メルマガクイズの正解とミニ解説はこちら!

【解答編】最新データで試す「EC×AI」理解度クイズ
メルマガの3問はいかがでしたか。
私たちが普段「ユーザーはこう考えているはずだ」と思い込んでいる常識とは、少し異なる結果になったのではないでしょうか。
ここから、それぞれの正解と「なぜその結果になったのか」を調査データをもとに解説します。
本クイズは、メルカートが2026年3月に実施した調査から出題しています。対象はECサイトでの購入経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり相談したりすることがある20〜60代の消費者400名です。一般消費者全体ではなく、すでにAIを買い物に使っている先行層の回答である点にご留意ください(詳細は記事末尾の「調査概要」参照)。
Q1.AIで買い物相談をする消費者が「AIを使う一番の理由」は?
正解:C.自分の知識だけでは出会えない、新しい発見や驚きがほしいから(41.3%)
【ミニ解説】
「時短」を求めている人は、いちばん少なかった
買い物でAIを利用する一番の理由(単一回答)は次のとおりです。
- 自分の知識だけでは出会えない、新しい発見や驚きがほしいから:41.3%
- 自分で多くの商品を見比べ、決断することに疲れを感じるから:24.5%
- 客観的な比較をしてもらい、買い物での失敗を防ぎたいから:23.0%
- 吟味するプロセスを飛ばして、最短ルートで正解を知りたいから:8.3%
- その他:3.0%
最も多かったのは「新しい発見や驚き」で41.3%。2位に16.8ポイントの差をつけました。
注目したいのは、いちばん「AIらしい」動機に見える「最短ルートで正解を知りたい(タイパ重視)」が8.3%で最下位だったことです。ユーザーはAIを「買い物を短く済ませる道具」としては見ていません。
検索窓にキーワードを打ち込む従来の探し方では、自分の知っている枠内の商品しか見つけられません。ユーザーがAIに期待しているのは、優秀なショップ店員に相談するような「プロ目線での提案」です。
なお2位「決断疲れ」24.5%と3位「失敗を防ぎたい」23.0%を合わせると47.5%になり、「負担を減らしたい」という動機も相応の厚みを持っています。発見への期待と、選ぶ負担からの解放。この2つが並走していると捉えるのが、実態に近い読み方です。
対策のヒント:キーワード検索の精度向上だけでなく、ユーザーの潜在ニーズを引き出す「対話型」の商品提案(AIエージェント等)を検討する
Q2.AIを使って商品を探すユーザーが「最もストレス」と感じる瞬間は?
正解:A.AI画面と実際のECサイト(販売ページ)を往復すること(30.5%)
【ミニ解説】
「AIの答えの質」と「AIとECの分断」に、不満はほぼ等しく向いている
AIでの商品探し・比較中に感じるストレスの回答は次のとおりです。
- AI画面と販売サイトを往復するのが面倒:30.5%
- 真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる:27.5%
- 特にストレスを感じることはない:20.3%
- 何度も指示しなおすのが面倒:11.8%
- 提示されたURLが開かない、機能しない:8.3%
- その他:1.8%
最多は「往復が面倒」30.5%でした。ただし2位「真偽が不安で調べ直す」27.5%との差は3.0ポイントで、この2つは事実上並んでいます。ユーザーの不満は「AIの答えの質」と「AIとECサイトの分断」の両方に、ほぼ等しく向いているということです。
逆に「特にストレスを感じることはない」は20.3%にとどまり、約8割が何らかの摩擦を感じながらAIを使っています。
この摩擦は、実際に事業者側の機会損失につながっています。同調査では、AIで「これだ」という商品が決まった後に外部ECサイトへ移動して購入することについて、60.5%がネガティブな感情(検索し直し・ログインが面倒/情報差が不安/移動が手間で購入を諦める/知らないサイトで不安)を抱いていました。AIの提示価格と実売価格のズレを経験している層では、この比率が76.0%まで高まります(価格ズレを経験したことがない層は25.6%)。
どれだけ良い商品を提案されても、買うまでの導線が分断され、そこで見た情報とサイトの情報が食い違えば、ユーザーの熱量は冷めてしまいます。
対策のヒント:商品・在庫・価格をリアルタイムに同期して「AIが正確に読める店」にする。あわせて、相談からカート投入・決済までの摩擦を減らす導線を設計する
Q3.AIで買い物相談をする消費者のうち、「決定疲れ」を経験した人の割合は?
