ECサイトでも注目を集めるパーソナライズとは? ポイントを押さえるのが成功のカギ

マーケティングの手法にはさまざまな種類がありますが、その中でも近年注目を集めているのが、「パーソナライズ」です。GoogleやAmazonといった大手企業の運営するサイトでも取り入れられている手法で、ECサイトでも導入する企業が増えています。

ここでは、パーソナライズの概要やECサイトにおけるパーソナライズの例、活用するために押さえておきたい注意点などをご紹介します。

   

パーソナライズとは?

パーソナライズイメージ図

パーソナライズ(Personalize)とは、顧客の属性や年齢、ニーズ、購入した商品、サイト内の行動履歴などのデータを分析し、顧客ごとに適した商品やサービス、情報を提供するマーケティング手法です。パーソナライズ化やパーソナライゼーションと呼ばれることもあります。

 

購入した商品に関連した別の商品を紹介するAmazonの「あなたへのおすすめ」表示や、Googleの検索結果などが、パーソナライズの一例です。

顧客の求める情報を適切な場所・タイミングで提供することで、購買意欲を高める効果が期待できます。

 

パーソナライズと意味が似ている言葉に「カスタマイズ」がありますが、2つの大きな違いは「ユーザー自身が設定を行うかどうか」です。カスタマイズは、ユーザー自身が好みや目的に応じて、使いやすいようにサイトやアプリなどを設定し直すことを指します。

一方で、パーソナライズは、商品や情報などを提供するベンダー側が、ユーザーに合わせて最適化した情報を届けるのが特徴です。

ECサイトでパーソナライズ化が注目される訳

さまざまな場所で活用されることが増えているパーソナライズですが、ECサイトではなぜ注目を集めているのでしょうか。考えられる理由を、3つご紹介します。

消費者のニーズが多様化している

パーソナライズが注目されている大きな理由として、消費者のニーズの多様化が挙げられます。スマートフォンやインターネットの普及によって、消費者は自分が欲しい情報を、いつでも自由に探すことができるようになりました。

従来のテレビCMのように、大勢の人に向けて画一的な情報を発信するだけでは、効果が出にくくなりつつあるのです。

 

また、近年は商品の機能性やスペックを重視するのではなく、購入に伴う体験に価値を見出す「コト消費」もトレンドになっています。

自分自身の想いを購入につなげやすいパーソナライズは、コト消費と相性が良い点も見逃せません。

顧客維持の必要性

消費者のニーズが多様化した結果、新規顧客の獲得が難しくなりつつあります。利益を安定して上げるには、新規顧客の獲得に加えて、既存顧客の流出を防がなければいけません。

 

パーソナライズは、顧客が興味を持ちやすい情報を提示するため、ブランドに対する信頼感を高める効果が期待できます。顧客維持につながることに加えて、コンバージョン率やエンゲージメントの向上、直帰率の減少といった効果が見込める点もメリットです。

データ入手の容易化

技術の向上に伴い、高精度なデータが簡単に手に入るようになったのも、パーソナライズが注目を集めている理由として考えられます。従来のアナログな手法だと、データの収集・分析を効率的に行うのは困難でした。

 

しかし、技術が発達した近年は、ツールを活用することで簡単にデータを入手・分析できます。ツールの導入やデータの分析にかかるコストよりも、売り上げを伸ばす効果が期待できるようになったこともあり、ニーズが高まりつつあるのです。

ECサイトにおけるパーソナライズの例

ECサイトでは、どのようなパーソナライズが活用されているのでしょうか。代表的なパーソナライズの例とそれぞれの特徴は、以下のとおりです。

広告機能

パーソナライズド広告枠の例

 

顧客の属性やサイトの訪問履歴などから、ニーズに合っている可能性が高い広告を配信します。需要が見込める層に絞って広告を配信することで、高いコンバージョン率が期待できます。

また、1度サイトを訪れた顧客に広告を出稿して、再訪問や購入を促すことも可能です。

レコメンド

おすすめスクショ

 

レコメンドとは、ユーザーに商品やサービスをおすすめする機能のことです。ユーザーニーズに合った商品を紹介することで、購買率や閲覧率の向上、離脱防止などの効果が期待できます。

 

レコメンド機能を活用すれば、関連商品を一緒に購入してもらう「クロスセル」につなげることも可能です。例えば、パソコン本体を購入した顧客にマウスやキーボードといった周辺機器をおすすめすれば、併せて購入される可能性は高まるはずです。

レコメンドが新たな商品購入につながり、売り上げが向上することも考えられます。

メールマガジンの配信

顧客の属性や購入履歴を使えば、個人に最適化されたメールマガジン(メルマガ)を配信することも可能です。ポイント残高のお知らせやお気に入りに登録している商品のセール情報など、顧客がより興味を持ちやすい内容をお知らせできます。

 

顧客の興味を引きやすい内容に絞ってメールマガジンを配信できるので、開封率の向上につながります。

プッシュ通知

ECサイトで注意する必要があるのが「カゴ落ち」です。カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れたまま、購入することなく離脱してしまった状況を指します。

プッシュ通知があれば、カートに商品が入ったままになっているユーザーに「商品の購入が終わっていません」「購入手続きが未完了です」といった通知を送って、購入を促せます。

情報の偏りを避けることがポイント

離脱を防げたり、満足度を高めたりと、多くのメリットが期待できるパーソナライズですが、デメリットになり得ることも考えられます。

 

例えば、パーソナライズは顧客の属性や嗜好に合わせた情報を提示できるのがメリットである一方、顧客に送る情報が偏ってしまうことも多いです。

似た情報ばかり受け取った結果、不快感を覚えた顧客が離脱してしまう場合もあります。

 

また、顧客のデータを分析してニーズに合った情報を提供するとはいえ、「顧客がその時点で本当に望んでいる情報かどうか」はわからない点にも注意が必要です。

人の嗜好や考え方、求めている商品などは、時間やタイミングによって変わります。不要な情報を提供し続けてしまい、パーソナライズが逆効果になることもあるでしょう。

常に顧客のニーズを分析し、アップデートすることが、パーソナライズを有効活用するカギです。

うまく使えば高い威力を発揮するパーソナライズ

顧客に合わせて情報を提供するパーソナライズは、ニーズの多様化が進む現代において、非常に重要なマーケティング手法といえます。

ただし、情報を最適化した結果、逆にユーザーニーズとは異なる情報を提供する恐れがある点には注意が必要です。常にデータの分析・更新を行い、ユーザーが求めている情報を提供することが求められます。

 

メルカートは、高度な顧客分析や購入分析機能で、ECサイトにおける施策を支援します。ECサイトのマーケティングでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

株式会社エートゥジェイマーケティング責任者座間 保

2007年に㈱エートゥジェイの創業に参画し2009年に独立。マス媒体以外のトリプルメディアを活用した一貫性のあるWeb戦略立案・戦術プランニング・実行・分析・改善に携わる。結果を重視した戦略的なECサイトやオウンドメディア構築を行う。WebメディアやWeb関連事業の起業を3度経験した、シリアルアントレプレナー。2017年に㈱エートゥジェイに出戻り、マーケティング部門を統括している。

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