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ECサイトの維持・運営にかかるランニングコストはどれくらい? 節約する方法とは

年々勢いが増しているECサイト(ネットショップ)市場。無料でECサイトを構築できるサービスも増えつつあり、低コストでクオリティの高いサイトを開設できるようになりました。
しかし、ECサイトは構築したら終わりではありません。「売上は伸びているのに利益が出ない」「思ったよりランニングコストが高かった」という声はEC担当者から頻繁に聞かれます。維持や運営にかかる継続費用を事前に把握しておかなければ、想定外の出費が積み重なります。
この記事では、ECサイトの運営にかかるランニングコストを「維持費」「運営費」に分けて整理し、見落としがちな落とし穴や、コストを抑えるための方法まで解説します。
ECサイトのコストを徹底紹介
初期とランニングの『ECコスト大全』
ECサイトの立ち上げ・リニューアル・ランニングにかかる費用をご紹介します。
こんな人におすすめ
・ECサイト構築・リニューアルのコスト感を把握したい方
・EC運営のランニングコストを知りたい方
・どのような費用項目があるのか知りたい方

【目次】
ECにかかるランニングコストの全体像
ECサイトのランニングコストは、大きく「維持費」と「運営費」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
維持費とは、ECサイトをWeb上で動かし続けるために必要な固定的なコストです。ECシステム利用料・インフラ費(サーバー・ドメイン・SSL)・決済手数料・保守費用・PV/CDN課金などが該当します。
運営費とは、実際に商品を販売・プロモーションするために発生するコストです。販売手数料・マーケティングツール費用・配送・梱包費用・コンテンツ制作費・広告費・人件費などが含まれます。
いずれも毎月発生し続ける費用のため、構築費用と同様に事前にしっかり試算しておくことが重要です。また、固定費と従量課金(売上・注文数に連動する変動費)が混在しているため、売上規模が変わるとランニングコストの総額も大きく変動します。
※関連記事:【2026年版】ECサイト構築の費用相場・内訳は?規模別の適正コストと選び方
ECサイトの維持にかかるランニングコスト
ECサイトを維持するには、さまざまなコストがかかります。ECサイトの維持にかかるランニングコストを、それぞれご紹介します。
ECシステム利用料
ECサイトを運営するには、商品を探したり、カート(カゴ)に入れたり、購入の手続きをしたりするためのECシステムが欠かせません。システムの利用料は、ECサイトの構築方法やベンダーによって大きく異なります。大まかな月額の目安は以下のとおりです。
ECモール:AmazonやなどECモールでは、出店にかかる月額の固定費と、売り上げに応じた手数料、システム利用の手数料がかかります。
ASPやクラウドEC:ASPで無料〜数万円、クラウドECで数万円程度が月額の目安です。カートシステムによっては、販売手数料や事務手数料を別途設定していることもあります。
パッケージ:利用するシステムやカスタマイズの度合いにもよりますが、月額数十万円のシステム利用料がかかることが一般的です。
落とし穴:トランザクション(注文数)ごとの従量課金形態のECシステムの場合、注文数が増えるほど手数料が膨らみます。固定費と従量課金が二重にかかるシステムも存在するため、事前に自社の注文数・売上規模でシミュレーションしておくことが重要です。
インフラ費用(サーバー・ドメイン・SSL)
パッケージやオープンソース、フルスクラッチといった方法で構築したECサイトを運営するには、サーバー・ドメイン・SSLをそれぞれ用意する必要があります。ASPやクラウドECではこれらがシステム利用料に含まれることが多いですが、パッケージやオープンソースでは別途契約が必要です。
サーバーは性能によって費用が異なりますが、年間数千円から数万円程度。ドメインは取得するドメインの種類にもよりますが、年間数百円から数千円ほど。SSLサーバー証明書は年間10,000〜90,000円程度が目安です。
