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セミナーレポート 売上UPでも利益が減少!?マルチチャネル展開を成功させる秘訣とは
株式会社エートゥジェイとHamee株式会社は、2022年6月8日(水)に、EC担当者やWebマーケターの皆様を対象とした共催Webセミナー『売上UPでも利益が減少!?マルチチャネル展開を成功させる秘訣とは』を開催しました。本記事ではその概略をレポートいたします。
セミナー登壇者
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株式会社エートゥジェイ
メルカート事業責任者 / 執行役員
渡邉 章公氏2010年に株式会社ecbeingへ入社。エンジニアとして様々なクライアントのECサイト構築支援に従事。2016年よりSaaS型のECプラットフォーム構築に参画し、2018年に新サービス『メルカート』を立ち上げ。2020年にグループ会社のエートゥジェイへ事業と共に転籍し、執行役員に就任。
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デジタルマーケティング局長
座間 保氏2007年に株式会社エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、デジタルマーケティング局の創設と統括を行う。
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Hamee株式会社
アカウントマネジメント部 マネージャー
日橋 正義氏楽器メーカー、文具メーカーを経て2008年Hamee(当時名称ストラップヤネクスト)へ入社 Hameeにて当時の法人営業部(卸販売)部門で雑貨量販店本部を担当、東京営業所の立ち上げを行い、量販店本部担当部署を設立。 2014年より配置転換、サポートセンターでの研修を経て、ネクストエンジンユーザー様への機能説明から運用コンサルを開始し年間100社以上対応。 現在はアカウントマネジメント部にてセールスの責任者とアライアンスを担当し、パートナー企業様との連携でユーザー様のカスタマーサクセス実現に向け活動中。
第1部【メルカート】サービス紹介
ECの領域でツールを使いこなしてビジネス展開を一会社としてやっていくというのは非常に難しくなってきています。メルカートは豊富な機能性と同時にどのように活用していくかというサポート領域を含めて、モノとコトをワンストップで提供できるようなサービスを目指しています。
様々なEC課題に対応
メルカートをご利用いただいている約7割のお客様がECを初めて始めるお客様です。多くのお客様が少人数から始められて、ECをしっかりと組み立てながらスピード感を持って構築していくという特徴があります。
メルカートが選ばれる理由
我々はカートシステムを提供するだけではなく、デザインの制作から広告マーケティング支援の部分まで幅広くワンストップで行っております。そのため、事業者が色々な代理店の方々とコミュニケーションをとって走らなければならないというロスをなくして、二人三脚で出来るような体制を組んでおりますので、ECの専門スタッフというところを評価いただいてメルカートを選定いただいております。
売上を上げるための機能
特に注目いただきたいことは、売り上げを上げる機能群を豊富に取り揃えていることです。人でどうにか売上を上げるというだけでなく、売上に追随するような機能性も必要と考えています。サイトを接客、分析をし、CRMに繋げていくという、機能とそれを支援する体制もあることが特徴的な所です。
機能を掛け合わせていくことにより、お客様のセグメントをきることが可能になります。グループそれぞれに施策を打ち、様々な追客やフォローアップをし、分析しながらPDCAを回すことが出来ます。
使い続けられる安心を提供
我々はecbeingと二人三脚で業界最高水準のセキュリティを持ち、クラウドサービスとして事業のアップデートを行い、EC業界初の東証一部上場(東証プライム上場)という看板を背負い、使い続けられる安心を提供しています。これからもお客様の満足度を支えながら、ビジネス展開や事業展開をしていきたいと考えています。
第2部 パネルディスカッション
「売上UPでも利益が減少!?マルチチャネル展開を成功させる秘訣とは」
