「iwaki」でおなじみの、
130年以上の歴史を持つ
AGCテクノグラス株式会社
今回お話を伺った方
AGCテクノグラス株式会社
コンシューマ本部 ハウスウエア営業部
チーフマネージャー
野村 考弘様
AGC株式会社
経営企画本部 DX推進部
マネージャー
田家 敦史様
創業1883年、明治時代から130年以上の歴史を積み重ねてきたAGCテクノグラス株式会社。AGCグループ内にあって、特殊ガラス技術をベースに、照明用ガラス、工業用ガラス、光学ガラス、耐熱ガラス食器、理化学ガラス等の製造開発を専門に扱っている。
主力事業のひとつ、耐熱ガラスを使った食器事業で「iwaki」ブランドを展開。デザイン性と機能性を兼ね備えた機能美のある製品群は、幅広い年齢層の人々から支持されている。テレビ、雑誌、SNSといったメディアで取り上げられることも多く、高い知名度を誇る。
そんな同社は、2020年10月10日にECサイト『【iwaki公式】保存容器・キッチン用品のオンラインショップ』をオープン。それまではブランドサイトやECモールでの展開をしていたが、メルカートを採用して自社ECサイトの内製へとスイッチした。内製化した理由と顧客との双方向コミュニケーションを盛り上げていく狙いについて伺った。
メルカート導入の
目的・課題・効果
- お客様主導のマーケティングプロセス展開とデータ活用したPDCAサイクルの定着
- 企業からの一方通行ではなく、お客様との対話を通じて関係性を育むユーザー体験(UX)の構築
- データを活用したマーケティングプロセス構築、成り行き販売からの脱却
- お客様のデジタルシフトへの対応、Webサイト構築・デジタルマーケティングの展開
- お客様との双方向コミュニケーションが活発化した
- メルカートのデータ分析機能はわかりやすく、データを使って議論できるようになった
- 各フェーズごとにメルカートの充実した支援があり、安心してECサイト構築・運用ができている
信頼できる
パートナーとして
メルカートを選択。
ブランドの世界観を
顧客と共有して
マーケティングにも活用
ECサイトでお取り扱いされている商品について教えてください。
サイトでは、当社の特殊ガラス技術を用いて製造している耐熱ガラスの食器ブランド「iwaki」商品全般を取り扱っており、350アイテムほどを掲載しています。注力している商品カテゴリーは保存容器と耐熱ガラス容器です。
「iwaki」ブランドは料理をしない人でも知っていることが多く、
インスタグラム(Instagram)などでもよく見かけますね。
保存容器もガラスボウルも、40年近くほとんど形は変わっていません。デザイン性はもちろん、ちょっとした丸みやカーブの具合等、使いやすさには徹底的にこだわっています。長くご支持いただいている理由は、そんなデザインと機能をバランス良く融合した設計コンセプトにあると考えています。
そのまま食卓に出しても使えるデザインとして、テレビや雑誌といったメディアに取り上げられたり、お客様がSNSに写真を投稿してくださったりすることが多いですね。
オープン前はEC戦略において、
どのような課題を
お持ちだったのでしょうか?
2020年10月10日にサイトをオープンする前は、ブランドサイトを運営しモール型プラットフォームにも出店していました。自社でECサイトを運営するのは、今回が初の取り組みとなります。自社で立ち上げようと考えたのは、まず、お客様との双方向コミュニケーションを活発化させたいという狙いがありました。
また旧ブランドサイトはスマートフォンに対応していませんでした。くわえて、自分たちでサイトを更新できなかったため、例えば“【NEW】”と記載しているコンテンツが古いままのこともありました。このような状態では、iwakiのファンでサイトに来ていただいたお客様を十分に“おもてなし”することができません。この歯痒さをどうにかしたい、iwakiブランドの魅力を多くの方に伝達したいという想いがありました。
そして、データドリブン的な考え方で情報収集力を高め、マーケティング力を強化することも課題として認識していました。
そのような課題感があるなかで、
メルカートを採用したのは
なぜですか?