落とし穴:安価なサーバーを選ぶと、セール時やTV出演時などアクセスが集中した際にサーバーダウンする可能性があります。サーバーの費用はスペックとセキュリティ強度に直結します。また、セキュリティ更新を費用面で怠ると、顧客情報の流出につながり、1件あたり数万円規模の補填が発生した事例も存在します。
決済手数料
ECサイトの売り上げを伸ばすには、さまざまな決済方法に対応する必要があります。クレジットカードやコンビニ決済を導入する際に決済代行サービスを利用すると、売り上げの3〜4%程度を代行会社に支払うことになります。ASPカートは、クレジットカード決済が基本機能として搭載されていることもありますが、その際も決済手数料がかかる点に注意が必要です。
落とし穴①:後払い請求で追加費用がかかる:後払い決済を導入している場合、購入者への請求書送付に際して郵送でもメールでも「請求書送付代金」を請求される決済システムも存在します。
落とし穴②:3Dセキュアを入れないと不正注文リスクが高まる:月額5万円程度のセキュリティ強化サービスである3Dセキュア。コストを惜しんで導入しなかった結果、不正注文が多発してから入れる事業者も多くいます。初期導入を強くおすすめします。
落とし穴③:クレジットカード会社が補償してくれないケースがある:クレジットカード会社によっては不正注文の補償がない場合もあります。その場合は全額補償など別契約での保険加入を検討しましょう。
保守・管理費用(サポート費用)
ECサイトは、オープン後も保守や管理を続けなければいけません。自社で全てを管理するのであれば不要ですが、システムを開発した会社に保守を委託する場合は、保守費用がかかります。ECサイトの規模や機能によって具体的な月額は異なりますが、数万〜数十万ほどが目安です。
落とし穴①:まだオープン前なのに保守費用が発生する:ECが完成する前から保守費用を請求してくる会社も存在します。また、サポート費用が保守費用とは別になっているケースもあるため、事前に保守・サポートの範囲を確認しましょう。
落とし穴②:デザインテンプレートをカスタマイズするとサポート対象外になる:自社の独自性を出したくてデザインテンプレートを変更したら、サポートが受けられなくなる場合があります。カスタマイズ可能な範囲を事前に把握しておくことを推奨します。
PV/CDN課金・サーバー増強費
ECプラットフォームによりPV(ページビュー)数やCDN(データ通信量)で上限が決まっていることがあります。上限を超えると追加料金の発生や固定費用の増額もあるので、どの程度がプラン内に収まっているのか事前確認が必要です。
また、セール実施時やTV出演時など期間的にアクセスが増加する際に、サーバー増強の調整費用が必要になることもあります。ビジネスチャンスを逃さないよう、トラフィック予測と適切な課金プランの選択がコスト効率を最大化するポイントです。
ECサイトの運営にかかるランニングコスト
ECサイトを運営していくにあたって必要なランニングコストは、維持管理の費用だけではありません。取り扱い商品などにも左右されますが、配送費や商品の撮影費、人件費などは、どのようなサイトにおいても発生します。
販売手数料
ECサイトで商品やサービスを販売する際にECプラットフォームに支払う手数料です。例えば無料開設で有名なネットショップBASEの場合、商品がひとつ売れた際に販売手数料6.6%+40円となり、Shopifyの場合は約3.4%ですが月のランニングコストとして数千円〜数万円ほどかかります。手数料率はECプラットフォームによって異なり、売上高や提供されるサービスによって変動することがあるため、プラットフォームの契約条件や公式サイトを必ず確認しましょう。
マーケティングツール費用
パーソナライゼーションツール・メール配信ツール・MA(マーケティングオートメーション)ツール・BI(データ分析)ツール・SEOツールなど、売上を伸ばすためのマーケティングツールにもランニングコストがかかります。
主な費用は、サービス月額利用料(固定費)と、配信数・PV・購入数などに応じた従量課金です。ツールの種類や規模によって大きく異なりますが、複数のツールを導入すると固定費が積み重なるため注意が必要です。
