インタビュー詳細
メルカート導入から3年半、業界トップクラスの米穀商社「木徳神糧」が語るECサイト運営の成果と未来
木徳神糧株式会社(きとくしんりょう)は、東京都千代田区に本社を置く米穀製品専門の商社であり、年間販売量業界トップクラスのお米の卸売会社として知られている。米穀、食品、飼料、鶏卵といった多岐にわたる事業を展開する同社は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う消費者のライフスタイルの変化に合わせたDtoC事業の展開を開始。2021年1月にメルカートを導入して、公式オンラインショップ『コメッツ(KOMETS)』をスタートさせた。アフターコロナ時代を同社はどのような戦略で挑むのか。今後のECサイト戦略や展望について伺った。
今回お話を伺った方
- 木徳神糧株式会社
中西様、川村様
導入から現在まで成果
- 購入時同時会員登録機能の追加により、導入前から会員数が130%増加
- 定期的なメルマガ施策によりお米需要の促進、リピート購入増加に成功
- クロスセルを狙う施策の実施で、米以外の商品の売上が向上
2021年1月にオープンした『コメッツ(KOMETS)』ではお米を中心に60品目を取り扱っていました。3年半が経過しましたが、アイテム数や方向性に変化はありましたか?
現在、コメッツのECサイト内では85品目の商品を取り扱っています。オープン当初はお米のみの取り扱いに限られていましたが、この3年半で商品のラインアップが大幅に拡充されました。例えば、家庭用米粉やこめ油、こめ油石鹸などのオリジナル商品の販売も開始し、商品のバリエーションが徐々に増加しています。
コメッツを運営する木徳神糧はBtoBのお米の卸売りを主な業務としています。より多くの方に「木徳神糧」という会社やブランドの認知を広げるため、実際に商品を召し上がるお客様へ直接販売を行うBtoC事業として『コメッツ』を立ち上げました。この方向性には変わりがなく、今後も消費者との直接的な接点を持つことで、会社全体のブランド力向上を目指しています。
運営人数に関しても、オープン当初と変わらず基本的に3名で行っています。メンバーの異動などで入れ替わりはありましたが、現在は兼任が1名、専任1名、そしてサポート1名という体制で運営しています。少人数ながらも、それぞれのメンバーが多岐にわたる役割を担い、効率的に運営を行っています。
オープンから3年半、状況はウィズコロナからアフターコロナへと変化しました。この間にお客様の動向に変化はありましたか?
ウィズコロナの間、多くの方がスーパーなど食品の買い物へ行くことさえも避ける傾向が見られました。その結果、食品のネット購入を日常に取り入れる方が増加したのではないかと感じています。特に、お米のような重たい商品は、自宅まで配送してもらえるネット購入の利便性が高く評価されました。
アフターコロナになった現在でも、その傾向は続いています。売上は安定して増加傾向にあり、お客様の大きな変化は感じていません。ネット購入を続けるリピーターのお客様が増加しています。一度ネット購入の利便性を体験したお客様が引き続き利用していることが伺えます。
これまでに効果的だった施策を教えてください。
ゲスト購入の割合が高かったのもあり、会員登録できることを知らずに毎回ゲスト購入している方がいるのではないかという仮説を立てました。そこで、購入時に会員登録を同時に行えるオプション機能を導入しました。この機能の導入により、会員登録のハードルを低くすることができ、会員数は導入前から130%増加しました。リピーターの増加も期待でき、顧客との長期的な関係構築にも繋がっています。
また、メルマガは週に一度必ず配信しており、お得情報はもちろんですが、お米の種類別に炊き方や味の紹介も行っています。コメッツでは外国米も取り扱っているため、少しでも興味を持っていただき、購入意欲が湧くような内容を心掛けています。嬉しいことに、メルマガを配信した翌日は売上が上ることが多いです。しかし、必ずしもメルマガで紹介した商品が売れるわけではありません。メルマガの内容に関係なく、弊社からのメルマガが届くと「そういえば、お米がそろそろなくなるんだった」と思い出していただけるようで、非常に効果的な施策だと感じています。
冒頭でも申し上げましたが、米粉などの弊社オリジナル商品の販売を開始しました。しかし、コメッツにいらっしゃるお客様の大半はお米を購入することが目的です。そのため、商品をECサイト上に掲載しているだけでは当然売上は上がりません。まずはオリジナル商品の存在を認知してもらうことを目的に、お米のセット売り商品に唐揚げ粉をプレゼントする「からあげdeごはんおかわりキャンペーン(通称:からおかキャンペーン)」を行いました。その結果、セット商品は売り切れとなり、新商品の認知を広げるために非常に効果的なキャンペーンとなりました。
まずはお客様に会員登録をしていただくことから始め、その後リピート率を高める施策を実施しました。さらに、クロスセル施策を行うことで、関連商品の購入を促進し、全体的な売上の向上を図ることができたと感じています。この一連の取り組みにより、顧客ロイヤリティの強化や顧客満足度の向上にも繋がり、長期的なビジネスの成功に結びついていると考えています。
様々な施策を行っていますが、考案から実行まで部署内で完結しているのでしょうか?
考案から実行までのプロセスは基本的に部署内で完結しています。まず、キャンペーン名の決定からスタートします。親しみやすく、かつ自分たちも愛着を持てる名前にするためにメンバー間で時間をかけて話し合いを行います。その後、画像作成、キャンペーンページの構築、メルマガの作成・配信といった一連の作業を行います。このように、一貫して部署内で完結する体制を整えているため、柔軟で迅速な対応が可能となり、効果的な施策を実現しています。
オープン前後から現在に至るまで、メルカートのサポート体制はいかがですか?
今年の4月からメインで業務を行っていますが、まだ2年目で知識が不足している部分があります。そのため、分からないことがあった場合はまずメルカートマニュアルで調べるようにしています。それでも解決が難しい場合はカスタマーサクセスに電話で質問をしています。質問をすると、すぐに回答や参考資料などを準備してくださり、そのスピーディーな対応には本当に感謝しています。
実際、他の事業者さんのインタビュー記事に「まるでうちの社員のようだ」と書いてあるのを見ましたが、本当にその通りだと感じています。気軽に連絡ができ、なんでもカスタマーサクセスに聞けるという安心感が大きな支えとなっています。
今後のECサイト運営における目標について教えてください。
日本の年間米消費量は年々減少傾向にあり、これは業界全体にとって大きな課題となっています。そこで、消費拡大を促進するためにも、会社のファンを増やしていきたいと考えています。具体的には、今後はSNSでの認知活動にも力を入れていきたいです。
また、米以外のオリジナル商品の売上拡大も目指しています。これらの商品の売上を伸ばすことで、ECサイト全体の魅力を高めるだけでなく、メインビジネスである米、粉、餌の卸売にも良い影響を与え、社内でのEC事業の存在感を高めていきたいと思っています。
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社名
木徳神糧株式会社
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創業年月日
1882(明治15)年1月
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代表取締役社長
平山 惇
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所在地
東京都千代田区神田小川町2-8 木徳神糧小川町ビル
構築・運用・サポート
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