ペルソナ設計とは?ECサイトにおけるペルソナの重要性をわかりやすく解説!

WebマーケティングやECサイトの運営などに携わったことがある方なら、「ペルソナ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

 

通販サイトやネットショップなどのECサイトを運用する上で、効率的に顧客に商品を訴求するためにはペルソナ設計が重要です。

 

しかし一方で、
「そもそもペルソナとは?」
「ECサイト運営にペルソナ設定は必要?」
「ペルソナ設計の方法や手順は?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では、ECサイトを運営する上で覚えておきたいペルソナの基礎知識や設定手順、ペルソナマーケティングに役立つサービスをわかりやすく解説します。

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ECサイトにおける「ペルソナ」とは?

ECサイトにおける「ペルソナ」とは?

 

ECサイトにおける「ペルソナ」とは、自社商品・サービスを購買・利用する顧客のなかでも「もっとも象徴的な顧客像(人物モデル)」を意味し、ペルソナを用いたマーケティング手法を「ペルソナマーケティング」と言います。

 

ラテン語で「人格・位格」を意味する「persona」に由来し、ギリシア劇で使用される仮面を指して用いられていましたが、それが転じて架空の人物像を指すマーケティング用語として用いられるようになりました。

 

ECサイトでマーケティング戦略を立案・実行するうえでは、ペルソナの設計が非常に重要となります。自社が保有する顧客データや市場調査、アンケートやヒアリングなどの定量・定性データを基にペルソナを設計することで、効率的かつ精度の高いマーケティング施策につなげることが可能です。

 

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナとしばしば混同されがちなキーワードに、「ターゲット」があります。

 

マーケティングにおけるターゲットとは、ユーザーの集団を年齢や性別などの属性で分類し、自社商品・サービスを訴求したいユーザーにセグメントを絞り込んだものを意味します。

 

つまり、ターゲットは年代や性別などの属性による大まかなグループであり、同じターゲット内であっても異なる人格を持つ複数のユーザーを内包しています。一方のペルソナは固有の人格を持つ1人の顧客像であり、ターゲットをさらに絞り込んだものだと言えます。

ペルソナを設定する際に必要な項目

ペルソナを設定する際には、その人物の性別や年齢といった属性だけでなく、趣味嗜好やライフスタイル、人間関係など、具体的な特徴・特性まで細かに絞り込んでいきます。

 

ECサイトにおけるペルソナ設定で用いられる主な項目としては、以下のようなものがあります。

 
  • 氏名…(例)山田 花子
  • 年齢…(例)32歳
  • 性別…(例)女性
  • 学歴…(例)大卒
  • 職業…(例)会社員(営業職)
  • 役職…(例)一般
  • 年収…(例)420万円
  • 居住地…(例)東京都渋谷区
  • 家族構成…(例)独身
  • 性格…(例)社交的で好奇心旺盛。流行やトレンドに敏感。
  • 趣味…(例)ドラマ鑑賞・カフェ巡り
  • ライフスタイル…(例)平日は仕事が忙しく外食中心。休日は友人とショッピングや旅行に出かけることが多い。
  • 悩み・不安…(例)外食が多いため食生活の乱れが気になる。
  • 情報収集手段…(例)友人からの口コミ・InstagramやYoutubeなどのSNS など
 

上記はあくまで一例であり、販売する商品やサービス、マーケティング戦略によってはさらに多くの項目を設定したり項目を細分化したりします。

ECサイトで「ペルソナ設定に意味はない!」は本当?

こんなに細分化してしまっては、ネットショップで商品が売れなくなってしまうという不安を持つ方々も多いようです。

 

実際、ECサイトでは「ペルソナの設定なんて不要で意味がない」「売れる対象を狭めているだけだ」という、少々乱暴な意見を耳にすることすらあります。はたして本当にそうなのでしょうか?