落とし穴①:ECシステムとのデータ連携で追加開発コストが発生する:BIツールやパーソナライゼーションツールなど、ECシステム内の顧客データと連携して使うツールの場合、連携するための開発コストがECシステム側にかかります。
落とし穴②:想定外の従量課金が発生する:ECサイトに搭載するチャットボットなどの接客ツールの場合、直接の購入の後押しをしたとは思えない行動でも、経由で注文したとみなされて課金対象になるケースがあります。料金体系を事前にしっかり確認しましょう。
落とし穴③:実はECシステムの標準機能でまかなえる:導入したECシステムに標準搭載されている機能でまかなえることがけっこうあります。個別ツールを契約する前に、まずECシステムの標準機能を確認することをおすすめします。
配送・梱包費用
ECサイトで売れた商品を、自社で配送しているケースは多くありません。一般的には、配送業者に依頼することになります。具体的な配送料は商品の大きさや配送先によって異なり、メール便や郵便なら1つ数百円、大きな商品で1,000円程度が目安です。クール便での配送が必要な商品は、300円程度追加で費用がかかります。
また、段ボールや緩衝材といった梱包資材も必要です。段ボールは1枚100円程度を見込んでおくと良いでしょう。単価の安い商品だと、配送費用がかさんで利益が上げられないこともあるため、送料を加味して価格を決める場合は正確なシミュレーションが不可欠です。
コンテンツ制作費
商品ページに掲載する商品写真・バナー・LP(ランディングページ)などのコンテンツ制作費も、継続的にかかるランニングコストの一つです。マーケティングツールを活用する場合、おすすめした場所や商品へ誘導するための着地ページが必要になり、細かく設定するほど必要なコンテンツも増える傾向にあります。
アパレルや雑貨は、使用シーンをイメージしやすいようにモデルを依頼した写真撮影を行うことも多くなります。外注するのであれば、1商品あたり数千〜1万円程度の予算を見込んでおきましょう。規模が大きくなってきたら、外注ではなく内製化を検討することをおすすめします。
広告・プロモーション費用
ECサイトは、オープンするだけで自然とユーザーが来てくれるものではありません。サイトや商品を知ってもらうには、広告の出稿やSEO対策など、集客のための施策も大切です。特に自社ECは顧客がいない、または少ない状態から始めることになるため、広告やマーケティングにはコストをかける必要があります。売上の10〜20%程度を見込んでおくのが一般的です。
広告の運用やSEO対策は、マーケティング会社に代行を依頼することも可能です。運用代行を依頼する場合は、手数料やコンサルティング料がかかります。
人件費
実店舗と同じく、ECサイトの運営でも人件費を欠かすことはできません。特に、商品をピックアップして発送できる状態まで梱包する「発送業務」は、作業のスピードに限界があるため、多くの人手が必要になります。自社のECサイトの注文数を予測したうえで人員を確保しないと、余計なコストがかかってしまうため注意が必要です。
また、コールセンターも、専任の担当者を置く人件費や、コールセンターの家賃、通信機器の導入・維持費などを全て含めると大きなコストがかかります。ユーザー数や問い合わせの数・内容などを考えて、内製するか委託するかを検討すると良いでしょう。
ECサイトのランニングコストを抑える方法
ECサイトを運営していくうえで、ランニングコストは必ず発生します。余計なコストを抑えるためには、以下のポイントを意識することが重要です。
構築時点で必要な機能を明確にする:ECサイトに機能をたくさん追加すると、初期費用だけでなく、保守費用やシステムの利用料もかさんでしまいます。必要な機能を明確にして、自社商品や規模に適したシステムで構築すると良いでしょう。
マーケティングツールを個別に契約する前にECシステムの標準機能を確認する:メール配信・パーソナライゼーション・BIなど、ECシステムに標準搭載されている機能でまかなえることは少なくありません。個別ツールを積み上げるとランニングコストが急増するため、まずは標準機能の範囲を把握することが節約の第一歩です。
固定費と従量課金の構造を事前にシミュレーションする:ECシステム利用料・決済手数料・マーケティングツール費用はいずれも固定費と従量課金が混在しています。自社の注文数・売上規模の成長見込みに合わせて、3〜5年のトータルコストを試算してからシステム・ツールを選定することが重要です。
