一空間で完結し、まとめ買いやセット提案もしやすく、実店舗に近い高いコンバージョン率が期待できます。

 

新規顧客の獲得が期待できる

距離や営業時間の制約がなく、地方在住や忙しい生活者、外出を控える層にもリーチできます。

 

限定イベントやコラボ空間、来店スタンプなどの施策はSNSと相性が良く、話題化による自然流入を生みます。

 

友だち同士で来店・共有できる体験は紹介を促し、会員登録やアプリDLなどの新規獲得につながります。

 

出店費用や運用コストを抑えられる

常設店舗の家賃・内装・什器が不要で、3Dアセットを一度作れば季節ごとの売場づくりやポップアップ展開に再利用できます。

 

モール型やSaaSを使えば初期開発を抑えられ、24時間営業と自動計測で運用効率も向上します。

 

EC倉庫からの直送と連携すれば在庫を持たずに販売でき、人的配置もピークに合わせて最適化できます。

 

バーチャル商品も販売

アバター用の衣装やアクセサリー、限定スキン、デジタル会員証やフォトフィルター、バーチャル空間への入場権など、現物を持たない商品を販売できます。

 

原価や物流コストが小さく在庫切れの心配もありません。

 

実物商品の購入特典や先行入場と組み合わせることで、ファン化とLTVの向上を図ることができます。

 

メタバースが注目される背景

メタバースは近年非常に注目されています。

 

技術の進歩とともに、EC・エンタメ・コミュニティが一体となった新しい購買体験の広まりも支えており、ユーザーの期待も高まっています。

 

この章では、そんなメタバースが注目される背景について解説します。

 

メタバースの市場規模

世界的に関連投資が増え、ゲームやSNS、ライブ配信など“体験型コンテンツ”が牽引しています。

 

EC分野でも、アパレルや家具、コスメを中心に期間イベントから常設運営へと広がり、商品体験とコミュニティ形成を同時に実現できる場として注目度が上がっています。

 

広告やライブコマースとの連動で収益源が多様化し、継続的な成長が期待されています。

 

XR技術などのテクノロジーの発展

メタバースが注目される背景には、VRを中心にAR・MRを含むXRの実用化がいっきに進んだことがあります。

 

過去にもメタバースが話題になった時期はあったものの、技術水準や利用環境が不十分で広く定着しませんでした。

 

いまはデバイス性能や開発基盤が向上し、回線の高速化も進んだことで、誰でも気軽に仮想空間へアクセスしやすくなっています。

 

結果として利用者が増え、仮想空間でのコミュニケーションが活発化し、一過性ではない継続的なコンテンツとして評価されつつあります。

 

新たなビジネスチャンス

メタバース上では、実物商品の販売だけでなく、アバター用アイテムや限定空間への入場権など“体験そのもの”も商品化できます。

 

ブランドの世界観を生かしたイベントやコラボ、会員向け特典の拡張でファン化を促進し、LTVの引き上げが可能です。

   

メタバースECを構築する方法

メタバースECの作り方は大きく2つあります。

 

既存のメタバースECモールに出店する方法と自社で独自のサイトやアプリを開発する方法です。

 

メタバースECを構築する際は、目的や予算、運用体制などで適したものを選ぶことが重要になります。

 

ここでは2つの構築方法について紹介いたします。

 

メタバースECモールに出店

最短で始めやすく、初期費用や開発負担を抑えられます。

 

会員・在庫・決済といった基本機能がそろい、イベント機能や分析も標準搭載のことが多いため、短期キャンペーンやPoCに向いています。

 

一方で、デザインや導線の自由度が限定され、手数料やデータ取得の粒度に制約が出る場合があります。

 

まずは「出店申請→3Dアセット準備→在庫・決済連携→運営テスト」の順で立ち上げ、反応を見て改善していきます。

 

自社独自のメタバースECサイトやアプリを開発する

体験設計やブランド表現の自由度が高く、独自のKPI設計や会員・アプリとの深い連携が可能です。

 

WebGLやゲームエンジンを使い、EC基盤やCRM/MAと統合して"自社ならではの購買体験"を作れます。

 

その分、初期費用と期間、運用体制の確保、セキュリティや負荷対策などの責任が増えます。

 

まずはミニマム構成でβ版を公開し、イベントや機能を段階追加して本格展開へ移行する流れが現実的です。

 

メタバースECの事例

続いて、メタバースECの事例を紹介します。

 

コクヨ

LINEミニアプリをECで活用するメリット

 

コクヨは2022年6月22日、凸版印刷のメタバースショッピングモール「メタパ」に仮想店舗「KOKUYOショップ」を開設しました。

 

巨大なテープのり「ドットライナー」を模した店舗内をアバターで歩き回り、文具やオフィス家具を360度からチェックできます。

 

