クラウドサービスにおけるリージョンやゾーンの持つ意味と役割とは

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ここ数年のIT分野において、普及が進んだサービスのひとつが「クラウドサービス」です。企業から個人に至るまで、多くの場面で日々クラウドサービスが活用されており、もはや生活の一部になっているといっても過言ではありません。

それと同時に、クラウドサービスの扱い方やトラブルがあった際の対処法など、クラウドサービスに関するリテラシーの重要度も増しています。

そこで今回は、クラウドサービスにおいて重要なキーワードである「リージョン」の概念や特徴、リージョンの選択方法などについて解説します。

   

クラウドサービスの仕組み

クラウドサービス(Cloud Service)とは、インターネットなどのネットワークを経由してシステムやアプリケーションを提供するサービスのことです。

クラウドは英語で「雲」を意味しますが、これはIT業界においてインターネット環境を雲の図柄で表現していたことが由来のひとつだといわれています。

 

従来のアプリケーションやソフトウェアは、パソコンやスマホなどの端末の中にインストールして使用するのが一般的でした。しかしクラウドサービスなら、インターネット回線とアカウントさえあれば、アプリケーションを端末にインストールすることなく使用できるのが特徴です。

 

代表的なクラウドサービスとしては、「Gmail」や「Yahoo!メール」などのWebメールサービスをはじめ、「Dropbox」や「iCloud」などのストレージサービス、Web会議サービスである「Zoom」、Microsoft Officeのクラウド版「Office365」、企業向け顧客管理システム「Salesforce」などが挙げられます。

 

普段ユーザーは意識しませんが、クラウドサービスを支えるサーバーは、通常「データセンター」と呼ばれる場所に保管されており、厳重なセキュリティのもとで管理・運営が行われています。

クラウドサービスにおけるリージョンとは

リージョン(Region)は直訳すると「地域」や「領域」といった意味を持つ英単語です。クラウドサービスにおけるリージョンとは、データセンター(サーバー)が設置されたエリアを指します。各リージョンは地理的にもネットワーク的にも独立しているのが特徴で、例えば「東日本リージョン」「西日本リージョン」「北米リージョン」などという呼び方をします。

 

クラウドサービスにおいてリージョンが重要である理由は、地震や津波などの天災、停電やネットワーク障害などのインフラ障害、紛争やクラッキングといった人災に至るまで、あらゆる災害に備える必要があるためです。

 

大手クラウドベンダーは、日本国内だけでなく世界各地で、物理的に独立した複数のリージョンを展開・運用しているのが一般的です。例えば、Amazon Web Services (AWS)は24のリージョンを、Microsoft Azureは約60のリージョンを世界各地に展開しています。

リージョンとゾーンの違い

リージョンとゾーンの違い図

 

各リージョン内には独立した運用区画が複数作られていて、これを「ゾーン」と呼びます。言い方を変えると、ゾーンの集まりがリージョンです。ベンダーによっては、ゾーンを「アベイラビリティゾーン」や「AZ」、「可用性ゾーン」などと呼ぶこともあります。

 

ゾーンもリージョンと同様に物理的に独立していますが、一般的にリージョン内のゾーン同士はネットワークで接続されています。同一リージョン内であれば、ゾーンをまたいでデータを複製したり、別のゾーンのリソースを参照したりできるようになっているのが特徴です。

リージョンの持つ役割

クラウドサービスを提供するベンダーは、サーバーやストレージを複数のリージョンに分散して管理しています。サーバーを複数に分ける目的について、詳しく見ていきましょう。

UGCを活用したプロモーションは、商品によって相性の良し悪しがあります。UGCと相性が良い商品とそうでない商品の特徴は、それぞれ以下の通りです。

可用性の向上

可用性(アベイラビリティー)とは、障害やアクシデントがあってもシステムを停止させることなく、安定して稼働し続けることができる能力を指すIT用語です。「可用性が高い」「高可用性」といった使われ方をすることがあります。

 

各リージョン/各ゾーンに振り分けられたサーバーは、それぞれ同じサービスを提供していますが、物理的に独立して互いに干渉し合うことのないようになっています。

そのため、あるリージョン/ゾーンでシステムダウンなどの障害が起こった場合でも、全サーバーが一斉にダウンしない限りは、別のリージョン/ゾーンに切り替えてサービスを継続できます。その間にトラブルのあったリージョンやゾーンの復旧作業を進めることが可能です。

自然災害対策

リージョンを複数の地域に分散することは、自然災害対策としても有効です。クラッキングのリスクに対して万全なセキュリティ対策を取っていても、天災によってサーバーが物理的に壊れてしまっては元も子もありません。

 

特に地震や台風などの自然災害が多く発生する日本の企業は、BCP(事業継続計画)の一環として複数のリージョンにサーバーを分散化することが求められます。

リージョン選択におけるポイント

クラウドサービスを利用するユーザー側にとっても、クラウドサービスを提供するプロバイダー側にとっても、リージョン選択は重要な要素です。

どのような観点でリージョンを選択すればよいか、選定の際のポイントをご紹介します。

通信速度を速くしたい場合

通信速度はシステムを利用するユーザーと、サーバーのあるリージョンとの地理的な距離に依存します。ユーザーから物理的に近い距離にあるリージョンほど遅延(レイテンシー)が少なく済み、レスポンスが良くなります。

 

国内向けのサービスを利用または提供する場合は、海外のリージョンではなく日本国内のリージョンが第一候補として挙げられるでしょう。

使用したいサービスがある場合

ベンダーによっては、リージョンやゾーンごとに異なるサービスを提供していることもあります。使用したいサービスが近くのリージョンで提供されていない場合は、あえて遠い距離のリージョンを選択する他ありません。

物理的な距離だけで選ぶのではなく、使用したいサービスがリージョンやゾーンで提供されているかを事前に確認することが重要です。

 

ただし、クラウド上のデータにはリージョンの存在する国の法律が適用される場合があります。海外のリージョンを使用する際は、現地の法律にも注意しましょう。

障害に備えたい場合

各クラウドベンダーはサーバーの障害を防ぐために日々対策を行っていますが、自然災害による問題が引き起こされるリスクは避けられません。自然災害をはじめとする大規模災害への備えを万全にするには、離れたエリアにあるリージョンに分散するのが有効な手段です。

 

複数のリージョンやゾーンを組み合わせて利用することで、システムの可用性を向上させ、安定的なサービスの利用または提供を可能にします。

コストの確認も重要

クラウドサービスによっては、リージョン間またはゾーン間のデータ転送で課金が発生するケースや、リージョン毎に通信データ量や通信時間の単価が異なる場合があります。リージョンを選択する際には、コストや料金体系も確認しておくことが重要です。

リージョンの確認は障害対策や遅延の予防につながる

 

クラウドサービスにおけるリージョンは、データセンターが設置されている物理的なエリアのことです。複数のリージョンによってデータセンターを分散化することで、障害によるリスクを低減し可用性の向上を図っています。

 

自社が利用しているクラウドサービスのサーバーが、どのリージョンやゾーンにあるのかを確認することで、システム障害や通信の遅延などの対処に役立てることができます。これからクラウドサービスを提供しようとしている事業者の場合は、リージョンを最適化することでシステムの信頼性を上げ、ユーザー満足度の向上に寄与することが可能です。

 

クラウドサービスにとって重要なポイントとなるリージョンとゾーンについての理解を深め、サービスレベルの向上を目指しましょう。


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