正解:C.約8割(76.3%)
【ミニ解説】
「選ばせること」自体が、購入のハードルになっている
商品選びで「失敗したくない」という心理から時間をかけすぎてしまう「決定疲れ」の経験率は次のとおりです。
- よくある:25.8%
- たまにある:50.5%
- あまりない:16.5%
- 全くない:7.3%
「よくある」「たまにある」を合わせて76.3%。8割近くのユーザーが、選ぶこと自体に負担を感じています。
そしてこの負担は、AIへの委任意向に直結しています。AIが予算や好みを理解して購入手続きまで代行する機能について、全体の利用意向は86.0%。さらに決定疲れが「よくある」層では「積極的に利用したい」が55.3%と、全体(28.5%)の約2倍に達しました。
「自分で探して、比較して、決断する」という従来のECの前提そのものが、ユーザー側の負担として意識され始めているということです。
ただし委任される範囲は限定的です。AIに「お任せ」で買ってよい金額は1万円未満に63.5%が集中し、1万円を超える金額まで許容するのは19.8%にとどまります。利用意向の内訳も「日用品などのルーチン購入なら」38.5%、「最後に承認するだけなら」19.0%と条件付きが多数です。委任は「少額・低リスク・確認付き」から始まります。
対策のヒント:選択肢を絞り込んで提示するパーソナライズ機能から着手し、少額・確認付きで任せられる導線を段階的に用意する
3問に共通する落とし穴
3問の正解を並べると、ユーザーが求めているものの輪郭が見えてきます。
- Q1=提案の質:求められているのは時短(8.3%)ではなく、自分では出会えなかった発見(41.3%)
- Q2=導線と情報の一致:約8割が摩擦を感じ、AIとECの往復・情報のズレが不満の中心にある
- Q3=選ぶ負担の軽減:76.3%が決定疲れを経験し、負担の重い層ほどAIへの委任に前向き
いずれも「ユーザーに探させ、比べさせ、決めさせる」という従来のECの前提が限界に近づいていることを示しています。品揃えを増やし、検索機能を磨き、情報量を充実させるという方向の努力が、そのままユーザーの満足につながらなくなってきたということです。
ところが多くの現場では、システムの制約により、顧客一人ひとりのインサイトに基づく提案ができていなかったり、商品・在庫・価格の情報がリアルタイムに揃っていなかったりします。提案の質を上げるにも、情報のズレをなくすにも、前提になるのは分断されていないデータです。
これからのEC施策の精度を上げるためには、AI活用を前提とした統合的なデータ基盤とシステム構築が欠かせません。
調査概要
調査名:ECサイト利用時のAI相談に関する調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり相談したりすることがある20〜60代の消費者
有効回答数:400名
調査時期:2026年3月18日〜19日
調査主体:株式会社メルカート
※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本調査結果を引用・掲載される際は、調査名「メルカートECサイト利用時のAI相談に関する調査」の明記をお願いいたします。
全設問(Q1〜Q14)とクロス集計の結果は、以下の記事でデータをすべて公開しています。あわせてご覧ください。
AIで買い物相談する400名に聞いた『ECサイト利用時のAI相談に関する調査』全データ公開
国産クラウドEC構築プラットフォーム メルカートとは
メルカートは、中堅・大手企業向けに「データ統合」と「AI活用」をワンストップで提供する、国産のSaaS型クラウドECプラットフォームです。
最大の特長は、顧客・在庫・行動・VOCを一つのデータ基盤に統合し、AIエージェントが最適な販売戦略を導き出す「次世代のEC成長基盤」にあります。
人の手では不可能だった高度かつ高速な分析をAIが肩代わりすることで、顧客行動だけでなく顧客インサイトに基づいた的確なマーケティング施策を可能にしました。
このAIによる高精度なパーソナライズと、CRMなどの豊富な販促機能の相乗効果により、導入企業の平均売上成長率480%を実現しています。
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