CRMマーケティングがECサイトの大きな課題に。課題解決に向けた取り組みを解説

「集客に広告費をかけても、リピートにつながらない」「CRMツールを導入したが、結局メルマガを送るだけで終わっている」──EC担当者からこうした声を聞く機会は、ここ数年で明らかに増えています。

 

実際、グループ会社である株式会社エートゥジェイが実施した調査(n=400)では、EC業務における課題のトップ3がいずれもCRM領域に集中していることが明らかになっています。集客・リピート購入・客単価──どれも「顧客との関係をどう深めるか」という一点につながる課題です。

 

この記事では、ECサイトにおけるCRMマーケティングの現状と3大課題を整理したうえで、ツール選定の正しい判断軸、成果を出すための4ステップ、そしてAI時代に求められるデータ統合の考え方まで、実務に直結する形で解説します。

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CRMマーケティングとは?ECサイトで注目される理由

CRMマーケティングの基本的な意味

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を体系的に管理・分析し、一人ひとりに最適なアプローチを行うことで顧客との関係性を深め、優良顧客へと育てていくマネジメント手法です。

 

CRMマーケティングでは、年齢・性別・居住地域といった属性情報だけでなく、購入履歴・閲覧行動・メール開封率・来店頻度など多角的なデータをひも付けて顧客像を把握します。そのうえで、セグメント別にメルマガ・クーポン・LINE配信などの施策を打ち、リピート率やLTV(顧客生涯価値)の最大化を図ることが主な目的です。

 

なお、CRM・MA・SFAの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
※関連記事: CRMとは?意味やSFA・MAとの違いやメリット、CRM強化のコツや事例を紹介!

 

ECにおけるCRMが重要視される背景

ECサイトにCRMが求められる背景には、新規顧客の獲得コスト(CAC)の高騰があります。広告単価の上昇により、新規1件の獲得コストがリピーター1件の維持コストと比べて数倍から十数倍に膨らむケースは珍しくありません。

 

さらに、ECサイトで初回購入した顧客の約70%が2回目の購入前に離脱するという業界実態があります。この「F2転換の壁」を突破できるかどうかが、EC事業の収益構造を大きく左右します。新規獲得を増やすよりも、既存顧客のリピート率を数ポイント改善する方が、コスト効率は圧倒的に高い。CRMマーケティングへの注目は、こうした実務的な計算から生まれています。

 

ECサイトのCRMマーケティングにおける3大課題

グループ会社であるエートゥジェイが実施した調査(n=400)によると、EC業務の課題トップ3は「集客」(56.3%)、「リピート購入」(40.0%)、「客単価が上がらない」(26.3%)と、いずれもCRM領域の問題が占めています。しかし、課題を感じながらも約半数のEC事業者がCRMツールを未導入という現実もあります。

 

課題の根本を整理すると、大きく3つに集約されます。

 

課題① 顧客データが分散して、セグメントが切れない

ECカート・モール・店舗POSがバラバラに動いているEC事業者では、データがシステムごとに分断されています。この状態では「2回購入したが3ヶ月ログインしていない顧客」「食品カテゴリを閲覧しているが未購入の会員」といった精度の高いセグメントを切ることができません。

 

結果として、全員に同じメルマガを送り続けるという「一括配信」から脱け出せず、開封率も購買転換率も低空飛行が続く、という状況に陥りがちです。

 

課題② ツールを導入しても施策まで落とし込めない

CRMツールを導入している事業者の中にも「初期費用に300万円、月額約70万円をかけているが、使いこなせていない」という事例が少なくありません。

 

ツールを入れただけでは何も変わらないのは当然です。顧客データをどう分析し、どのセグメントにどんな施策を打つか、という「運用設計」がなければ、高機能なツールは宝の持ち腐れになります。多機能なほど「何から始めればよいか」が見えにくくなる、という皮肉な側面もあります。

 

課題③ PDCAが回らず、効果検証が属人化する

施策を実行しても、その効果を正確に計測・記録し、次の改善に生かす仕組みがないと、担当者が変わるたびにゼロリセットになります。「このメール施策が効いた理由」が個人の記憶にしか残らない状態では、組織としてのCRMノウハウが蓄積されません。

 

EC担当者はフロント業務・バックエンド業務ともに多忙なことが多く、施策の効果検証まで手が回らないというリソースの問題も根深い課題の一つです。

 

CRMツールを選ぶ前に確認すべき3つの判断軸

ツールの導入を検討している場合、「多機能であること」や「安価であること」だけを軸に選ぶのは危険です。EC事業のCRMに必要な判断軸は、以下の3点です。

 

判断軸① 「分析→施策実行」を一気通貫で動かせるか

CRMの失敗パターンとして多いのが、「BIツールで分析はできるが、そこから施策に落とし込む機能がない」という分断です。顧客データを見える化した後、メール配信・クーポン発行・セグメント別LP表示まで、同じ画面の中で完結できるかどうかを確認してください。

 