 

すべての消費者に対して画一的な手段を用いる「マスマーケティング」が、あらゆる局面において正義であるというのは、趣味趣向が細分化された現在では限界を迎えつつあります。

 

大量消費・大量生産・情報の圧倒的露出を前提としたマスマーケティングが決して悪という訳ではありません。実際に大きな面・フィールドをとれる可能性は十分にありますが、マスマーケティングの実施は莫大な予算を前提としています。

 

「誰にでも」「どんな人にも」がマスマーケティングならば、「あなた」に対して訴求するパーソナライズドマーケティングの第一歩がペルソナの設定です。明確なペルソナ設定は、「ユーザー目線のECサイト」を作ることにもつながるのです。

ペルソナ設計の例

ペルソナ設計の簡単な例をあげてみましょう。

 

あなたは40代のサラリーマンです。仕事が忙しく、夕食は毎日23時過ぎという生活。そんなライフスタイルのせいか、お腹がぽっこり出てきてしまい、現在ダイエットに大変興味があります。

 

そんな時、たまたま見つけた通販サイトに以下の3種類のキャッチコピーがあった場合、あなたはどの商品を選びますか?

 
  • A)どんな人にも、老若男女に効果がある〇〇ダイエット食品です
  • B)ランニングの効果を爆発的に高める、アスリート志向の〇〇ダイエット食品です
  • C)仕事が忙しく深夜に食事をとる方向け! ビジネスマンの味方〇〇ダイエット食品です
 

ペルソナ設計の例

 

へとへとになって仕事から帰ってきて深夜に食事をとり、運動なんてとてもじゃないという方であれば、Cを選ぶケースが多いのではないでしょうか。

 

また、活力にあふれ、どうしてもあと1か月で痩せたい、仕事で帰宅が遅くなってもランニングをして早く何が何でも痩せたい! という方であれば、C、もしくはBに心が奪われることでしょう。

 

このようにWebサイトの読み手、訪れたユーザーに「自分のことだ!」「自分に向けた商品だ!」と思ってもらえれば、現在の趣味趣向が細分化されたユーザートレンドにマッチした通販サイトを展開することができます。

 

「みんな」「誰でも」という売り方自体は、決して間違いではありません。しかし、前述通り趣味趣向が細分化されやすい傾向にある今日では、ペルソナを設定することが非常に効率的で有利に働くのです。

ペルソナを設定するメリット

次に、ECサイトを運営するにあたってペルソナを設定するメリットを見ていきましょう。

ユーザー目線でのサイト構築や施策立案が可能

ペルソナを設定する最大のメリットとして、ユーザー目線のECサイト設計やマーケティングが行えるという点が挙げられます。

 

ペルソナを具体的に設定しておくことで、自社ECサイトをどのように知ってもらうのか、何に興味を抱いてくれるのか、購入のハードルとなるのは何か、といった仮説を立てやすくなります。ペルソナの目線に立って自社商品の認知から購入までのシナリオを描くことで、ユーザーにとって使いやすいECサイトへと改善したり、効果的なマーケティング施策を立案したりすることができるでしょう。

関係者間で認識のズレを防ぐことができる

おおまかなターゲットを設定しただけでは、担当者間や部署・部門間、あるいはパートナー企業との間で思い描くユーザー像にズレが生じてしまう恐れがあります。そうなると、施策の方向性が定まらなかったり、認識のすり合わせに多くの工数を要してしまったりと、マーケティングの精度や施策実行の効率が低下してしまう可能性が高まります。

 

一方、関係者間の共通認識としてペルソナを設定していれば、認識のズレを防ぎつつ効率的かつ建設的な戦略立案・実行が可能になります。

 

たとえば、異なる立場の関係者が集まってマーケティング施策を検討するミーティングの場などで、
「こういうとき、ペルソナの〇〇さんはどう感じるかな?」
「〇〇さんなら、こっちのキャッチコピーの方が共感しそう!」

など、同一の人物像を思い描きながら施策を立案していくことができるでしょう。

ペルソナ設計の基本的な手順

次は、ECサイトのペルソナを設計する際の基本的な手順をご紹介します。

 