サイトを運営している事業者には非常に興味深い内容をマーケティング面から、どのようにEC事業を設計していくのか。その後どのように運用を効率化していくのかをHamee株式会社 アカウントマネジメント部 マネージャー 日橋正義氏と株式会社エートゥジェイ デジタルマーケティング局長 座間保が解説しました。
2大コストの人件費とマーケティングコストを効率化し、利益を最大化するためにとるべき施策とは
利益=売上-コスト
アクセス数、CVR、客単価に関しては、マーケティング費用にインパクトを非常に与えやすいです。そのため、以上3つの数字をしっかりと上げ、マーケティング費用を抑えていき、効率を良くしていくことが利益を残すためには非常に重要です。
コミュニケーション設計
AtoJではコミュニケーション設計について、顧客に進んでほしいストーリーを予め設計し、期待通りの行動をとってもらうために適切な場所で広告配信やコンテンツ接触をしてもらうマーケティング戦略と考えています。
コミュニケーション設計を部署横断で行い、内容のすり合わせを行うことにより、社内に共通のゴールを持てるようになります。また、それにより顧客に一貫性のあるコミュニケーションをとることが可能です。会社として1つのメッセージングをしてゆく際、関連部署が共通のゴール設定をしてコミュニケーションを走り出すことにより、全社で共通したコミュニケーションをとることが出来るようになり、アクセスしていただけるお客様のデータの質も上がってきます。そのため、社内的には予算確保がしやすくなり、対外的には集客力が上がったり、CVRが上がったりなどの効果が見られるようになり、データドリブンのマーケティングが出来るようになってきます。
全体最適
3C分析を用いり外部環境の分析をかけ、どのような人が、どうして自分達のECで買い物をしてくれるのか解釈をしていきます。その解釈をサイトコンセプトや訴求メッセージに落とし込み、アウトプットしてコンセプトメイキングやキーメッセージを作っていきます
ターゲットの深堀
どのような人が購入しているのかをペルソナに落とし込み、どのような購入ハードルがあるのか、どのような不安を抱えているのかというのをSEOや広告のキーワードに落としていくことが大切です。
ペルソナだけ組んでも、どのようなタッチポイントでそのメッセージを受け取ってくれるのかが分かりません。そこでカスタマージャーニーを作成し、その人たちがどこでこの情報と接触しているのかを考えながらタッチポイントとコンテンツを決定していくという流れで戦略から戦術に落とし込むところまで行って参ります。
ここで決めたペルソナとカスタマージャーニーを使い、キーワード設定やどのようなメディアでどのようなコンテンツを当てていくかが決まった段階で、どのようなスケジュールで進めていくのかを時系列で認知から刈り取りまでストーリーをもってお客様にメッセージを伝えるかを落とし込んでいきます。
このデータだけですと、お客様の行動や購買データが分かりません。そのため、ロイヤルカスタマーの方々により好きになっていただくための方法や、これから好きになっていただく方々のハードルは、どのようなところにあるのかを考えながらコミュニケーションや打ち手を考えていくということに全社を挙げ、ステークホルダーの方々を巻き込みながら取り組んでいくことにより、全社最適化させながらコミュニケーション設計をしていきます。
戦略を施策に落として改善し、PDCAを回していく
不足しているコンテンツがあれば制作、質の高いデータを獲得、分析まで行い、PDCAを回していき、よりデータの精度やコミュニケーション精度をシャープにしていきます。PDCAを回すことにより、効率化を図ることが可能です。
効率が良くなり売上がついてくると、高効率で刈り取れる顧客のコストがある程度決まってきます。つまり、高効率で獲得できる売上にも上限が来てしまいます。そのような時、私たちは販売チャネルの追加をご提案しています。
利益面で見ていくと、販売チャネルを増やした分だけ人件費(運用コスト)が上がってきてしまうため、次は運用コストを効率化させていかなければなりません。ネクストエンジンなどツールを入れながら、バックオフィスの運用効率を上げる提案もさせていただき、ビジネスを支援させていただいています。
多店舗展開する際に気を付けるポイントは?