ツールを横断するたびに手作業が発生する設計は、担当者の工数を増やし、施策の実行頻度を下げます。分析と施策実行が一体になっているかどうかは、ツール選定の最重要ポイントです。

 

判断軸② カートシステム・MA・外部ツールとデータ連携できるか

CRMの精度はデータの量と質に比例します。ECカートの購買データだけでなく、Webアクセスログ・店舗POSデータ・SNSエンゲージメントなどを統合できる連携性があるかを確認しましょう。

 

また、メール配信を自動化するMAツールや、SNS配信・LINE配信との連携も重要です。複数チャネルで一貫したコミュニケーションを取れる設計になっているかどうか、デモ段階で実際に確認することをおすすめします。

 

判断軸③ 自社のリソースに合った運用が設計できるか

担当者が1〜2名のEC事業者が、大企業向けのフル機能CRMを導入しても、使いこなせないまま月額費用だけかさむ結果になりがちです。自社の現状のリソース(人員・スキル・時間)に対して、どこまでの機能を段階的に使えるか、ベンダーが運用サポートをどこまで提供するかを必ず確認してください。

 
確認項目 チェックポイント リスク(未確認の場合)
分析→施策実行の一体性 同一画面でセグメント作成〜配信まで完結できるか 手作業が増え施策頻度が低下する
データ連携の幅 カート・POS・MA・SNSとAPIで連携できるか データが分断してセグメント精度が落ちる
運用サポートの充実度 導入後の運用支援・オンボーディングがあるか 使いこなせず費用対効果が出ない
 

成果を出すCRMマーケティングの進め方【4ステップ】

ツールの優劣よりも大切なのが、「どう使うか」という運用設計です。成果につながるCRMマーケティングは、以下の4ステップで進めます。

 

Step1. 目標・KPIを明確に定める

まずやるべきことは、CRMで何を改善したいかを数値で定義することです。「リピート率を上げたい」という曖昧な目標ではなく、「3ヶ月以内のF2転換率を現在の30%から45%に引き上げる」「LTVを6ヶ月で15%向上させる」のように、計測可能なKPIに落とし込んでください。

 

KPIが決まると、どの顧客層にどんな施策を打てばよいかが見えてきます。目標なきCRMは「とりあえずメルマガを送り続ける」状態に陥りやすく、担当者のモチベーションも維持しにくくなります。

 

Step2. 顧客セグメントを設計する

KPIが決まったら、顧客データをもとにセグメントを設計します。ECのCRMで実用性が高い代表的な切り口は以下の通りです。

 

RFM分析:最終購入日(Recency)・購入頻度(Frequency)・購入金額(Monetary)を組み合わせ、優良顧客・休眠顧客・離脱リスク層などを特定する
行動セグメント:カゴ落ちユーザー・特定カテゴリを繰り返し閲覧しているが未購入のユーザーなど、サイト行動に基づいて分類する
属性セグメント:年齢・性別・地域・会員ランクなど、デモグラフィック情報でグループを作る

 

セグメントは最初から細かく切りすぎないことが重要です。まず「優良顧客」「一度きり購入者」「休眠顧客」の3区分から始め、施策の効果を検証しながら精緻化していくアプローチが現実的です。

 

Step3. セグメント別に施策を実行する

セグメントが決まったら、それぞれに合ったアプローチを設計します。全員に同じ内容を送るのではなく、顧客の状況に合わせてコンテンツ・オファー・タイミングを変えることがポイントです。

 

たとえば、初回購入から10日後の購入者には「使い心地はいかがでしたか?」という体験確認メールと関連商品の紹介を送り、3ヶ月間購入がない休眠層には特典付きの再来訪クーポンを配信する、という設計が考えられます。同じクーポンを全員に配布するのと比べ、開封率・クリック率・購買転換率はいずれも大きく改善する傾向があります。

 

施策のチャネルとしては、メルマガ・LINEメッセージ・プッシュ通知・DM・Web接客ツールなどが代表的です。ターゲット層の年齢・行動傾向に合わせてチャネルを選びましょう。

 

※関連記事: ECの客単価を最大化するアップセル・クロスセル施策とは?具体策と成功のポイント

 

Step4. 効果検証とPDCAで施策を磨く

施策を実行したら、必ず効果を数値で検証します。メールならば開封率・クリック率・購買転換率、クーポンならば利用率と客単価への影響、LINEならば友だち追加後の購買率などが主な指標です。

 

「どのセグメントに、どの施策が、いつ効いたか」を記録し続けることで、自社のCRMノウハウが組織として蓄積されます。担当者が変わっても成果が再現できる状態にすることが、PDCAを回す最終的な目的です。

 

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AI時代のCRMマーケティング|データ統合が変える次の一手

2025〜2026年にかけて、ECのCRMに大きな変化が起きています。それがAIとDWH(データウェアハウス)を活用した「データ統合型CRM」の台頭です。

 

従来のCRMは「データを見て、人が判断して、施策を実行する」というサイクルでした。この流れが変わりつつあります。AIが蓄積されたデータを解析し、「このセグメントにこの施策を打てば、売上が○%改善する」という提案を自動で生成し、承認ボタン一つで実行まで完結する、という仕組みが現実のものになっています。