【ペルソナ設計の手順】

  • ターゲットの明確化
  • データの収集
  • ペルソナの作成
  • 施策の実行と効果検証

ターゲットの明確化

記事の前半でも触れた通り、ペルソナはターゲットをより詳細かつ具体的に絞り込んだ人物像であり、まずはターゲットを明確にすることが大切です。

 

すでにECサイトや実店舗を運営している場合には、実際の顧客のなかでも多くの割合を占める顧客属性をターゲットとして設定しましょう。ゼロからEC事業を始めるのであれば、扱う商材やブランドコンセプトなどをもとにターゲットを設定します。

データの収集・分析

より細かな人物像を設定するために、ターゲットに関するデータを収集します。

 

ECサイトに蓄積された顧客データやアクセスデータを解析する方法のほか、自社で実施あるいは第三者機関が公開している市場調査を活用したり、設定したターゲットを対象としたアンケートを実施する方法などが考えられます。

 

また、営業担当者や店舗スタッフなど、実際に顧客と接点がある社内メンバーにヒアリングするのも有効です。

 

さまざまな方法でターゲットに関する定量・定性的な情報を収集することで、根拠に基づくペルソナ設計が可能になります。

ペルソナの作成

収集したデータをもとに、ペルソナを設計していきます。

 

年齢や性別といった基本情報はもちろん、趣味嗜好や行動パターンなど詳細にプロフィールを設定していきましょう。また、どのような経緯で情報収集を行い自社商品を認知するに至るのかというストーリーまで作り込むことで、その後の施策立案にもつなげやすくなります。

施策の実行と効果検証

ペルソナを作成したら、それを基にマーケティング施策を計画し実行に移しましょう。

 

そのうえで、実施した施策は有効だったのか、実際に購買に至ったユーザーと作成したペルソナに大きな乖離はなかったかなど、効果検証を行います。

 

効果検証の結果を踏まえて施策内容を見直し・改善し、必要に応じてペルソナを調整・再設計しましょう。

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ペルソナ設定の注意点

次に、ペルソナ設定を行う際の注意点を見ていきましょう。

客観的なデータに基づいてペルソナを設定する

ペルソナは、できるだけ客観的なデータに基づいて設定していくことが大切です。

 

主観的なイメージや思い込みを反映してしまうと、実際の顧客と乖離したペルソナになりかねません。 イメージで設定したペルソナがすべて誤っているわけではありませんが、客観的データに基づいたペルソナを設定することで、より精度の高いマーケティング施策につなげられる可能性が高まります。

必要に応じてペルソナをアップデートする

あらゆる物事が目まぐるしく変化していく現代、ECサイトにおけるペルソナも随時アップデートしていくことが大切です。

 

極端な例として、30歳会社員のA子さんというペルソナを15年前に設定していたとしましょう。A子さんはネット通販を積極的に活用し、PCから商品を購入することを好む性格です。

 

実際、スマートフォンが普及していない15年前は、ネットショッピングを行うほとんどのユーザーはPCから商品を購入していましたし、当時のペルソナとしては何の問題もありませんでした。

 

しかしスマートフォンが普及した現在、ネットショッピングを利用する大半のユーザーはPCではなくスマートフォンから商品を購入しているという統計があります。にもかかわらず、15年前に設定したペルソナに基づきECサイトを運用していれば、当然ながらミスマッチが生じます。そのECサイトは実際のユーザーにとっては使い勝手が悪く、商品の購入にはつながりにくいと言えるでしょう。

 

また、設定したペルソナが現実の典型的な顧客とは乖離がある可能性も否定できません。 ペルソナはあくまで架空の顧客像であり、いくら検討を重ねてペルソナ設計を行ったとしても、マーケティング施策の優れた効果に直結するとは限らないのです。

 

そのため、一度設定したからといってペルソナをそのままにするのではなく、実際のマーケティング施策の効果検証を繰り返して、必要に応じてペルソナを再設計することも大切です。