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日橋氏 専任担当を付けずに、社内ルールを明確にすることが重要です。多店舗展開していると、店舗専任担当の方がいる場合、独自のルールを作ってしまいがちです。そうすると、データの一元管理も出来ず、店舗が増えれば運用コストも上がる一方になってしまいます。
属人化させないことを気を付けずに売り上げが拡大してしまうと、店舗が増えるたびに独自の商品コードが増えてしまうなど、後戻りできなくなります。書き換えにもコストが発生します。バックヤードの業務は、担当が居なくても誰でも出来る業務が多いので、明確なルールを決めることが1番の近道といえます。
どのくらいの売り上げ規模から多店舗展開を考えるべき?
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座間 商材の金額やマーケットの規模、客単価の部分がそれぞれ異なるため一概には言えませんが、高効率でマーケティングを回していく場合、一定のところでROASの上限が来てしまいます。ブランド名などの指名系のワードの広告にお金をいくらかけても、消化しないような金額になってきます。そのような時は、少し違うユーザー層を獲得していく段階になっていくと思いますので、多店舗展開、多チャネル展開を提案しています。
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日橋氏 ネクストエンジンを導入しているクライアントさんですと、月間出荷数が400件程度になる事業者が多店舗展開を考えられています。その規模ですと、だいたい1.2名程度で問い合わせ~出荷業務までを行っている場合が多いので、1日の出荷件数は20件程が上限になってきます。
それ以上になると販促に手が回らなくなってしまいますので、一元化システム導入を考えのる際も、20件程度を目安にしていただければと思います。
運用負荷が下がる以外にメリットはある?
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日橋氏 10人で運用を行っていたところを5人に減らすこと出来たという声も頂きます。そのため、マーケティングなど売り上げを上げる部門へ人を回すことができるようになります。今まで受注処理や出荷作業を担当していた方々は商品知識があるため、それを生かせる部署へ配置転換をすることも可能です。エンドユーザーとのコミュニケーションの時間を取ることも創出できるようになり、ブランドとして力がついてくると考えます。
本店のみ派と多店舗派に分かれるけど、どっちがいい?
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座間 先ほどの計算式でお話しすると、本店のみ運営の場合は販売チャネル数の部分を購入回数に置き換えることもあります。その場合、CRMで1回のみの購入者へ複数購入していただけるような施策に落とし込んでいきます。顧客とのコミュニケーションと顧客をより知れるというところは本店のメリットです。
一方で商圏が決まってしまっているので、新たな商圏へアプローチをするためにはモール出店をした方が新しいユーザーを捕まえやすいというメリットがあります。そのため、どのようなビジネスの課題感があるかによって本店のみか多店舗展開かを選んでいくことが最良です。 -
日橋氏 ネクストエンジンを導入する事業者は多店舗展開をしていることが多いですが、実際には本店のみでもネクストエンジンを導入している事業者もいらっしゃいます。お客様と親密に、一緒にブランドを作りたい考えの事業者は本店派のイメージです。売上アップや新規獲得の部分ではモールは力もありますのでやはりどちらが正解かと思います。
第3部【ネクストエンジン】サービス紹介
ネクストエンジンについて
受注管理機能
受注管理機能は各サイトより受注データを取得すると、出荷の可否を自動的に判別する仕組みです。受注の効率化とミスを未然に防ぐことが出来る機能があります。届いた受注データに不備があった場合や未入金の場合にアラートを出したり、問題がなく確認する必要がないデータは出荷待ちまで自動的にジャンプしたりする仕組みになっており、スタッフの方々は全ての注文に目を通す必要はなくなるようなサービスです。
また、確認しなければならない事項は受注伝票へ記載がありますので、一目瞭然で処理ができ、操作にもガイドが出てきますので、明確なルールをネクストエンジンで作ることにより業務効率化を図ることが出来ます。
納品書の作成や送り状のデータを一括での吐き出しや、ヤフーショッピングの有料配送に対応するためのヤマト運輸のフルフィルメントサービスや楽天のロジスティックサービスへ自動的に出荷データを送る機能もあります。