 

鍵を握るのが「データの統合」です。カートの購買データ・店舗POSデータ・Web行動ログ・問い合わせ履歴などを一つのDWHに集約することで、AIが参照できるデータの質と量が飛躍的に高まります。データが分断されたままでは、AIをどれだけ高性能なものにしても、その精度に限界が生じます。

 

AI時代のCRMを活かすための最初の一手は、ツールの選定よりも「どこにどんなデータが存在し、何が分断されているか」の現状把握です。データの整理なくして、AIの恩恵は受けられません。

 

※関連記事: ECのLTVを最大化する鍵は顧客理解|データ統合とAIで実現する探さないEC体験という新常識

 

メルカートのCRM機能なら、データ統合から施策実行まで一気通貫で解決できる

メルカートは、ECサイト構築プラットフォームとして、CRMに必要な機能を標準・オプション双方で提供しています。

 

有料オプション「CRM+」では、会員の購買データ・行動データをもとにした高精度なセグメント設計が可能です。RFM分析に基づいたセグメント作成から、条件トリガー型のメール自動配信(ステップメール)、クーポン発行と配信の一元管理まで、一つの管理画面で完結します。「分析してから施策を打つまでに別システムを経由する」という分断がなくなるため、担当者の工数を大幅に削減しながら施策頻度を高められます。

 

さらに2026年には、日本初となる「AIエージェント一体型DWH基盤」を構築。EC運営に関わる各種データをDWHに集約し、AIが分析から施策提案・実行までを伴走する仕組みを実現しました。「先月CVRが下がった原因は?」と管理画面上でAIに問いかけると、原因分析から改善施策の提案まで自動で回答が生成される、という体験が可能になっています。

 

導入後のサポートも手厚く、専任チームによるコンサルティングと運用支援が標準で提供されます。サポート満足度97%・ECサイト構築1年後の平均売上成長率480%という実績が、この一気通貫の支援体制を裏付けています。

 

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よくある質問(FAQ)

ここでは、ECサイトのCRMマーケティングに関するよくある質問とその回答についてまとめました。

Q1: CRMマーケティングとCRMツールは何が違いますか?

A: CRMマーケティングは「顧客との関係を深めて売上を伸ばす取り組み・戦略」全体を指し、CRMツールはその実行を支援するシステムです。ツールを導入しただけではCRMマーケティングは成立しません。目標設定・セグメント設計・施策立案・効果検証というサイクルを回すことが本質であり、ツールはそのプロセスを効率化する手段に過ぎません。

Q2: CRMツールを導入してもリピートが増えない原因は何ですか?

A: 最も多い原因は、ツール導入前に「目標・KPI・セグメント設計」が整理されていないことです。ツールを入れてから「何をすればよいか」を考え始めると、機能を持て余したまま一括配信だけが続く状態になりがちです。導入前に「誰に・何を・いつ届けるか」を設計し、ツールをその実行エンジンとして位置づけることが成功の前提です。

Q3: 小規模EC事業者でもCRMマーケティングは始められますか?

A: はじめられます。まずは「初回購入者」「2回以上購入者」「3ヶ月以上未購入者」の3セグメントだけを設定し、それぞれに異なるメールを送るところからスタートするだけでも、一括配信と比べて効果の差が出始めます。大規模なツール導入より、「小さく始めて効果を確認しながら拡張する」アプローチが、リソースの限られた事業者には現実的です。

まとめ

ECサイトのCRMマーケティングにおける課題は、大きく3つに整理できます。データが分散してセグメントが切れないこと、ツールを導入しても施策まで落とし込めないこと、そしてPDCAが回らず効果検証が属人化することです。

 

この3つを解消する鍵は、「分析から施策実行まで一気通貫で動けるツール選定」と「目標→セグメント→施策→検証という4ステップの運用設計」の両輪です。さらにAI・DWH時代においては、データ統合の基盤づくりが、CRMの精度を決定的に左右するようになっています。

 

CRMマーケティングに悩みを抱えているEC担当者の方は、まず自社のデータの現状(どこに何が分散しているか)を把握することから始めてみてください。メルカートでは、その状況整理から施策の設計・実行まで、専任チームがサポートしています。

 

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この記事の監修者

株式会社メルカート
執行役員座間 保

クラウドECプラットフォーム『メルカート』のマーケティング・インサイドセールス統括責任者。SEO・広告・SNS・GrowthHackなど、デジタルマーケティング全領域に精通。株式会社エートゥジェイの創業メンバーとして参画し、WEBサービスやコンサルティング会社の設立を経てエートゥジェイに復職。デジタルマーケティング事業責任者として支援部署を立ち上げ、執行役員兼マーケティング統括責任者に就任。2025年のメルカート分社化に伴い転籍し、現在は株式会社メルカートの執行役員としてマーケティング・インサイドセールスを統括している。

専門領域:クラウドEC、BtoBマーケティング、SEO、デジタル広告、インサイドセールス、SaaSグロース

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