BtoCとBtoBで設定が変わる

BtoC、BtoBなど、マーケティングの種類にかかわらず、ペルソナ設定は重要な役割を持ちます。しかし、BtoCとBtoBでは購買に至るまでの意思決定プロセスに大きな違いがあるため注意が必要です。

 

たとえばBtoCでは、基本的にユーザー本人が情報収集や比較検討を行い購入するかどうかを決定します。

 

一方でBtoBの場合、購入・成約に至るまでに複数の人物が関与して最終的な意思決定を行うのが一般的です。たとえば、上司に命じられた担当者が情報収集を行い、稟議書を作成して上司に提出し、上司や関係部署の担当者、最終決裁者の承認を経て成約、といった流れです。そのためBtoBにおいては、意思決定に関わる複数人のペルソナを設計するべきだと言えるでしょう。

ペルソナマーケティングを実践するなら「メルカート」

ここまで、ECサイトにおけるペルソナの重要性や設定方法などを解説してきましたが、ペルソナを設定しただけでは意味がありません。設定したペルソナに対して有効な施策を立案・実行し、集客やコンバージョンにつなげていくことが大切です。

 

また、施策の精度を高めていくためには、蓄積したデータを分析してペルソナの見直し・再設計を行うことも必要です。

 

一方、はじめてECサイト運営を担当する方や、少人数でECサイト運営を行っている方々にとっては、施策の立案・実行や顧客分析などに手が回らないことも珍しくないでしょう。

 

そのような方におすすめしたいのが、顧客分析から施策実行まで一気通貫で実現できるクラウドECプラットフォーム「メルカート」です。

 

次は、ペルソナマーケティングの実践に役立つ「メルカート」の特徴をご紹介します。

顧客分析から施策実行まで一気通貫で実現する機能群

「メルカート」は、ECサイト構築実績No.1のECパッケージ「ecbeing」から生まれたクラウドECプラットフォームです。

 

「ecbeing」の標準機能をクラウド上で利用することができ、集客や販促、会員獲得に向けた施策の実行から顧客分析までを一気通貫で実現することができます。また、日々のEC運営業務を効率化する機能も豊富に備わっており、オプション機能の追加や外部ツール連携にも柔軟に対応いたします。

 

そのため、ペルソナに基づく施策の実行から効果検証・改善、そしてペルソナの再設計まで、PDCAを回しつつ効率的に取り組むことが可能です。

 

さらに、EC事業の成長に合わせてパッケージ版の「ecbeing」へと短期間かつ低コストで移行することができるので、将来的なEC事業の成長を見据えつつスモールスタートしたいという事業者にもおすすめです。

売上アップを目指せる充実のサポート

「メルカート」の特徴として、充実のサポート体制も挙げることができます。

 

お客様のご要望にしっかりと耳を傾け、豊富な実績・ノウハウに基づきお客様に合ったECサイト構築をご提案いたします。ECサイトの構築工程においては、初期セットアップからデータ登録、各種機能の使い方などのトレーニングを実施。ECサイトのリリース後も、専任のカスタマーサクセスチームがお客様の疑問や不明点を解消し、売上アップに向けたマーケティング面のご相談にも対応いたします。

 

さらに、Web広告運用やコンテンツ支援、SNS・CRM支援などのサービスもご用意しているので、少人数でEC運営を担当している場合や、初めてのECサイト運営でも安心して売上アップを目指すことができます。

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まとめ

今回は、ECサイトにおけるペルソナに焦点を当て、意味やメリット、設定手順などについて解説してきました。

 

ペルソナを設定することで、ユーザー目線での効果的な施策立案や関係者間の認識のズレ防止に役立てることができます。

 

そして、記事内でご紹介した「メルカート」は、充実の機能とサポート体制で効率的かつ精度の高いペルソナマーケティングを実現可能です。

 

ECサイトのペルソナ設計やマーケティングに課題を感じている事業者の方は、ぜひ「メルカート」の活用をご検討ください。


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この記事の監修者

株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保

2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

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