一部は動きや内部構造まで再現され、実物の使い勝手を想像しやすいのが特長です。

 

さらに、働く・学ぶ・暮らすをテーマにした自社WEBメディアの特集記事を読める情報エリアも用意し、商品理解とコンテンツ体験が同じ空間でつながります。

 

ARで自宅やオフィスに置いたイメージを重ねて試すこともでき、購入前の不安を解消。

 

買い物そのものを「面白い体験」に変えることで、イベントや展示へと広がる余地も生まれ、メタバースECの魅力を直感的に味わえる取り組みです。

 

参照: 「KOKUYOショップ」をメタバース上にオープン

BEAMS

BEAMSは、VRChat上で開催される業界最大規模のイベント「バーチャルマーケット」に繰り返し出展しています。

 

出展時は実店舗をメタバース内に再現し、来場者は店内を歩き回りながら、スタッフが操作するアバターによる接客を受けつつ、実在アイテムやアバター用3D衣装を“その場で試着”できます。

 

クリックでサイズや位置を調整でき、友だちと一緒に体験を共有できるのも魅力です。

 

さらに2024年5月にはVRChat内に常設ワールド「TOKYO MOOD by BEAMS」をオープンします。

 

夜の東京をテーマに、BEAMSの店舗に加えて居酒屋やミュージックバーなどの空間も用意し、落ち着いた雰囲気の中で会話とショッピングを楽しめます。

 

イベント×常設の二本柱で、“着る・見せる・集う”体験を広げ、購買とファン化の両立を目指す取り組みです。

 

参照: 世界最大のVRイベント『バーチャルマーケット2023 Winter』に 7度目となるBEAMSメタバース店が出現!

 

NIKE

NIKEは2021年12月、仮想スニーカーブランドのRTFKTを買収し、翌年には共同のデジタルスニーカー「Cryptokicks」を発表しました。

 

Dunkをベースに、見た目を変える「Skin Vials」NFTで自由にカスタマイズでき、二次流通でも高額取引が生まれるなど大きな反響を得ています。

 

保有者は対応するARやSnapchatでアバター着用を楽しめるなど、所有体験も広がっています。

 

さらにアプリ「SNKRS」では、指定画像を読み込むとAR表示→アンロック後に購入できる施策も実施。

 

探して見つける”ゲーム性で、デジタルと実物の購買体験をつなぐ取り組みです。

 

参照: RTFKT x Nike Dunk Genesis CRYPTOKICKS - コレクション |オープンシー

 

メタバースECと両立した運営を可能にする「メルカート」

メタバースECの運営を考えている方にとって、自社ECなどの既存ECの運営を両立することは一つの課題となっています。

 

メルカートはそんな両立した運営も可能にする要素を兼ね備えたECプラットフォームです。

 

ノーコードCMS×AIで更新作業を時短

商品追加や特集公開が多い運営でも、ノーコードCMSでページを直感的に作成・更新できます。

 

生成AIが問い合わせ文面の校正や、登録商品情報からのSEO有効要素・商品コメント・検索キーワードを自動生成します。

 

ブログ/ページ管理も備わり、複雑なレイアウトや動画埋め込みまでコード不要で対応できるため、制作・運用の工数を大きく削減できます。

 

あらゆるデータと統合可能

メルカートは、注文・会員・ポイント・商品・在庫を扱える標準APIを備え、基幹/ERP、WMS、POS、CDPなど外部システムとスムーズに連携できます。

 

さらに、配送ラベルや受注・在庫一元管理など周辺ツールとも接続可能です。

 

オンライン/オフラインのデータを一元化して分析・施策に活かせるため、購買やリピート施策まで一貫した運用を実現します。

 

売上アップを目指せる充実のサポート

効率よく売上を上げたいなどといった課題には、メルカートの経験豊富な専任スタッフが個別相談や定例レビューで対応します。

 

販促シナリオの作成、施策結果の読み解きまで伴走してくれるため、EC運営が初めての担当者でも安心です。

 

プラットフォームの機能とノウハウをセットで活用することで、顧客生涯価値(LTV)の最大化と売上アップをスピーディーに目指せます。

 

メルカートのサポートを詳しく見る

 

まとめ

この記事ではメタバースECについて紹介しました。

 

メタバースECは、ネット上の3D空間で接客や試着を体験しながらそのまま購入までできる“体験型のEC”で、従来ECとの違い・導入メリット・注目の背景、さらにモール出店/自社開発の構築ポイントを押さえることが成功の近道です。

 

記事内でご紹介した「メルカート」は、やりたい施策を叶える高機能なクラウドECプラットフォームです。

 

ご利用中のECシステムに限界を感じている方や、マーケティング面のコンサルティングをご希望の方はお気軽にご相談・お問い合わせください。


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この記事の監修者

株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保

2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

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