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ECデータ連携とは?データ連携するメリットや連携手法、注意点を解説

EC業界では、多様なチャネルや販路の増加に伴い、商品の在庫や受注・顧客情報の管理が複雑化しやすくなっています。そのため、顧客体験(CX)を向上させるためには、ECサイトと他システムとのデータ連携がますます重要になっています。
データ連携が可能になることで、商品情報や在庫、受注データなどがリアルタイムで同期され、業務効率や顧客対応品質の向上につながります。
本記事では、なぜデータ連携が欠かせないのか、連携させるメリット、連携対象となる代表的なシステム、事前に確認したいポイント、事例などを初心者にもわかりやすく整理して紹介します。
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データ連携が重要な理由
データ連携とは、異なるツールやシステム間でデータを共有し、一元的に管理・活用する仕組みやプロセスを指します。
例えば、ECサイトと在庫システム、CRM、受注管理などがサイロ化(孤立)していると、部門や店舗ごとにバージョンの異なる同一データが複数存在しがちです。その結果、手作業が増え、入力ミスや整合性エラーによる業務の煩雑化、意思決定の遅れ、ビジネス機会の喪失につながります。
また、データ連携を導入すれば、商品情報、在庫、受注、顧客情報などをリアルタイムで統合・同期でき、正確性と一貫性が維持される上、管理の業務効率が格段に向上します。結果として、業務の自動化、一連の意思決定スピードアップ、コスト削減、顧客対応の質向上など、企業の競争力を高めるうえで不可欠な基盤となります。
このように、ECサイト運営におけるデータの分断を防ぎ、整合性あるリアルタイム反映を実現することで、業務効率の向上と顧客体験の質向上を同時に追求できます。
データ連携するメリット
データ連携することで、ECサイト運営の信頼性・効率性・顧客体験の質を高めるなどメリットがいくつかあります。
作業量の削減
データ連携を導入することで、複数のシステムに対して同一の情報を手入力する必要がなくなります。受注・在庫・商品情報などを自動で同期できるため、手作業にかかっていた時間が大幅に削減され、スタッフはより付加価値の高い業務に集中できます。
これはオペレーションの効率化とコスト削減に直結し、業務プロセスのスピードアップに貢献します。
ミスの削減
手動入力による誤字や重複登録、整合性不備といった人的ミスのリスクが、データ連携の自動化により大きく軽減されます。統一されたデータ基盤により、情報の食い違いやバージョン違いを防ぎ、常に正確で一貫性のあるデータが維持されます。
結果として、誤出荷や在庫誤報告のリスクも低減し、信頼性の高い業務が可能となります。
一貫性のある顧客体験を実現
統合されたデータがCRMや注文情報、購買履歴と連携されることで、顧客に対してリアルタイムかつ整合性のある情報を提供でき、購買体験が一貫します。
例えば、顧客が異なるチャネルを利用しても注文履歴やポイントが統一され、パーソナライズされたコミュニケーションやクロスセル提案が可能になります。
これにより、顧客満足度やロイヤリティの向上につながります。
ECサイトとシステムの連携方法
以下の図は、それぞれのシステム連携方法と特徴、利用例になります。特性と適用シーンがあるため、自社の運用体制や目的、予算・スケールに応じて最適な手段を選定すると効果的です。
連携方法 | 特徴 | 利用例 |
CSV | 簡易・低コスト、バッチ処理 | 商品マスタ一括更新 |
API | 即時更新、高い連携性 | 在庫・注文情報のリアルタイム同期 |
EAI | 複数システム統合・保守性高 | 全社システム統合、プロセス連携 |
データベース | 高速・信頼性、分析効率 | BI連携、基幹DB間の同期 |
CSV(ファイル連携)
CSV形式やExcelファイルを介してデータを定期的にインポート/エクスポートする形式です。
例えば、メーカーから提供される商品情報をECプラットフォームに取り込んだり、受注情報を販売管理システムへ反映させたりする際に活用されます。
導入コストが比較的低く、簡単な連携に適していますが、手動操作やバッチ処理が主体であるため、リアルタイム性が低くことが人的ミスが多いことがデメリットとなります。
API
API(Application Programming Interface)を通じて、ECサイトと在庫管理・受注管理等の他システム間でリアルタイムなデータ連携を行います。
例えば、最新の在庫数や価格、受注状況を即時同期することで、サイト上に常に最新情報を表示できます。リアルタイム性が高く、動的な連携が可能ですが、API仕様の維持やネットワーク運用が必要です。
EAI
EAI(Enterprise Application Integration)ツールは、社内の複数システム(ERP、CRM、受注・在庫管理など)を統合し、データと業務プロセスを効率的につなげるミドルウェアです。
ハブ&スポーク型の設計で、各システムのデータ形式の違いやフロー制御を吸収するため、拡張性と保守性に優れます。システム改修やバージョンアップにも柔軟に対応でき、全体最適化に効果的です。
データベース
ECサイトDBや基幹システムDB、CRM等のデータベース間で、SQLやODBC/JDBC等の標準接続を用いて直接データを取得・反映します。
特定テーブルの内容を別システムに自動投入したり、BI分析用にデータを集約する用途に適しています。リアルタイム性と信頼性を確保しつつ、手動工程を減らせますが、構造変更への対応や権限管理に注意が必要です。
システムのデータを連携させる際の注意点
システム間でデータを連携する際には、以下の注意点を考慮する必要があります。
データ形式の確認と整合性
異なるシステム間では、日付や数値フォーマット、ID体系、スキーマ構造などが異なる場合があります。これらの不一致が放置されると、マッピングエラーや不整合の原因となり、業務品質の低下を招きます。
事前にフォーマット統一・マッピングルールを明確化することが重要です。さらに、データクレンジングによる“dirty data”(重複、不整合、欠損)の除去や品質チェック体制も必須です。
セキュリティ
ECデータには個人情報や決済情報が含まれることが少なくないため、暗号化・データ転送時のTLS、アクセス制御(RBAC)とログ監査が不可欠です。さらに、社内ポリシーやGDPR/Pマークなどの法規制への準拠も求められます。
異なるシステム間の連携においては、APIからDB接続に至るまでセキュリティ設計と体制整備が必要です。
費用対効果
どの連携方式(CSV、API、EAI、DB接続など)を選ぶかによって、初期導入コストや運用負荷が変動します。例えば、APIはリアルタイム性が高い半面、運用負担やライセンス費がかかります。一方CSVは安価ですが手動作業が必要です。
システム設計時には連携対象の範囲、リアルタイム要件、運用人員、予算などを踏まえて、ROIとコストバランスを慎重に見極めることが重要です。
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まとめ
ECサイトやCRM、在庫・受注管理といった複数システムがサイロ化すると、バージョン違いやデータ重複が生じ、業務が煩雑化しやすくなります。一方、データ連携を導入すれば、異なるシステムの情報をリアルタイムで統合・同期でき、正確性・一貫性が担保され、手作業の削減や入力ミスの防止につながります。
また、統合されたデータ基盤により、迅速な意思決定や自動化、顧客対応が可能になり、結果として業務効率の向上・コスト削減・CX改善を同時に実現できます。
データ連携は、EC運営における信頼性と成長力を支える不可欠な柱です。
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この記事の監修者
株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保
2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

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