出荷が終わると、APIで自動的に情報が連携され、受注データに送り状番号が自動的に登録される仕組みになっています。その後確定処理を行っていただくことにより、ステータスが出荷済みに移動し、お客様へ出荷メールが自動送信され、ステータス完了が自動的に終了するようになっています。外部倉庫を使っている場合などは出荷後のフォローが自動的に完了する仕組みです。
在庫の連携
在庫連携はネクストエンジンに在庫登録をすることにより、24時間365日各サイトに同じ在庫数を表示することができ、1サイト1サイト在庫調整が必要なくなるようになります。
また、在庫数の割合表示や指定在庫数の設定も可能ですので、プロモーションやブランディングで本店サイトだけ在庫数を多くし、本店とモールのすみ分けを在庫連携から行うことも可能です。
ページ管理機能
ネクストエンジン上に商品マスタを登録すれば、一括で複数のモールに出店することが可能です。それぞれのサイトに出店登録をすると統一しないページが出来上がってしまうことがありますのでルールの一本化という意味でも、ネクストエンジンのルールで行っていただくことになります。
販促の自動化
メール送信に関しても、受注確認メールからフォローメールまで全体で5通自動送信や手動で条件に合わせて一括送信することが出来るフリーメール機能もあり、メール送信も部分も簡略化できるようになっています。
また、自動送信メールにレコメンド機能も追加でき、サンクスメールや出荷連絡の際、メール下部におすすめの商品を表示することが可能です。
Hameeの送信実績でも開封率50%、クリック率2%、CV率23%アップの実績が出ていますので、自動メールに関してマーケティングの自動化、販促の自動化をお手伝いできる仕組みになっています。
ネクストエンジン料金体系
料金は従量課金制になっており、毎月の受注件数が400件までは10,000円(税抜き)です。401件目からは1件25円(税抜き)の課金が始まりますので、使った分だけ頂くような料金プランになっています。
ネクストエンジンアプリについて
運用や受注処理などで様々要望がある事業者の方々もいらっしゃいます。そこで、ネクストエンジンアプリを用意し、こちらで自動化できる仕組みをとっています。
地域ごとの発送方法の変更や特定期間の購入者へプレゼントの自動同封などの対応をすることが可能になります。
出荷予定日、商品コードなどを指定し、プレゼントする商品コードを追加することやコメントを見て商品を追加すること出来ます。また、追加する商品に関しては、受注数分や追加金額などを設定することも可能です。
倉庫を分けて出荷する事業者も増えていますので、入ってきた受注に対して倉庫別に自動振り分けすることも可能です。
TePS連携で業務効率化ツールをノーコードで
ネクストエンジンとTePsを導入していただくことにより、Googleのスプレッドシートとの連携も可能になります。例えば、住所不備があり確認待ちで止まっていたお客様へTePsを使っていただくと、不備の旨のメールをお客様へ自動的に送信されます。お客様がグーグルフォームから正しい住所を入力すると、ネクストエンジン上でも自動的に更新される仕組みができ、不備があった場合購入者自身に変更していただくという自動化も出来るようになりました。
Q&A
従業員1から10名、20名に増えていく実例を教えてください。
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渡邉 人を増やしたときにオペレーションを単純に増やすことはあまり良くない戦略です。日橋さんからもお話があったように、店舗ごとに属人的な担当者を付けていくことも良くないことです。そのため、得意なことはシステムに任せ、増えたら増えた分だけどのようにPDCAを回していくかを考えることに人を割いていくことが重要です。
まとめ
今回のセミナーではECのマルチチャネル展開を成功させる秘訣についてメルカートとネクストエンジンそれぞれのサービス紹介を含めて解説していきました。運営していくチャネルが増えていくと業務が煩雑になるため、早い段階からの統一ルールを確立しなければなりません。また、バックオフィスの運用効率を上げるためにも様々なサービスの中から自社の課題に適切なものを選択し解決していくことは販路拡大に大きく貢献していくことと思います。
今後も皆様のECサイト運営がスムーズなものとなるよう積極的にセミナーを開催してまいります。メルカートでは、ネットショップ構築サービス以外にも、企業サイトやマーケティングサービスをご提供し伴走しながらビジネスの成長をお手伝いしておりますのでお気軽にご相談ください。
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