メルカートを採用した理由は、スピード感をもってサイト運営ができることと、データ収集と分析ができ、PDCAを回していける機能と使い勝手の良さからです。
しかし、EC運営の経験が少なかったこともあり、どのシステムを採用するかかなり悩みました。最終的な決め手は、メルカートはデータ収集機能が充実していること、エートゥジェイの運営やマーケティングサポート体制が、私たちにマッチしていると感じられたことにあります。
ほぼ初めてECサイトに取り組む私たちでも「メルカートなら使えるんじゃないか」と思えたことがポイントでした。
ECサイト経験をあまりお持ちでなかったから、サポート体制を気にされたのですね。
契約した後の伴走体制、つまりコンサルティングやサポートが充実していることを重視しました。実はメルカート契約直後でも不安を感じていました。しかし、ECサイト構築のフェーズごとにエートゥジェイの方々がしっかりと支援してくれたので、すぐに不安は払拭され、安心してプロジェクトに集中できたことを覚えています。
実際にメルカートを導入されて、何か効果や手応えを感じられましたか?
メルカートを使うことによって、Webサイト更新のハードルがぐっと下がり、思い立った瞬間に変更できるくらいスピード感をもって対応できるようになりました。この点は導入前と比べて大きな違いです。
先日、あるニュースサイトで当社の製品をご紹介いただいたとき、商品への導線を翌日には作成してECサイトに反映することができました。このスピード感ある対応で販売へ繋げることができたのは大きかったです。
お客様と双方向のコミュニケーションもダイレクトにできています。先ほどもお伝えしましたが、私たちはECサイトで商品を売るだけではなく、iwakiブランドの魅力を発信して、お客様に認知していただく狙いも持っています。
エートゥジェイのグループ会社がサービス展開している『visumo』で、お客様が投稿したInstagramの画像をECサイトに掲載したり、ハッシュタグをつけてInstagramキャンペーンを実施したりしていますが、お客様からは大きな反響をいただいています。お客様からのコメントからは、数値では測ることができないブランドの価値を伝えられていると実感しています。
初めて自社ECサイトを運営されてみて、マインドの変化等はありましたか?
ECサイトの運営を開始して1ヶ月ほどが経ち、上長とミーティングをしたときの話です。私たちがサイト滞在時間とコンバージョン率の相関について報告すると、上長が「そんな話をするようになったのか。数ヶ月前とは違うな」と驚いていたことで、「自分たちは変わったんだ」と自覚できました。実際にECサイトで得られたデータを見ながら、次のアクションを考えることが当たり前になり、データドリブンな活動の定着に手応えを感じています。
ECへの挑戦が、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも
影響を与えているのですね。
よく「マーケティングは組織づくりだ」と言われます。メルカートを使うことで、データを使って議論できるようになり、マーケティングと営業スタイルに変化の兆しが見られています。それを踏まえて、データを利活用してPDCAをしっかり回していける組織改革を進め、新たな営業活動のスタイルを根付かせていきたいですね。
今回の「iwaki」の事例を一つのロールモデルとしてAGCグループに横展開することで、グループ全体のデジタルトランスフォーメーションを推進していけたらと考えています。
今後、EC領域でどのような展望や
構想をお持ちですか?
10月のオープンを迎えた時点で「完成した!」という満足感もありましたが、完成が終わりではなくスタートラインにようやく立ったところです。いつまでたってもECサイトは完成することはありません。時代に合わせて進化させていくことが重要だと感じています。来年度で2年目になるECサイトとして、売り上げ目標はもちろんあります。将来の見通しが良くなったことで売り上げの伸び率を大きく取ることができています。
今後は、メルカートから得られるデータや情報を分析して、『visumo』を使ったSNSでの反響をサイト運営に活用していきたいです。お客様にiwakiの魅力を伝えた上で、ライフタイムバリュー(LTV:顧客生涯価値)をいかに高めていくのかが課題です。「ローマは一日にして成らず」ではありませんが、お客様と一緒になって「iwaki」というブランドを発展させ、時代を歩んでいきたいと思っています。
メルカートの活用を検討している
企業様にアドバイスやメッセージをお願いします。
「お客様と一緒に」という観点をとても大切に考えています。自社ECサイトは、お客様とともに私たちも成長していけるプラットフォームだと実感しています。メルカートの豊富な機能とエートゥジェイのサポート体制があることで、EC運営の経験が少なかった私たちでも取り組むことができています。そういう意味で、メルカートには「懐の深さ」がありますね。
もし、初めてのEC運営だからと迷われているなら、心配することないと思います。正直、私たちも「本当に大丈夫なのか……」と大きな不安がありました。しかし、すぐにその不安を打ち消すことができ、さらに将来への展望が開けました。ECサイトの運営経験の少ない企業が自社ECをはじめるならメルカートをおすすめします。
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社名
AGCテクノグラス株式会社
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設立年月日
1999(平成11)年1月1日
創業 1883(明治16)年10月24日 -
事業内容
電子・光学部材、ガラス食器、理化学用製品などの製造、開発、販売