ただし、価格が安いからと拡張性や機能性に乏しいカートシステムでサイトを構築すると、「やりたい施策ができない」「機能が足りない」といった問題に直面する可能性があります。将来のことも見据えて、必要な機能を追加できるかどうかも確認しておきましょう。
ECカートはランニングコストも含めて選定を
ECサイトの維持・運営には、多くのランニングコストがかかります。「ランニングコストが思った以上に高くなり、売り上げは伸びているのに利益が出ない」といった事態に陥る可能性も捨てきれません。構築費用に目が行きがちですが、中長期的にどれくらいのコストがかかるのかを試算することが重要です。
メルカートは、マーケティングツール(パーソナライゼーション・メール配信・MA・BI・SEO)をECシステムに内包しているため、個別ツールの月額費用を積み上げずに済みます。また、クラウドEC(SaaS型)のためインフラ維持費・セキュリティ更新費がプラットフォーム側に含まれており、ランニングコストの予測が立てやすい点も特長です。予算や要望に合わせて最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
ECサイトのコストを徹底紹介
初期とランニングの『ECコスト大全』
ECサイトの立ち上げ・リニューアル・ランニングにかかる費用をご紹介します。
こんな人におすすめ
・ECサイト構築・リニューアルのコスト感を把握したい方
・EC運営のランニングコストを知りたい方
・どのような費用項目があるのか知りたい方

よくある質問(FAQ)
ここでは、ECサイトのランニングコストに関するよくある質問とその回答についてまとめました。
Q1: ECサイトのランニングコストには何がありますか?
A: ECシステム利用料・インフラ費(サーバー・ドメイン・SSL)・決済手数料・保守費用・マーケティングツール費用・配送費・コンテンツ制作費・広告費・人件費などが挙げられます。維持にかかる固定費と、売上・注文数に連動する変動費が混在しているため、自社の規模に合わせて事前にシミュレーションしておくことが重要です。
Q2: ランニングコストを抑えるにはどうすればよいですか?
A: まず構築時点で必要な機能を明確にし、不要な機能を追加しないことが基本です。次に、個別のマーケティングツールを契約する前にECシステムの標準機能で代替できないかを確認しましょう。また、固定費と従量課金の構造を事前にシミュレーションし、3〜5年のトータルコストで比較することが重要です。メルカートのようにマーケティングツールをECシステムに内包しているプラットフォームであれば、ツールの個別契約費用も削減できます。
Q3: 決済手数料の相場はどのくらいですか?
A: クレジットカードやコンビニ決済などの決済手数料は、一般的に売上の3〜4%程度が目安です。ただし、決済システムによって固定の月額利用料が別途かかる場合もあります。また、後払い決済では請求書送付代金が別途発生するケースや、不正注文への補償がない場合があるため、契約内容を事前に細かく確認することをおすすめします。
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代表取締役渡邉 章公
クラウドECプラットフォーム『メルカート』の立ち上げメンバーとして、2018年のサービスローンチから事業に携わる。2010年よりエンジニアとしてECサイト構築支援に従事し、2016年からSaaS型ECプラットフォーム事業に参画。2018年に新サービス『メルカート』を立ち上げ、2020年に株式会社エートゥジェイの執行役員、2024年に取締役を歴任。2025年の事業分社化に伴い株式会社メルカートの代表取締役社長に就任。現在は中堅・大手企業向けクラウドECとしてメルカートを次世代のCXプラットフォームへと進化させ、事業者と消費者をつなぐ新しい価値の創出を目指している。
専門領域:クラウドEC、ECプラットフォーム、SaaS事業開発、CX、BtoB / D2C / BtoB EC

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